スーパーロボット大戦
〜OVER THE GOD〜
第一章 異界激震編
第五話 灰色の閃光
「たぁ!でや!」
アデューはがむしゃらに剣を振るっていた。
心の中にあるもやもやしたものをたたききるために剣を振るう。
だが、それは素人目に見ても荒れているようにしか見えなかった。
昨日の戦闘・・・アデューは完全なる敗北を喫していた。
完全なる力不足、あの時、トールやショウがいなければ・・・
アデューはそんな不甲斐ない自分が許せなかった。
あの時もそうだ。自分の力が足りないから仲間たちを傷つけてしまった。
「荒れてるな」
それをトールはワイバーンの上から眺めていた。
「みたいだな」
ショウが相槌をうつ。
「って、なんかアドバイスでもしないのか?」
「そういわれてもな。俺はフォローはあまり得意じゃない」
「ふぅむ・・・なら、ここは俺の出番か?」
「トールのアドバイスだと何か余計に悪化しそう」
チャムが茶々をいれるとトールがむすっとした表情になる。
少なからず傷ついたようだ。
「それに俺たちはアデューについてあまり良く知らないんだ。下手に口を出せば余計へんなことになるぞ」
「まぁねぇ・・・それを言えば俺たちってまだ、出会ったばっかりで全然、お互いのことを分かってないと思うけど」
「そういえばそうだな・・・まぁ、成り行きで一緒に戦ってはいるが・・・」
ショウがじっとトールを見つめる。
「おい・・・今更、信用できないとか言い出すんじゃないだろうな」
「いや、トールもやっぱり因縁とかあったのかと思ってな」
「因縁?」
「あぁ、王太はともかくとして俺にはバーン、アデューにはあの黒い奴、フォルカにはフェルナンド・・・
それぞれ、何らかの因縁があるやつがいたからな。もしかしたらトールにもあるかなって。
あの腕でほとんど戦ったことがないってことはないんだろ?」
ショウはトールの腕前を認めている。
共に戦っているからこそ実感できるものがある。
トールはほぼ初めて共に戦うショウと呼吸を合わせてきた。
それほどの腕前を天性でもちうるとはとても思えない。
動きからも熟練した何かを感じ取ることも出来る。
「ふむ・・・確かにあるな。因縁・・・一人、とっても深い奴が」
トールは真剣な表情で空を見上げた。
空に少し暗い雲が浮かんでいた。
雨雲だろうか・・・もしかしたら雨が降るかもしれない。
「そうか・・・」
「思えば・・・あいつが俺の戦いの最初の敵だしな・・・でも、悪い奴じゃないんだよ・・・
どうしてんだろうな・・・こんな状況で」
トールは懐かしげに呟いている。
それは敵を見る目ではなく遠く離れた戦友を見る目だった。
「どうしたんだろ・・・なんかトールがまともに見える」
「チャム・・・失礼だぞ」
「でも、ショウもそう思うでしょ」
「・・・あぁ」
ショウは静かに肯定した。
「これがダイソードか・・・」
フォルカは学校の屋上からマジマジとダイソードを見つめる。
修羅王が求める伝説の力が一つ・・・神に反逆せし剣、ダ・イスォウド。
八つの神の武器で最強と呼ばれるゴッドフォースだ。
「あっ・・・フォルカさん・・・?」
王太がフォルカに背後から話しかける。
フォルカは振り返ると王太は少しびくついた。
どうやら、背が大きく鍛え上げられた肉体・・・更に無愛想で怒ったような表情のフォルカが苦手なようだ。
「君は・・・ダイソードの持ち主の・・・王太だったか?」
「はい、そうです」
「何かようか?」
「いえ、ちょっとダイソードをみに」
「そうか・・・しかし、君のような子供がダイソードの持ち主だとはな」
「やっぱり、頼りないですか?」
「いや、戦いぶりはショウから聞いた。中々に勇敢みたいだな」
「そうでもないです。何時も恐くて全然、なれてません。ショウさんやトールさんみたいに戦えませんよ」
「なに、戦ううちにそんなものは感じなくなる。まぁ、あそこまでの修羅になれるものはそうそういないだろうがな」
「やっぱり・・・あの三人って強いんですか?」
「三人・・・アデューは戦っているところを見ていないから分からないがショウとトールは強いな。
一般的な修羅では相手にはならないだろう」
「やっぱり・・・」
王太は暗い表情で呟いた。
だが、フォルカにその表情の意味が分からずただ、無言でダイソードを見つめ続けていた。
空を段々と雨雲が占めていった。
分厚い雲が太陽光を遮り灰色になったそれは大地に暗い影を落としていく。
トールはワイバーンの上で空気が震えるのを感じた。
体内に流れる血が何かを感じてざわめく。
放たれる殺気、殺意、闘志・・・それは出し惜しみもなく隠す気もサラサラなく巨大になっていく。
知っている、知っている
トールはそれを知っている。
体は意識よりも先に跳ね起きてなすべきことをなす。
ワイバーンのコクピットに滑り込みシートに座りレバーを握る。
闘志を心にこめる、熱意を視線に込める、気合を拳に込める。
そして、意思をレバーに込めてワイバーンが立ち上がった。
風を纏め上げ巨大な翼へとかえる。
突風を発生させ浮かび上がる青い機体が僅かな青空に溶けていく。
衝撃波が大きく空を包み、圧倒的な脅威を持って全てを吹き飛ばす。
ワイバーンはそれを紙一重でかわし加速した。
「クロヴァス!」
叫びが突風となり突風がワイバーンになり空を駆けた。
「どうしたんだ?」
ショウが学校から飛び出して上空を見上げた。
一瞬、空が歪んだと思えば遠くから爆発音が響き渡る。
「敵襲か・・・」
「ワイバーンがない。トールが出たんだ」
「だけど、さっきのが敵の攻撃だとしたら相当な強敵だぞ」
ショウは焦りを感じるが既にワイバーンの姿が見えない。
どちらに行けばいいかわからなかった。
「敵か!?」
アデューが飛び出してくる。
全身を汗で濡らし、息を切らせながらも、目はギラギラと輝き何かを求めて睨んでいた。
「そうだが・・・アデュー、今日は休んでいろ」
「何でだよ!」
「さっきまで修行していたんだろう。そんな状態じゃ戦闘は無理だ」
「そんなことない、俺は戦える」
「バカなことを言うな。そんなに疲れた顔をして気づかないのか」
「疲れてなんかいない・・・ショウに止められようが俺は行くぜ!」
アデューが走りだそうとするそれをショウは後ろから羽交い絞めにした。
アデューはその体からは想像もつかない力で抵抗するがショウは必死にそれを抑える。
「離せ!」
「頭を冷やすんだ」
二人の怒鳴り声に周囲の生徒が視線を向ける。
「俺はもっと強くなるんだ。そのためにももっと戦わなきゃならないんだ」
「いい加減にしろ。どっちにしたってお前のゼファーじゃ空を飛べない。今はトールに任せるんだ」
「くっ・・・」
その言葉にアデューはどうすることも出来ないことを認識するしかなかった。
空の果てでトールは邂逅を果たしていた。
因縁・・・そう呼ばずになんとよぼうかこの関係。
世界が裂かれて乱されようとも戦場にて合間見えるこの運命。
ワイバーンの前に巨大な剣を構えた灰色の機体が立ち塞がる。
シルエットはまるで騎士のような機体は無造作にその巨大な剣を構えていた。
その剣の真ん中はくりぬかれたように空洞となっている。
「久しぶりだな。トール」
灰色の機体から声が聞こえる。
「お前も相変わらず見たいだな。クロヴァス」
トールは何処か嬉しそうに言葉を返した。
だが、灰色の機体・・・そのパイロットであるクロヴァスから感じる殺気に対する対処を緩めない。
空間に神経をはるかのごとく集中する。
機体の腕が動く。
それを視認すると同時にトールはワイバーンを上昇させた。
風を羽ばたき上昇するワイバーンの足元を衝撃波が薙ぎ払う。
既に灰色の機体は剣を振るっていた。
「挨拶の次が攻撃か。相変わらず礼儀作法を知らない奴だな」
「奇襲を得意とする貴様に言われたくない」
カメラ越しに二人の視線が交差する。
と、途端にクロヴァスは視線を外し一気に加速した。
ワイバーンではなくその来た方向に向かって。
「なっ!俺狙いじゃない!?」
「貴様よりも興味深いものを知ったんでな」
クロヴァスはそう告げると灰色の機体が閃光のごとく空を駆ける。
その後をすぐさまワイバーンは追った。
加速力、最大速度共にワイバーンはかの機体を超えている。
すぐさまに捕らえることは出来なくても追いつくことは可能だ。
だが、どちら共に音速クラスの稼動を可能とする機体。
トールがとった間など0になり舞台は既に学校の上空へと移っていた。
灰色の閃光・・・
彼はそう呼ばれていた。
灰色の髪と瞳という特徴的な容姿と華奢で小さな体と双反する巨大な剣を瞬く速度で繰り出すその姿から
何時しか人々は脅威の象徴としてそう呼んだ。
戦士たちはその言葉を聴くだけで戦意を喪失するほどの高み。
その位に立つものは噂の凶悪さと反比例するかのごとく幼い顔立ちの可愛いという男としては忌むべき形容が当てはまる者だ。
故の荒々しさなのかも知れぬが。
彼は強さを求めていた。
故に最強の象徴と言えるメタルレプリカを操り、その中でも最高クラスの実力をもっていた。
だが、それでも彼は絶えず求め、何かを探していた。
その中でトールと出会い因縁と呼ぶべき戦いを行ってきた。
だが、彼の興味は今は彼にない・・・あるのはただ一つ・・・
神に反逆したと記される剣。持つ者に全てを与えるとされる力の象徴。
それを手にしたものとの勝負・・・それだけだ。
「はぁああああ!」
クロヴァスが吼えると同時に彼の愛機たるグレイファントムが大きく剣を振るう。
剣に込められた魔力が振るうことにより大気に伝わり巨大な衝撃波を放つ。
それは物理的な破壊力となりて大地をえぐった。
学校が浮かぶ大地をスレスレで通り過ぎて・・・
「くっ・・・外してきたのか」
ショウはダンバインのコクピットでその攻撃に驚いていた。
それと同時に何故、外したのか疑問を抱える。
「だが、もし直撃を受けていたら学校は完全に・・・」
その想像を途中でやめてショウはダンバインを飛翔させる。
オーラの青白き光を放ちダンバインはグレイファントムへと向かった。
「オーラバトラー・・・こんなところにいるとはな」
「修羅軍か・・・今までの機体と違うが・・・」
お互いの鋼は剣を構える。
ショウは間合いを計りつつ相手の出方を伺う。
だが、クロヴァスは躊躇いもせずに剣を振るった。
衝撃波が舞い、ダンバインが飲み込まれる。
あの破壊力ならばオーラバトラーの装甲など一撃の下に砕け散る。
クロヴァスは余裕を持ってそれを見守っていた。
だが、煙が晴れたその先には青白い光の場に包まれたダンバインの姿だった。
「なに!?」
「俺のオーラ力を甘く見るな」
ショウほどの戦士が持つオーラ力による発生するオーラバリアは通常のそれをはるかに上回る。
全くの無傷でダンバインはグレイファントムに斬りかかった。
オーラソードにオーラが注がれ青白く発光した。
「いっけぇ!オーラ斬りだぁ!」
チャムの叫び声と共にオーラソードが振り下ろされる。
グレイファントムはそれを紙一重でかわすと大きく間合いをとった。
「くっ・・・このオーラバトラー・・・強い」
「あの間合いでかわした・・・」
二人はそれぞれ敵の技量に驚きを感じている。
そこにワイバーンが舞い戻ってきた。
「待たせたなぁ。そして、しくじった」
ワイバーンがチェーンダガーでグレイファントムに斬りかかる。
グレイファントムはそれを剣で防ぐ。
金属と金属が高速でぶつかり合う高い音が空に響いた。
「今はお前に構ってる気はない」
「そういうなよ。散々、ねちねちつけまわされた礼だ。ねちょっと受けとれい!」
ワイバーンが腰部の機関銃を撃ちつける。
グレイファントムは少し後ろにひくと空いた空間に体を滑り込ませワイバーンの下につく。
そして、そのままワイバーンの進行方向を手助けするように吹き飛ばした。
凄い勢いでワイバーンは吹っ飛んでいく。
「ぐわぁ!フレームアウトだぁ!!」
トールはそのままセリフどおりに彼らの視線から消えていった。
「あのトールを簡単にあしらうとは・・・」
ショウは相手の力量に警戒しつつ間合いをとる。
いくら、相手が強かろうがたった一機、こちらにはまだ、アデューもいる。少し荒れているが。
それに切り札たるダイソードも存在しているのだ。
余裕は・・・ある。
「いくぞ!」
クロヴァスの気合と共にグレイファントムが剣を振るう。
巨大な金属の刃がダンバインへと迫る。
巨大といってもダンバインと同じ程度のサイズであるグレイファントムが持つ剣。
そこまで巨大というわけではない。
しかし、それは斬撃の速度と殺気から実際よりも巨大に見えた。
ショウはそれを受けずに回避し横合いからオーラソードを振るった。
だが、それをグレイファントムは何時の間にか戻していた剣で受け止めた。
「なっ・・・」
「はぁ!」
グレイファントムがダンバインを腕の力で吹き飛ばす。
ダンバインはオーラの翼で空中にとどまる。
「剣の技術は相当なものだな・・・」
ショウはダンバインの機動力を生かし相手の周りを警戒しつつ回る。
「ハエじゃないんだ。攻撃してきたらどうだ?」
クロヴァスが挑発してくるがショウは乗らない。
迂闊に飛び込めるほど相手に隙などなかった。
「かなりの使い手みたいだが・・・今の俺が求めるのはダイソードのみ」
「伝説の力を狙っているのか?」
「伝説の力・・・まぁな。なにせ神を倒すほどの力だ。興味がないはずがないだろ」
「それを狙って何を企む」
「企む・・・ふん、修羅どもは何か狙ってるみたいだが・・・俺は別に興味がない。
俺が求めるは唯一つ・・・伝説の力を打ち破るほどの力のみ!」
グレイファントムが剣を自分の後方に向かって振るった。
衝撃波が奔りグレイファントムが閃光のごとく加速する。
「!」
ショウはその後を追おうとするが加速力は圧倒的にあちらが上だった。
グレイファントムは既にダイソードへと切りかかっている。
金属と金属がぶつかり合う高い音と巨大な質量通しの衝突音が学校中に響き渡った。
いくつもの窓ガラスが吹き飛び生徒たちの声が騒音となる。
だが、それほどの衝撃をくらってもなおダイソードは無傷だった。
「この程度で傷つくほどやわじゃないということか」
クロヴァスは口元をつりあげにやりと笑った。
「くっ・・・ユーリナ大丈夫か?」
王太は衝撃の余波に倒れながら横の少女を起こした。
「はい・・・ダイソードは?」
「大丈夫だ。あいつはあれくらいじゃやられはしない」
王太は神々しく大地に突き刺さる巨大な剣を見上げ言った。
「でも、このまま見過ごしてたらやられる可能性もある・・・」
王太はダイソードを心の中で掴もうとする。
「待った!」
それを大きな声で制止させる。
「アデュー・・・」
「あいつの相手は俺がする!」
アデューはカードを取り出した。
「大丈夫なのか?」
「大丈夫、今度は負けない」
「そうじゃなくて・・・」
王太が何か言おうとしたがアデューは聞かずに走っていった。
クロヴァスは少し距離を離し再び剣を構えた。
それをダンバインが襲い掛かる。
「させるか!」
「今はお前に構う気にはならん」
グレイファントムは衝撃波をダンバインに向かって放った。
ダンバインはそれをかわし突き進む。
だが、グレイファントムは衝撃に乗り地面に降り立っていた。
土煙を巻き上げ剣を構える。
「なっ!止めろ!」
その方向は学校・・・もし、このまま放たれたらダイソードは無事でも通常の建造物である学校はただすまない。
そして、そこで暮らす生徒たちも・・・
ダンバインが青き炎を巻き上げて迫るが間に合わない。
灰色の閃光が破壊の波をはなとうとするとき
赤い炎が巻き上がった。
「リューナイト!ゼファー!!」
炎の中から騎士のリューが立ち上がりそのままグレイファントムにむかって突き進む。
「なっ!」
「うおお!!」
ゼファーが放たれる剣に向かって斬撃を放つ。
剣と剣が激突し衝撃波は相殺された。
「まだ・・・いたのか」
「やらせるかぁ!」
アデューの闘志にゼファーが反応し膨大な魔力が放たれる。
それは力となりグレイファントムを吹き飛ばした。
「ぐっ・・・なんだ、見たこともない機体・・」
「騎士道大原則ひとーつ、騎士は仲間を護らねばならない。
そのためにも俺は強くならなきゃならないんだ!」
アデューが叫びを上げる。
その表情は何処かふっきれたような感じだった。
誰かの危機を前にして強くなれる・・・アデューはそんな男だ。
「仲間のための強さ・・・ふん、流石は奴の仲間だな、類は友を呼ぶか」
グレイファントムが立ち上がる。
度重なる激突で次第に間接が悲鳴を上げてきている。
だが、まだ戦えないわけではない。
やれる。その確信の元にクロヴァスはその灰色の瞳を騎士へと向けた。
「お前らを倒さずにダイソードにたどり着こうとした俺が浅はかだったか」
「おう、正々堂々と勝負だ」
剣士と騎士はお互いの剣を構える。
緊張が世界を包み周りが静寂となった。
互いの一瞬の隙を探し感覚を研ぎ澄ませていく。
だが、その膠着は礼儀知らずの攻撃により崩壊した。
大地を炎の弾が焼く。
「くっ!増援か」
「なに・・・あれは・・・」
ショウはその増援の姿に驚きを隠せない。
それは彼が良く知る機体だった。
バイストン・ウェル、アの国ドレイク軍が用いる量産型オーラバトラー。
「ドラムロ」
ショウは戦いなじんだ相手との意外な場所での出会いに驚きつつ立ち向かう。
「なんで、バイストン・ウェルの人間がこんな場所で戦う!?」
ショウが叫ぶがドラムロのパイロットは何も答えない。
その代わりにフレイボムを打ち込んできた。
ショウはオーラバリアで防ぎドラムロの間合いに入り込んだ。
「はぁ!」
気合と共にドラムロの腕を一閃する。
ショウとオーラ力により性能を激変させるダンバインのコンビにドラムロ如き平凡なオーラバトラーは相手ではない。
「なんだ・・・この禍々しいオーラ力は・・・?」
ショウは交差した瞬間に感じたドラムロから流れるオーラ力に違和感を感じを受けた。
「ふぅ・・・やっと戻って・・・って、敵増えた」
トールが戻ると学校をドラムロが取り囲んでいた。
すると学校から灰色の何かが飛び出した。
「クロヴァス・・・あの様子じゃあの機体はあいつの連れじゃないな」
トールは遠目からそう判断するとクロヴァスが辿った軌跡を追った。
「トルネードアタック!!」
ゼファーはダイソードの柄の上から飛び出すとドラムロの足を切り払った。
その後ろからフレイボムがゼファーに迫るがそれを盾で防ぐ。
「くっ、空が飛べないゼファーじゃ対応しきれない」
ゼファーに飛行能力など存在しない。
足から魔力を噴出し飛び上がることは出来るが飛翔には程遠い。
だが・・・クラッシュドーンの突撃能力なら空の敵に向かっていくことも可能だろうが
こう距離があっては当たるとは思えなかった。
「だからってやらずに諦める俺じゃねぇ!いくぜ、クラッシュ・・・」
アデューが闘志を高めるとゼファーの周りの魔力が高まっていく。
「止めておけ」
それを巨大な紅い修羅が白い髪をたなびかせて制止する。
「フォルカ・・・」
「腕を出せ」
「腕・・・?」
ゼファーが腕を伸ばすとヤルダバオトがそれを掴んだ。
「えっ!?」
「ゼファー程度の大きさなら問題なく運べる」
ヤルダバオトはゼファーを掴んだまま、飛び上がった。
「いくぞ、アデュー」
「いくって・・・えっ!」
ヤルダバオトが大きく振りかぶるとゼファーをドラムロに向かって思い切り投げつけた・
「うわぁぁぁぁ!」
ゼファーは足からの噴射で姿勢を制御するとドラムロに斬りかかる。
だが、ドラムロはそれをオーラソードで受け止めた。
「でりゃぁ!」
だが、それでゼファーは止まらずキックでドラムロを弾き飛ばし空中に再び躍り出る。
「クラッシュドーン!!」
そこから魔力を噴射しドラムロの頭を貫いた。
空中では力を振るえず全力とはいかないがドラムロを撃破することには成功した。
「オーラバトラーか・・・ここにいるということは修羅軍の差し金か」
ヤルダバオトは拳でオーラソードを受けつつ間合いを取る。
「力のない自分を怨め」
駿足でドラムロの下に位置すると拳を突き上げドラムロを吹き飛ばした。
巨大なヤルダバオトの拳は軽々とドラムロの装甲を突き破り破壊する。
「そこかぁ!!」
グレイファントムは剣を振るい衝撃波を放った。
その向かう先には修羅が浮遊していた。
「おっと・・・どうした、灰色の閃光。敵はこっちじゃないぞ」
「俺の戦いの邪魔をするな!」
「ふん、どんな戦いをしようと俺たちの勝手のはずだ。とやかく言われたくないな」
アリオンはあからさまに不愉快そうな顔をする。
だが、クロヴァスはそんな話しなど最初から聞いておらず切りかかっていた。
アリオンはそれをかろうじてかわす。
「そんなことしていいのか?君は元の世界に戻れなくなるぞ」
「知るか!その時は貴様らを潰して勝手に戻るさ」
容赦なく剣を振るい続けるクロヴァス。
次第にアリオンは押され始めていく。
「くっ・・・流石に将軍クラスだな・・・」
「ふん、これが全力だと思っているのか・・・」
グレイファントムは斬撃をやめると剣を深く構える。
「なに・・・」
「貴様らの将軍が先ほどぐらいの強さだと思うか・・・?」
「くっ・・・本気で俺を殺す気か」
「跡形もなく・・・朽ちろ!」
グレイファントムの腕に魔力が込められる。
そして、振りぬこうとした時、その頭をワイバーンが思い切り踏みつけた。
「相変わらずの狂犬ぶりだな」
「トール・・・何故、邪魔をする」
「何故・・・?そのまま攻撃してればお前、修羅軍に狙われるだろ。なぁ、そこの黒いの」
トールがアリオンの後ろに向かって問いかけた。
「あぁ、裏切りは許されない」
そこにはフェルナンドのビレフォールがたたずんでいた。
「流石にお前でも死ぬだろ」
「そうすればお前もいいんじゃないのか?」
「一度は共に戦った中じゃないか」
「それだけか?」
「そう、それだけ。あっ、今は金がないから雇えないが金が出来たらまた来いよ。雇ってやる」
「・・・ふん、相変わらずだな」
「変われる訳がないだろ。世界が変わったって俺は変わるか」
ワイバーンはグレイファントムから降りると少し後ろへと下がる。
「それで・・・死ぬ覚悟は出来たか」
フェルナンドがトールに尋ねる。
「死ぬ覚悟・・・変な言葉使うなよ。死ぬのに覚悟がいるか。覚悟がないから死ぬんだろ」
トールの青い瞳がビレフォールを睨みつける。
風が渦巻き大気がワイバーンを助けるように膨れ上がっていく。
「やるなら、気をつけろ。本気のあいつと俺はほぼ互角だ」
クロヴァスの言葉にフェルナンドは笑みを浮かべた。
修羅たるフェルナンドにとってその言葉は喜ばしいことでしかなかった。
「だが、今は戦わん」
「?」
トールはフェルナンドの思わぬ言葉に驚く。
彼らの目的のダイソードを目の前にしてひくというのか・・・
「俺はクロヴァスを連れ戻すために来ただけだからな」
「俺を・・・?」
「伝説の力が一つが見つかったらしいからな」
「!?」
その言葉にトールとクロヴァスが驚愕する。
「増援でお前を送れと言われている」
「ふん・・・仕事ならしょうがない」
クロヴァスはあっさりと切り替える。
「仕事人間だな」
「当然だろ」
「金の亡者め」
「いい響きだな」
トールの呆れた口調にクロヴァスは嬉しそうに返している。
はたからみれば彼らは友人以外の何者にも見えなかった。
「貴様、フォルカに伝えておけ、次こそが貴様の最後だと」
「自分で言えよ」
「それもそうだな」
ビレフォールが撤退していく。
それにアリオンも続いていった。
クロヴァスも飛び去っていった。
その頃にはもう、学校はワイバーンに追いつこうとしている。
既にドラムロは全て撃墜されているらしく校庭にはダンバインとヤルダバオト。
そして、ダイソードが突き刺さっていた。
次回予告
学校は遂に国を発見する。
だが、彼らを試すように王は試練を用意した。
洞窟内を進む彼らの前に新たなる神の武具が出現する。
そのピンチの中、勇者が現れた。
次回
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第一章 異界激震編
第六話 熱き血潮の勇者
混迷の世界に青い稲妻が降り立つ
インターミション
トール:つうことで今回からインターミションと題してキャラ対談の場を設けました。
俺は第一章主人公にしてボケキャラのトールです。まぁ、作者の身代わりだと思えばよし。
ちなみに、ここでキャラは気にするな本編とは関係ないと思え、原作とは因果地平の彼方だと思うんだ!
ってことで納得してくださいね。
ショウ:で、俺たちは何をすればいいんだ?
トール:あぁ、俺がボケるからつっこんでくれれば・・・いや、待てよ逆のほうが意外性があっていいかも・・・
王太:トールさん以上にボケれる人がいないですよ
トール:いやいや、意外とフォルカあたりにへんな言葉を言わせてだな・・・
フォルカ:ギロ・・・(トールを睨む)
トール:まぁ、人生安全が一番だよな
ショウ:そのまんまだな
王太:で、後書き代わりなんだからこの話の話をすればいいのか?
ショウ:それでいいんじゃないか?トールに任せると変な方向に曲がりそうだが
アデュー:今回の話っていえば俺の活躍だろ!
トール:あぁ、ヤルダバオトに投げられるところか
王太:大変そうだったな
アデュー:そこかよ!もっとあるだろ。ほら、学校を護るために立ち塞がるところとか
王太:俺の出番が少なかったな
アデュー:って無視するな!
トール:まぁ、お前はダイソード乗らないといけないじゃん
アデュー:って聞けよ!!
トール:でも、ダイソード仕える回数決まってるじゃん
王太:それがネックなんですよね。後、かなり話数あるのに六回だけ・・・
ショウ:いい加減にアデューの話を聞いてやれよ
トール:ショウ・・・あまりフォローに回りすぎると目立たなくなるぞ
ショウ:トール・・・あまり、目立つと叩かれるぞ。各原作ファンから
トール:すみませんでした・・・・
王太:というわけでトールさんはしばらく発言不可能です
アデュー:ということは俺の時代だぁ!騎士道大原則ひとーつ!騎士は常に主役でなくてはならない!
ショウ:なんて自己主張の激しい騎士だ・・・
トール:ほら、そこは聖戦士道大原則ひとーつ、ツッコミは全て俺に任せろぐらい言わないと
ショウ:そんなことやってられるか・・・って、喋るなよ
トール:いやだよ。叩くんなら叩きまくるがいいさ。俺はこの世界を崩壊させる!
王太:はぁ・・・この人、いっちゃってるから付き合うの疲れるんだよな
トール:テンション上がると叫びまくるのは王太も同じだろ。殺人サッカーめ
王太:トールさん。俺って人を蹴るの得意なんですよ
トール:・・・いや、剣もってそんなこと言われても。蹴る前に刺されそう
アデュー:王太!刺すだけじゃダメだ、斬れ!
ショウ:いや、待てアデュー。斬るよりも刺すほうが殺傷能力は高い
アデュー:違うぞショウ。そんな簡単にすませたらダメだ!
トール:お前ら原作とキャラ変わりすぎだよ。つうか、マジで俺の命危機だよ。
フォルカ:終わりだ
トール:いや、ここで終わらせないで!っていうかなにこれ話について何も話してないじゃん
フォルカ:自業自得だ