スーパーロボット大戦
〜OVER THE GOD〜
第一章 異界激震編
第七話 龍の救世主
北国の首都・・・
「まさか、ド・ライアムとヨゴがやられるとはな」
ガ・バリオーグは淡々とした様子で呟いた。
そこには仲間がやられたという悲壮感は存在しない。
「ふん、ダイソードはおろか、人間どもの兵器にすら後れをとったのだ。神の武器の名折れだ」
神の篭手、コ・ズーは不愉快だと鼻をならした。
「だが、あの四角い城の戦力は侮れないものがある。まだ、力不足だが聖戦士とリュー使いがいたのだからな」
「まさか、奴らの再来というわけではあるまい」
「奴らには遠く及ばん力だ。しかし、ダイソードも所持しているとなると油断はならん」
二つの神の武器はようやく四角い城・・・九江州中学を危険視し始めた。
ただ、ダイソードの所有権を持っているだけでは済まされない力を持っている。
「なら・・・丁度いいところに手ごろな部隊がいるはずだよ」
突然、闇より声が響く。
二つの神の武器は驚き振り向くと闇の中から漆黒の服に身を包んだ女性が現れた。
「貴様・・・!?」
「ナイア・・・そう呼んでくれ」
「ナイアだと・・・貴様が我らになんのようだ」
神の武器はその人間と変わらない女性に対して敵意を燃やしていた。
いや、敵意ではない恐怖を抱いている。
「ふふ、君たちが追っているものが僕にとっても重要だって言うことはわかってるはずじゃないか」
「ふん、貴様は貴様の仕事があるだろう。とっとと魔を断つ剣とやらを研ぎなおせ」
「まぁ、そういわないでくれよ。こっちにだって都合があるんだ」
「都合・・・か。しかし、この世界は我らの領分、貴様に口出しされたくないがな」
「いいじゃないか。神の作り出した唯一、神を殺した剣・・・それに興味がないわけがないだろう」
「ダイソードか・・・しかし、奴とて今は人に操られる身。我らにとってそこまでの脅威ではない」
「そんなこといって・・・また、負けても知らないよ」
「貴様!我らを愚弄するか」
「現に一体、やられてるじゃないか」
ナイアの嘲笑に二人は何もいえなかった。
「とにかく、奴らは丁度、熱き島アナに向かってる。これを狙わない手はないだろう」
「アナだと・・・そうか、奴らか」
「だが、所詮は人間と新参者・・・信用するのはどうかな」
「別にまだ、倒す必要なんかない。彼らは鍵なんだからね。この宇宙を元の宇宙に戻すための」
「では・・・やはり、奴らが・・・」
「一番、近いね」
「・・・わかった、サン・ジュオウには伝えておこう」
「そうしてもらえると助かるよ」
「ふん、だが、一つだけ言っておく。今の我らと貴様は同格のはずだ。これからは余計な口出しはしないでもらおう」
「わかったよ・・・それじゃ、次に何か会ったときに見に来るからね」
ナイアはそういうと闇へと解けていった・・・
・ ・・・・神の呪縛から逃れら無い君たちが同格とは・・・笑わせてくれるね・・・・・・
九江州中学は現在、海を越えようと進んでいた。
生徒たちは海上の上でサバイバルを越えるために地道なトレーニングを積んでいる。
王太を初め各パイロットたちも各々のトレーニングを開始していた。
「とりあえず・・・完璧な一撃を入れられたら勝ちってことで」
トールは腕を伸ばしストレッチをしちている。
「あぁ、それで構わない」
ショウは拳を突き出し体を温めていた。
二人はなれないメンテナンスを諦め自らの体を鍛えるために勝負をすることにした。
武器は一切使用なしの徒手空拳での格闘。
「ショウ、トールなんかに負けちゃダメよ」
「わかってる」
「トールなんかってなんだよ」
二人はお互いに向かい合い拳を構えた。
そして、意識を相手に集中する。
視線は研ぎ澄まされ、耳をすませる。
最初の動きをとれずに二人はこう着状態になっていた。
だが、直ぐにトールが動く。
力強い踏み込み、姿勢を低くし一気にショウの懐へと飛び込む。
ショウはそれを横に回るように回避し肘をトールの背中に落とす。
だが、それはトールの拳に阻まれた。
トールはほぼ、大地と水平方向から体をねじりその勢いでショウを弾いた。
ショウは着地するとすぐにトールに向かう。
だが、既にトールはショウに向かっていた。
トールが真っ直ぐショウに拳を突き出す。
ショウはそれを腕で受けると反対側の脚で蹴りを繰り出した。
トールはそれを身をかがめて回避し浮いた脚を掴んだ。
そして、勢い良く投げ飛ばす。
空に放り出されるショウ、そして、地面に激突する。
「よしっ!オレの勝ちだろ」
トールは倒れたショウに向かって歩いていく。
「つっ・・・あれをかわすなんて・・・前から思っていたが凄い反射神経だな」
ショウは背中をさすりながら起き上がる。
対してダメージは負っていないようだった。
「いや、ショウの攻撃のスピードと正確さはかなりのものだぜ。意識してかわせてなかったからな」
「無意識であれだけの回避ができるんだ。問題ないだろ」
「そういうわけにもいかないだろ。速さが見切れても組み立てられた攻撃がかわせなければ何時か落とされる」
トールは自分の腕を眺めながら呟いた。
「たぁ!」
アデューの竹刀が勢い良く振り下ろされる。
ラムネは何とかそれを受けるが一撃で防御の形が崩されてしまった。
「うわぁっつ・・・」
何とか踏ん張るラムネだが既にアデューは次の行動に移っていた。
横から薙ぐ竹刀にラムネの竹刀が弾き飛ばされる。
「って!」
ラムネは手に走る痛みに目をしかめる。
その隙にアデューは竹刀をラムネの喉に突きつけた。
「おしっ!これでオレの五連勝だな」
「くっそぉ!!何でだぁ!?」
ラムネはアデューが騎士見習いだと聞いて剣での勝負を待ちかけた。
確かにラムネは運動神経が良く飲み込みも早かったが流石に長年、剣と共の生活を続けるアデューに勝てるわけがなくボロ負けしていた。
「まぁ、オレに勝とうと思ったら修行が足りないってことだな」
「オレだってキングスカッシャーで剣使ってるのに」
まだ、納得できないという表情でぼやいている。
その横では王太がフォルカと組み手をしていた。
こっちは更に差が顕著で完全に振り回されている。
「無駄な動きが多すぎる。もっと最小の動きでかわせ」
フォルカの鋭い突きが連続で繰り出される。
「そ、そんなこといったって!!」
王太はそれを必死にかわしているがそれは回避と呼べるものではなく逃げ回っているだけだった。
「皆さん、熱心ですね」
それを眺めていたユーリナが呟いた。
彼女は前日、手に入ったヨゴのパイロットに選ばれていた。
流石に魔法の勉強を始めたとはいえ、今まで中学生だったものと実際に魔法学校に通っていたものの魔力の差は歴然であった。
満場一致で彼女にヨゴのパイロットになってもらった。
「そうだね」
特にやることもないミルクもユーリナの横で特訓の風景を眺めていた。
「そういば・・・ききたいことがあるんですがラムネスくんは勇者という話ですが。貴方の世界に太古の昔から伝わる勇者の伝説はありませんか?」
「あるよ。かつて、伝説の勇者ラムネスが妖神ゴブーリキを守護騎士と共に封じたっていう伝説が」
「それは本当ですか!?」
ユーリナは今にも襲い掛からんという勢いで問い詰めた。
「う、うん・・・どうしたんですか?」
ミルクはそのユーリナのリアクションの大きさに目を丸くしていた。
「私は伝説の力を探しているんです。もしかしたらラムネスくんが私が探す伝説の力の一つではないかと」
「えっ?でも、ユーリナさんはこの世界の人間のはずじゃ」
「はい、ですが伝説の力は様々な異世界に点在しているかもしれないんです。実際に私たちの世界ではダイソードが、もしかしたらショウさんの世界にも存在してるかもしれない」
「でも、勇者ラムネスの伝説にダイソードとか出てきませんよ」
「かなり古い伝説ですから記録から抜けているのかもしれません。ですが、伝説の力があるのは事実です」
「でも、それって確かめる術とかないんですか?」
「・・・ありません。それに全て集めれば何かが起こるという確証もないんです」
「はぁ・・・」
ミルクはよく、話を飲み込めていないという様子で相槌をうった。
結局、ラムネが伝説の力の一つかはわからない。
だが、とりあえずはテルテ・ウィタスを目指さなければ元の世界に戻れない。
一向は旅を続けるしかなかった。
そして、海を越え彼らは一つの島にたどり着く。
「なんだ!?」
学校全体が突如として揺れると落下していく。
突然のことにトールとショウがワイバーンとダンバインに乗り込み状況を把握しようと飛びたつ。
そこで彼らは信じられない光景を目の当たりにした。
「なっ!?」
「なんだ・・・島が・・・海の下にあるだと!?」
その島は海の水位よりも下方に存在し中央に火山、その周りを熱帯雨林が覆う島だった。
その不可思議な島に彼らは困惑するしかなかった。
呆然と眼下の島を眺める二人の前に突如、赤い炎を纏った何かが飛び出した。
「敵!?」
二人は一斉に反応するとそれぞれの獲物を取り出し身構える。
「しょうこりもなく。また、来たのか!」
それは紅蓮の翼を持つ小さな機体だった。
大きさはゼファーやキングスカッシャーと同じぐらいである。
「また・・・?何を言ってるんだ?」
「なんか勘違いしてるっぽいな。呼びかけてみよう」
突如として臨戦態勢の相手に違和感を感じた二人は話をきくことにした。
だが、既に相手はその手にした剣で切りかかってくる。
「どわっ!」
狙われたワイバーンはそれを回避すると相手に向き直る。
相手の機動力はかなりのものですぐさま反転し迫ってくる。
「止めろ!俺たちは戦いに来たんじゃない!」
「なんだって、じゃあ、何をしに来たんだ?」
その機体は呼びかけると直ぐに動きを止めた。
「俺たちはテルテ・ウィタスというところを目指して旅をしてるだけだ。ここにはただ、偶然通りかかっただけでそちらを攻撃する意思はない」
トールはそういうとワイバーンに武装をしまわせる。
ショウもそれにならってオーラソードを戻した。
「なんだ・・・いきなりロボットを出してくるからまた、奴らが来たのかとおもっちゃったよ」
「とりあえず。話しがしたい。降りよう」
トールの申し出に相手は素直に頷いた。
その機体から現れたのはラムネと対して年の変わらない少年だった。
「僕は戦部ワタル。さっきは攻撃してすみませんでした」
ワタルと名乗る少年は一礼する。
「いや、別に構わないが・・・」
「まさか、また日本人に出会うとはな」
ショウが驚いたという表情で呟いた。
「えっ?どうして日本のことを?」
「俺も日本人だからね。それにこの学校の生徒は日本人。一部のものを除いては大体が日本人だからさ」
「そっ、そうなんですか!?」
ワタルも驚いたようで上空にたたずむ九江州中学を見上げた。
「君は何処から来たんだ?この泡の中央界ではないだろう。アースティアかアララ王国か」
「いえ、僕は創界山っていう世界で救世主ってのをやってます」
二人は一斉にまた、世界が増えたと思った。
その後、彼らはワタルの案内で島を収めるボビー族の村へ案内された。
「ペンギン?」
王太がボビー族をみて呟く。
「なんだペンギンってのぁ?それにしてもまた・・・ナマクラなんかとは比べ物にならん機械をもってるなぁ?」
そのボビー族の長であるガブ・マオリがワイバーンやダンバインを見上げて呟いた。
「わかるのか?」
「何をいってやがる、わしは名工ガブ・マオリだぞ。あれがどれほどのものかなんて一目みりゃわかる」
「名工?ってことはさ。すまないんだがワイバーンとダンバインの調子を見てもらえないか?」
「調子を・・・?どういうこった?」
「俺たちはあれのパイロットなんだけど機材も何もないこの状況でメンテナンスできるほどの技術なんてないんだ。
今は騙し騙し使ってるけどこれ以上、激戦が続いたら壊れてしまう」
「ふむ・・・わしとしても神の武器に迫るほどの巧で仕上げられたあの機械をいじってみたいってのもあるが・・・
どれほど、通じるかはわからんが見るだけみてみよう。丁度、有能な助手もできたところだからな」
ガブ・マオリはそういうと奥から一人の少女が出てきた。
「ガブさん。部品の生成、終わりましたよ」
その少女にラムネとミルクが驚き声を上げた。
そして、一斉に駆け寄る。
「ココア!」
「お姉ちゃん!」
その二人の反応に周りの人々も驚いていた。
「まさか、ラムネの知り合いまでいるとはな」
「まさか、私もぉ、ラムネスとミルクが貴方方と一緒にいるなんて思いませんでしたわぁ」
トールはココアに手伝ってもらってワイバーンの調子を見ていた。
何分、技術体系の完全に違う機体をひとりでみてわかるわけもない。
パーツごとの働きなどを説明していた。
「にしてもぉ・・・こんな大きなロボットを作れるなんて凄い技術ですねぇ」
「そうなのか?地球ってところにゃこいつよりも大きくて化け物みたいな性能のロボットがわんさかいるって話だが」
「あ〜、そういえばワタルくんもいってましたねぇ。スーパーロボットっていうやつですよねぇ」
「そうそう、それ」
ココアは口調が間延びしていてグルグルめがねをかけているので一見、とろそうだが機械関係となるその作業スピードはかなりのものだった。
トールが説明すると即座に部品の意味合いを把握していく。
「へぇ、これもキングスカッシャーや龍神丸と一緒である程度の損傷なら自己修復するみたいですねぇ」
「装甲だけね。それに大きな傷じゃ直らないし吹き飛んだりしたら完全にアウトだな」
「でも、動力源が足りてないみたいですね」
「それが問題なんだよな。ワイバーンの鋼力エンジンのエネルギー源は魔石っていう魔力を豊富に含んだ石なんだけど・・・」
「はぁ・・・ようは魔力で動いてるんですね。だから、こんなに術式が多いと」
「そういうこと。でも、ワイバーンは製作者の趣味で随分と術式は少なく機械技術で構成されてるけどね」
「ですね。動くだけなら術式はあまり必要、ないみたいですし。正直、専門外の術式が損傷してたら私のてにはおえませんわぁ〜」
「でっ?大丈夫そうか?」
「はい。機関自体にダメージはそれほどないんでぇ問題はないんですがぁ・・・問題はエネルギーですね」
「そうか・・・どうにか代用できそうなものでもあればいいんだけどな・・・」
トールは心配そうな面持ちでワイバーンの顔を見上げた。
「そっちはどうだった?」
同じくメンテナンスを行っていたショウに尋ねる。
「あぁ、どうにか代わりの部品を使って補修できたみたいだ。間接部分が相当、まいっていたらしい」
「ダンバインは良く斬りむすんでたからな」
「後はなんとか大丈夫そうだが・・・オーラ力伝達系がそろそろ危険らしい」
「なんでだ?」
「オレのオーラ力が上がっているのか過負荷に耐えられなくなってきているようなんだ」
「そうなのか・・・まぁ、あまり全力で戦うなってことだな」
「そうも言ってられないがな」
もし、また神の武器と戦うことになれば全力でないと相手にもならない。
それにまだまだ、強敵がいるのだ。
「そういえばワタルは誰と戦ってたんだ?なんか、前にも襲撃されたようなことを言ってたが」
トールが思い出しショウに尋ねる。
「修羅軍だ」
そこに偵察から戻ってきたフォルカが答えた。
「フォルカ。どうしてだ?」
「森の中に散乱していたパーツは修羅軍のものだ。下級の修羅がここで敗れたのは間違いない」
「修羅軍が・・・わざわざ、こんな小さな島を狙ってくるって・・・やっぱり、ワタルが狙いか」
この島に他にめぼしいものは見当たらなかった。
名工ガブ・マオリもいるが様々な世界に比べて技術力のひくい泡の中央界の名工をわざわざ、狙ってくるとは考えにくい。
となればワタルと彼が乗る龍神丸という魔神だけだ。
「恐らくは伝説の力・・・確か龍の力を持つ救世主というのがあったはずだ。それを狙ってるんだろう」
「ってことはワタルが・・・まぁ、受け継いだとすれば可能性が高いな」
「本人に聞いてみるしかないか・・・」
三人が話しているとそこに丁度良くワタルがやってきた。
「あっ、こんなところにいたんですか。食事の準備ができてますよ」
「あぁ、わざわざ悪い。ところでききたいことがあるんだが、ワタルは救世主って話だが君の前にも救世主・・・できれば太古の昔の伝承とかで
そういうのが残っていたのか?」
「はぁ・・・確かに僕の前にも救世主伝説があったみたいですけど。どうして?」
「いや・・・それが重要・・・」
トールが説明しようとしたとき、突如として閃光が走った。
そして、爆撃音が響きわたる。
「敵!?」
トールとショウ、フォルカはすぐさま自分の愛機へと駆け出した。
「今度こそ奴らか・・・僕の為に誰も傷つけさせるもんか。龍神丸〜!!」
ワタルは背中にかけていた剣を抜くと天高く掲げた。
すると光が放たれ龍神丸が召喚される。
龍神丸の中には金色の龍・・・金龍がおりその上にワタルがのって操る。
「また、奴らか・・・」
「どうやら、彼らも共に戦ってくれるらしいな」
龍神丸が飛び立つワイバーンたちを見上げワタルに話しかける。
「うん。でも、僕もいかないと・・・鳳凰龍神丸でいく」
ワタルがそういうと龍神丸に赤い光が灯る。
「超力変身!鳳凰龍神丸!」
ワタルが叫ぶと龍神丸の背中から紅蓮の炎の翼が現れ各部パーツが変化する。
そして、炎を羽ばたかせ空へと舞い上がった。
「敵は!?」
「修羅軍・・・こいつらは!?」
「どうした・・・って!」
トールは突如として巻き上がった衝撃波を緊急で回避する。
「お前は・・・クロヴァス。そういうことか・・・あの時はワタルと戦うためにさがったんだな」
「そういうことだ。伝説の力がどれほどの強さか・・・俺が確かめる!!」
グレイファントムがワイバーンに接近し巨大な剣をふるった。
ワイバーンはそれを風の翼が生み出す瞬発力で回避していった。
「そのオーラ力・・・トッド=ギネス!」
ダンバインは一機のオーラバトラーと斬り結んでいた。
その動きは一般的なオーラバトラーのそれとは違う。
「よぉジャップ。久しぶりだな」
「今度は修羅軍か、お前も節操がないな」
「そういうな。いきなり異世界に放りだされたんだ。一人じゃ何もできるわけがないだろ」
「そうだな・・・だが、敵となるというなら」
二人のオーラ力が激突し閃光が走る。
強大なオーラ力同士の激突はそれだけで周りのものを飲み込むかの勢いがある。
「ここで伝説の力を手に入れればバイストン=ウェルに戻ることもこのままのし上がることだって出来る。
これ以上、ショウ=ザマ!お前に負けるわけにはいかないんだよ!!」
トッドのビアレスは鎌のようなオーラソードで猛攻をかける。
そのオーラ力は強大で全身からあふれ出すオーラ力が見えるかのようだった。
「くっ、オレのオーラ力ではトッドには適わないというのか!?」
ショウは次第に押され始めているのに気づいて冷や汗が流れる。
「たぁ!!」
「はぁ!!」
ゼファーとキングスカッシャーは学校に迫り来るハルパス、ボフリィを次々と撃破していく。
「くそ・・・きりがないぜ」
「手数が足りない・・・だったら」
ラムネはメダルをとりだすとタマQに次々、投入していく。
そして、一気にタマゴが吐き出された。
「いけぇ!アッサーム、ゼンザイン、キリマン、ブルマン、セイローム、シルコーン!!」
タマゴが外へと投げ出されると次々と守護騎士たちが出現する。
「なんだ!?」
「へっへぇ、これが勇者ラムネスの頼れる仲間、守護騎士たちさ」
「便利だなぁ。だけど、これで数じゃ負けてないぜ!」
アデューとラムネは余裕という面持ちに変わっていた。
だが、突如として強力な雷弾が降り注ぎ校庭を吹き飛ばしていく。
「ほぉ、少し見ない間に随分と仲間を増やしたようだな」
「お前は!!」
「今回はお前たちを倒せという命令なのでな。全力で潰させてもらう」
「この前までの俺と思うな!」
ゼファーはミストを噴出し一気にシュテルに切りかかった。
そして、剣と剣が激突し火花が散る。
「アデュー!」
ラムネが加勢しようと向かうとその前に突如として槍が降ってきてそれを妨害する。
「ラムネス!お前の相手はオレだ!」
そして、上空からキングスカッシャーと同じぐらいの大きさの黒いロボットがおりたつ。
「クイーンサイダロン!ダ・サイダーか」
「おうよ。ラムネス、今日こそお前を倒す!」
「へっ、何時ものように空のかなたまで吹き飛ばしてやるぜ」
キングスカッシャーもクイーンサイダロンへと斬りかかった。
「皆が押さえ込まれてる・・・ラムネが出したロボットが何とか防いでくれてるけどこのままじゃあぶない」
王太はこの状況を危機だと感じ最後の手段をとることにした。
ダイソードを呼び出す。
「止めろ。王太」
だが、それはあろうことかダイソード自身から止められた。
「どういうことだ。ダイソード」
「奴が・・・奴が近くにいる」
「奴・・・奴って誰なんだ?」
「かつて、私を倒した神の武器・・・刀」
「刀・・・それに貴方を倒しただって!?どういうことだ」
「そのままの意味だ。奴は私よりも強い。王太、お前では確実に負ける」
「・・・・!?」
王太はその言葉が信じられなかった。
あの無敵な強さを持つダイソードが適わない相手・・・そんなものが存在するのか。
今までの苦戦は自分がダイソードの力を上手く引き出せなかったらだと思っていた。
トールやショウたちも一目置き、完全な切り札となっている彼が負けた相手・・・
どれほどの恐怖がやってきたのか・・・想像したくもない。
だけど・・・
「だったら逃げる時間だけでも稼がなくちゃ。皆が必死で戦っているってのに一人だけ逃げ出すなんて出来ない」
「王太・・・そこまで言うのなら我を手にしろ・・・だが、倒そうとするな。戦うとしてもなるべく他のものと一緒に戦うのだ」
「あぁ、わかってる」
王太は心の中で巨大な剣を手に取る。
ダイソードを手にしたものはその剣と一体化し・・・その力を操る。
「フォルカ・・・今日こそ決着をつける!!」
「フェルナンド、いい加減にしろ。今の修羅は間違っている」
ヤルダバオトとビレフォールの拳と拳がぶつかり合う。
「修羅に間違っているも正しいもない。戦い勝つ、それだけだ!」
ビレフォールの拳から光が放たれる。
ヤルダバオトはそれを左腕で受けると即座に間合いを詰める。
そして、蹴りを食らわせるとビレフォールを山にたたきつける。
「くっ・・・」
「無闇に戦いを広げてどうする。異なる世界を巻き込んで戦いを続けることは間違っているんだ」
「ふっ・・・だが、異なる世界でも戦いを望むものはいる。今の私の仲間や・・・お前の仲間ものように戦うものもいる!」
「違う・・・少なくともオレの仲間は戦いたくて戦っているわけではない」
ヤルダバオトの拳が山を砕き、岩を巻き上げる。
ビレフォールは間一髪で拳をかわし即座にヤルダバオトの側面へと回り込む。
「だが、それも今日で終わりだ。お前たちでは我々には勝てない。お前たちの切り札に対してこちらも切り札を用意したからな」
「なんだと・・・」
再び、拳をあわせるヤルダバオトとビレフォールの横を黒い何かが横切った。
「なんだ!?この禍々しい気は!?」
「奴こそ神の武器のひとつにしてかつて、ダイソードを倒したもの!」
その黒い機体は凄まじい速さでダイソードへと向かっていった。
「サン・ジュオウ!」
「なに・・・!!」
立ち上がったばかりのダイソードに黒い刃が襲い掛かる。
三度笠をかぶった浪人のような鋼はダイソードを切り裂こうと腕を振るう。
ダイソードはそれをかろうじて受け止めるが吹き飛ばされ地面を滑っていった。
森を引き裂き、大地がえぐれる。
「こいつが・・・かつて、ダイソードをたおした神の武器!?」
王太はその圧倒的な殺気に身震いした。
サン・ジュオウの目は生きていなかった。
完全な無機質。
あれなら意思がないはずのワイバーンやダンバインのほうが生きているという気がするぐらいだ。
「逃げろ、王太」
「ダメだ。他の皆も必死だ。援護なんて頼れない」
「だが・・・」
「大丈夫。勝つなんていわない。大丈夫。皆なら絶対に負けない」
王太は今までの戦いで仲間がどれほど強いかわかっていた。
だが、世界は広い。
ダイソードが無敵じゃなかったように他の皆も無敵とはいえない。
「うおおお!!」
「はあああ!!」
グレイファントムの大剣を受け流すようにワイバーンがチェーンダガーで受ける。
だが、その衝撃の負荷に受け流すのが精一杯だ。
「真正面からオレを倒せるなんて思っていないだろ!」
「あぁ・・・だけど距離を空けたら抜けられる。それだけは!!」
ワイバーンは機関銃を放つがグレイファントムは意に返さずそのまま、大剣を振るう。
ワイバーンはそれをかすめる程度でかわし肉薄した。
下側からえぐりこむようにチェーンダガーを突き上げる。
だが、その一撃もグレイファントムの装甲の一部を削るだけで終わってしまった。
上半身をそらされかわされたのだ。
勢い良く振りかざしたワイバーンはそのまま、空へと登る。
「空のかなたへ消し飛べ!」
グレイファントムは無情に衝撃波を放つ。
「ぐっ!」
ワイバーンは上昇する速度を緩めずそのまま、一気に上空へと加速した。
弾丸のごとくはじき出され青い機体は空へとのぼり一気にその姿を消す。
「邪魔者は消えた・・・いくぞ!!」
グレイファントムはそのまま、修羅と戦う龍神丸へと向かった。
「ワタル!強敵が来たぞ!」
「なっ!!」
ワタルは炎を爆発させ一気に加速する。
龍神丸がいたいちを破滅の風が吹きぬけ一機のハルパスが砕け散った。
「伝説の力!!勝負だ!」
グレイファントムが大きく剣を振りかぶり迫る。
「くっ!」
龍神丸は登龍剣でそれを受け止める。
「その大きさでこのグレイファントムを受け止めるか!」
「くっ・・・凄いパワーだ」
「鳳凰の力ではパワー負けする。一旦、離れろ!」
「わかった!」
一度、剣を弾くと一気に加速し龍神丸は距離をとる。
だが、それを逃すグレイファントムではない。
「逃がさない。俺が強くなるための礎となれ!!」
グレイファントムは剣を後ろへと振り放たれた衝撃波で一気に加速した。
そして、刹那の時に龍神丸に追いつく。
「速い!?」
「刹那にて滅する!」
加速を利用した音速の斬撃。
龍神丸はそれをかろうじてかわすが放たれた衝撃波で吹き飛ばされ地面に激突した。
「うわああああああ!!」
木々をなぎ倒し龍神丸は地面にうずくまる。
「この程度か・・・邪神を封じし伝説の力が!」
グレイファントムがおりたち静かに龍神丸に歩み寄る。
「くそ・・・なんてパワーだ・・・」
「しかも奴は悪しき心ではなく純粋な願いで戦いを挑んでくる」
「どういうこと?」
「ワタルが誰かを護りたいと思う気持ちと同じぐらいの強さで奴は戦いたがっている。奴は生粋の戦士だ」
「くっ・・・だからって僕にはやらなきゃならないことがあるんだ。アンコクダーを倒して良き心をとりかえして創界山を救う。
そのために僕はこんなところで負けてられない」
ワタルはその心を力へと変えられる。
龍神丸は起き上がりグレイファントムに身構えた。
「超力変身!剣王龍神丸!!」
龍神丸は黒き騎士へと変わる。次元すらも断つ強力な剣を持つ剣の王へと。
「それがいかほどの力かはオレにわからない。だが・・・その目。何があろうと屈しないその眼は!貴様が強者の証!」
クロヴァスは嬉々とし狂ったように笑った。
強さへの渇望を満たすために、満たせると信じて、その剣を振るう。
「うおおおお!剣王!登龍剣!!」
龍神丸の力を全て剣王の剣にこめて一気に振るう。
それは空間を断ちグレイファントムに迫った。
「一撃で俺をほふれると思うなぁ!!」
グレイファントムの剣に魔力が通う。
渦巻く狂気の嵐を持って剣王の剣を弾き飛ばした。
「剣王登龍剣を防いだ!?」
「ぐっ!!精霊圧異常!?腕の回路が全部、焼ききれたのか」
極限の力を引き出したグレイファントムの腕は限界に達しどす黒い煙を噴出していた。
「防ぎはしたが・・・無理があったようだな」
龍神丸は冷静にグレイファントムの状況を見破る。
「ちっ・・・だが、その強さが本物だとわかった。いずれ、戦うことになる。できれば七つ全てがそろった時に戦いたいものだな」
グレイファントムは風の翼を広げると上空へと飛び出した。
龍神丸にもワタルにもそれを追うだけの気力はなくなっていた。
「はああ!!」
ダンバインがビアレスの腕を切り裂く。
「ちっ!なんだ急に感覚が・・・」
「ショウ・・・不吉なオーラが・・・」
「あぁ、邪悪なオーラが島全体を覆っている。トッドもその影響を受けているようだ」
ショウは人間をはるかに超える邪悪なオーラに恐怖を感じていた。
これは以前、感じたことがある。ガ・バリオーグと敵対したときと似ていた。
だが、そのときよりもこれは鋭く禍々しい。
「こいつは・・・神の武器か・・・奴さんが動くならオレは撤退させてもらうぜ」
「トッド!バイストン=ウェルも何も世界の垣根がなくなった今。俺たち地上人同士で争う必要なんてないはずだ」
「そうでもないさ。お前たちは危険すぎる。伝説の力をいくつも持ってるお前たちはな。まぁ、今日を潜り抜けられればまた、戦うこともある。
そのときまで勝負はお預けだ」
トッドのビアレスが撤退していく。
ショウはそれを追おうかと考えたが直ぐにやめた。
このオーラをほおっていけるはずがない。
早くしなければ取り返しのつかないことになると感じていた。
ダイソードとサン・ジュオウの戦いは熾烈を極めていた。
類稀なる力を持つ二つの武器は大地を削り森を薙ぎ払う。
世界に存在する全てのものが障害物でもなんでもなくただの空気であるかのように振舞っていた。
「くっ・・・強い・・・なんて強さだ・・・だが、なんだ・・・こいつは・・・これじゃまるで機械だ。意思が感じられない」
ダイソードがサン・ジュオウの拳を受け止める。
「そうだ、奴には・・・サン・ジュオウには心がない。魂がないのだ。だから、強い。感情の揺らぎがない分、同等の力を持つはずの私たちの中で冷静に戦いを出来る分。
奴は他のゴッドフォースよりも強いのだ」
ダイソードとサン・ジュオウはただの力のぶつかり合いなら完全に同等だった。
だが、不慣れで感情により抑制がくる王太と何のためらいも無いサン・ジュオウでは繰り出す攻撃の鋭さが違った。
確実にダイソードは押されている。
「くっ!エーテルハンマー!!」
渦巻く空気がサン・ジュオウを弾き飛ばす。
だが、すぐさま空中で体制を立て直すと口から鋭い針を吐き出した。
高速で飛来する針はダイソードの腕に突き刺さる。
「くっ!」
「魔法では奴を傷つけられない」
「そうみたいだな」
魔法が元々、得意ではないダイソードではサン・ジュオウの装甲を貫くことは出来なかった。
サン・ジュオウは体制の崩れたダイソードに一気に迫る。
そして、一撃を加えるとダイソードは地面に崩れ落ちた。
「ぐぅ!!」
転がるダイソードにサン・ジュオウが迫る。
「王太!!」
その前にユーリナの乗るヨゴが飛び出す。
「ヨゴ!」
「ダメだ。ヨゴの盾では!」
ダイソードが警告を発しようとしたが遅かった。
サン・ジュオウが振るった腕が衝撃波を生みヨゴを貫き、そのままダイソードを貫く。
「ぐわああああ!!」
二体の神の武器をまるで紙のように切り裂いた。
神の鍛えし名刀の切れ味はどんな刀匠の鍛えた業物よりも勝っている。
「王太!ダイソード!!うおおお!!」
上空から舞い戻ってきたワイバーンはその光景を目撃すると一目散にその場へと突撃する。
「神の武器がなんだよ!仲間を殺されてたまるかぁ!!」
震える腕を魂で押さえ込みトールが叫ぶ。
風が嵐へと変貌し、風を超え、音を超え、ワイバーンは鋭き刃になりサン・ジュオウに迫った。
だが、サン・ジュオウはそれを見切っているのか紙一重で回避する。
しかし、次の瞬間、全くの別方向からサン・ジュオウに衝撃が走った。
装甲に傷はない。
だが、確実に何かが当たったのは確かだ。
そう考えているうちに既に二発、同じことが繰り返されている。
紛れもなくこれがワイバーンの攻撃だと認識したときには計六発の斬撃を食らっていた。
それは次第に速く、鋭く、勇ましく威力をあげていく。
もはや残像も残らない。
世界からワイバーンが消えたかのような認識しか残っていなかった。
「見ているか・・・これが!!」
何処からか声が聞こえる。
少しずつずれて様々な場所から、嘲笑うでもなく、脅すわけでもなく。
ただ、淡々と事実を告げるかのように
それでいて熱く、その声は響く。
「音の世界だ!!」
サン・ジュオウの巨体は絶え間ない斬撃に次第に空中に巻き上げられ最期にワイバーンの渾身の一撃を受けて弾き飛ばされた。
その装甲には絶え間なく駆動するチェーンダガーが深々と突き刺さっている。
空へと投げ出され弾丸のように地上へと落下するサン・ジュオウ。
それにワイバーンは苦もなく追いつくとチェーンダガーを握り一気に切り下ろす。
装甲が火花を上げ、鋼を引き裂いた。
「なんだ・・・何が起こったって言うんだ!?」
ダイソードの中で突然、サン・ジュオウの行動に驚いていた。
あまりにも速いワイバーンは王太の動体視力では影も認識できていない。
「ワイバーンだ・・・あのトールとか言う男がサン・ジュオウを攻撃した。音速を遥かに超える速度での連続攻撃。
一撃、加えた直後には既に斬りかかっているという認識する与えるほどの速度でな」
「な・・・そんなこと可能なのか?機体がもってもパイロットのほうが」
それほどの速度での反転ならミンチになっても可笑しくないGがかかるはずだ。
「わからないが・・・最後の最後まで確実に攻撃を決めていた。死んでいるはずはないと思うが」
そういうとワイバーンはよろよろと地上へと降りて膝を突いた。
「トールさん!」
ダイソードはそのまま、ワイバーンへと駆け寄る。
「・・・王太か・・・悪い・・・倒せなかった・・・」
息も絶え絶えという様子でトールが答える。
息は荒く、弱弱しい。
「大丈夫なんですか?」
「俺もワイバーンもボロボロだ。このまま、戦闘は無理だな」
「それだけですんでるんですか」
「じゃなきゃやらないよ。自殺なんて出来るかよ・・・まぁ、命がけだけど・・・でも、通じなかったみたいだな」
トールは静かに前を向いた。
そこにはサン・ジュオウが何事もなかったようにたっていた。
確かに装甲は傷ついているがたいしたことは無いと言わんばかりだ。
「やっぱ、不完全な技じゃ通じないよな」
「不完全?」
「やはりな。確かに速度は圧倒的だがほとんど攻撃が浅い、最後の一撃ぐらいがまともに入ったがあれなら何時もの突撃と対してかわらんだろう」
「あらら、やっぱダイソードにはわかるか・・・だったら奴も見切ってて食らってたのかもね」
トールは何とかワイバーンを断たせるが超音速での連続反転により装甲が耐久の限界に達している。
このままでは間接が壊れる可能性があった。
「止めろ、勝ち目がないぞ」
「んなもんわかってる!だけど、オレは勝ち目のある戦いなんてしたことないんでね。どんなに相手が強大だからってただ、負ける気はない。
逃げたって良い、生きるためにオレは足掻いてるんだからな」
トールの瞳が鋭く相手を見すえる。
それは戦士の目、極限の状況でも勝機を逃さぬ強きものだけがもつ瞳だった。
「ダイソード・・・」
「・・・なんと真っ直ぐなんだ・・・これが人間の強さか・・・」
ダイソードはそう呟くとサン・ジュオウを見た。
ダイソードはワイバーンの前にたつ。
「仲間は殺させない・・・ですよね、トールさん」
王太もサン・ジュオウを直視した。
先ほどまでの恐怖を感じない。
まるで勇ましき心が乗り移ったかのようだった。
「王太!!」
ユーリナが叫ぶ。
ヨゴも傷ついているが大丈夫だったようだ。
「大丈夫。ユーリナ・・・俺は逃げない。サン・ジュオウからもこの世界からも!オレが世界を救うなんて大きいことは言わない。
だけど、何もかもをほおって逃げ帰ることなんてできるかぁ!!」
ダイソードがサン・ジュオウに向かう。
だが、交差の瞬間にダイソードの腹部の装甲が切り裂かれひび割れる。
「くっ!」
それでもひるまずに挑みかかった。
だが、突撃するダイソードに対してサン・ジュオウは先ほどの針を吐き出しその四肢を突き刺す。
だが、止まらない。
「うおおおおお!!」
サン・ジュオウを殴りつける、そして、拳を押し付け・・・
「エーテルハンマー!!」
風の槌が零距離からサン・ジュオウをたたき付け空高く舞い上げた。
「フレイムスコール!!」
そこから更に炎を放ち、追い討ちをかける。
「エレクトリックブレース!!」
電撃を放ち上昇を続けるサン・ジュオウに追い討ちをかけていった。
だが、それらもほとんど、効果はない。
でも・・・猛攻によりサン・ジュオウはほぼ、他を意識することなど出来なかった。
ダイソード以外が自分を狙っているなんてことに気づけなかった。
エレクトリックブレスがやんだ瞬間、オーラを纏ったミサイルがサン・ジュオウに直撃し大爆発を起こす。
世界を照らし出し島を、海を照らしていった。
王太はこれを狙っていたのだ。
サン・ジュオウに向かう瞬間に見えたダンバインにかけた。
仲間だから信じられたのだ。
そして、連携はものの見事に決まりサン・ジュオウは光の中にいる。
だが、それでも神の武器は朽ちない。
「超力変身!剣王龍神丸!!」
光の中、鳳凰の翼を広げていた龍神丸は剣王の剣へと持ちかえるとそのまま、サン・ジュオウに向かって落下する。
「剣王!登龍剣!」
そして、その勢いにままに必殺の斬撃を決める。
その一撃はさしもの神の武器も耐えられずに真っ二つに両断された。
「はぁあああ!オレのオーラ力を受けてみろ!!」
そして、続けざまにダンバインのオーラソードが青白きオーラを纏いサン・ジュオウの腹部を切り裂く。
もはや、ショウのオーラ力は完全に神の武器に通じるほどに高まっていた。
「やったか!?」
王太もそれで止めをさせていて欲しいと願った。
あれほどの連撃を次に上手く決められる自身がない。
ダンバインも龍神丸も感づかれてしまった。
もし、立ち上がれば・・・
しかし、期待は裏切られるためにあるのか・・・サン・ジュオウは再び立ち上がった。
先ほどよりもダメージが大きいのかふらついてはいるが立っている。
「ダイソード・・・ずいぶんと頼もしい仲間をもったな」
ダイソードに対して誰かが語りかける。
直ぐにそれがサン・ジュオウだということがわかった。
「かつてほどの力はないが・・・再び、共に戦うとはやはり、貴様らは運命がそうさせているのだな」
「・・・・・・」
「混沌は復活した!それがどういう意味か、貴様が一番、わかっているはずだ」
「!!やはり・・・世界がこうなっている状態でうすうすはわかっていたが・・・」
「そうだ。かつてのままだ。この世界は再びあそこへ到達しようとしている。今の貴様に止められるか。力を封じられているお前に」
サン・ジュオウはまるで活き活きとし話をしている。
話をしだして止まらないという様子だった。
先ほどまでの冷徹な仮面が完全に外れているように思える。
「オレは貴様を許さない・・・ともに戦ったものたちもな」
サン・ジュオウはショウとワタルをにらみつけた。
その眼に走る殺気は先ほどまでの比ではない。
その恐怖に飲み込まれている一瞬、サン・ジュオウはヨゴに飛び掛るとその頭部からユーリナをつかみ出した。
「ユーリナ!!」
「この娘は頂いていく。助けたくば北国へこい、そこが私とお前の決戦場だ」
サン・ジュオウはそれだけ告げると一瞬にして飛び去っていく。
「待て!!」
それをダイソードとダンバイン、龍神丸がおおうとする。
だが、そのとき、学校に突如として巨大な貝の化け物が現れた。
「なっ!!」
貝の化け物は学校を襲撃するとなりふり構わずに生徒たちを吸い込み始めた。
「やめろぉ!!」
アデューがそれを止めようと切りかかる。
だが、それを許すガルデンではない。
その隙をつかれてライダース・ブレッドが炸裂しアデューはゼファーから投げ出された。
「アデュー!?」
「おいおい、他人を心配してる余裕があるのか!?」
「くそぉ!こんな酷いことしやがって俺は怒ったぜ!!」
ラムネの気合が怒りで充足する。
血が沸騰しそうになるほどに熱くなった心が爆発する。
「熱血!!!」
キングスカッシャーはサムライオンに変形するとクイーンサイダロンに突撃する。
「はっ!そうくるならオレだって!!」
ダ・サイダーは鼻と口をふさぎ頭に力を込める。
血がたまり、膨張するかのように顔が赤くなっていく。
「血圧アーップ!!やってやるぜ!ヤリパンサー!!」
クイーンサイダロンは黒豹へと変形するとサムライオンに突撃する。
二機の獣は激突し、お互いに弾き飛ばされ地面に着地した。
力は互角・・・だが、
「遊びはそこまでだ」
突如として巨大な腕が現れサムライオンを掴みあげる。
「なんだ!?」
「くあっくあくあくあ!このコ・ズーはド・ライアムのような過ちは犯さない」
「まさか・・・神の武器!?」
「その通り、わたしは篭手のコ・ズー。神の武器の中でももっとも魔法に長けたもの」
「くそ・・・はなせ!!」
「離す物か。たとえ守護騎士であろうと勇者ラムネスの名を受け継ぐものを相手に油断などするものか」
「なんだって!?どうしてお前が勇者ラムネスのことを!?」
「知っているかと?当然だ。古の時代にわたしは奴と戦ったことがあるのでな」
「なんだって!!?」
ラムネはその言葉に驚きを隠せなかった。
「ふふ、それに聖なる三姉妹もこれでそろう・・・始に立ちし者の復活にこれ以上の生贄はない」
「聖なる三姉妹って・・・うわ!!」
サムライオンは勢い良く地面に叩きつけられた。
「ラムネスの名を受け継いでおきながらそんなこともしらんとは・・・まぁ、古の戦いの記録はほぼ抹消されているからしかないのかもしれんがな」
コ・ズーはラムネに止めを誘うと腕を合わせてとげを作り出す。
そして、一気に貫こうと力を込めた。
「やめろぉ!!」
その間にクイーンサイダロンが割って入る。
「なんだ。ゴブーリキの手下がこの私に指図するのか」
「うるせぇ!ラムネスを倒していいのは俺だけって決まってるんだ。後から来たよそ者に奪わせやしねぇ!」
「ほぉ・・・まぁいい。守護騎士しかもたぬものに興味はない。このまま、捨て置いても問題はないだろう」
コ・ズーはそういうとそのまま、消えていった。
「くっ・・・ラムネス。手前はオレが倒す」
クイーンサイダロンはサムライオンを抱えるとそのまま、貝の化け物へともぐっていった。
ガルデンもアデューをさらい帰還する。
「どうやら、勝負はついたようだな」
「逃げるのか?」
「こうも劣勢ではな・・・まぁ、当初の予定とは狂ったが替わりも手に入った」
フェルナンドはそう告げるとビレフォールも後退していく。
「逃げられた・・・助かったのか?」
「ユーリナを・・・護れなかった」
「それは・・・」
ユーリナが連れ去られたことに王太はショックを受けていた。
最後の瞬間、サン・ジュオウが手を抜いていたことが良く分かった。
あの力をさっさと出していれば王太など直ぐに死んでいる。
ショウやワタルでさえダメージを与えられたかなんてわからなかった。
「とにかく、早くここを離れないと」
ワタルが皆をせかす。
何時の間にか海水が満ちてきていた。
「どういうことだ!?」
「どうやら、あの化け物が島の周りの木や土を吹き飛ばし海水が中に浸入してきたようだな。
「そういや、化け物はどうなったんだ・・・?撤退して行ったようだけど。アデューやラムネが退けたのか?」
トールは海へと消えて言った貝の化け物のことが気がかりだった。
「いや、逆に連れ去られたようだ」
そこにヤルダバオトが降下してくる。
「連れ去られた・・・て!?奴らにか」
「それ以外、いない・・・修羅め・・・予想以上に相当数の勢力を抱え込んでいるようだな」
フォルカは様々な世界の軍勢を集めている修羅に対しあせりを感じていた。
いくら、こちらの仲間が増えても個人個人のレベルだ。
圧倒的に組織力が不足している。
「とにかく、ここを脱出しよう・・・学校なら安全だ。心配だしな」
ショウの提案に全員が賛成すると学校に向かおうとする。
だが、その前に何者かが立ち塞がった。
「これ以上、お前たちにうろつかれるのは計画に支障がでるんでな」
それはコ・ズーだった。
あそこでラムネを引き渡したのはこちらに引導を渡す算段だったのだろう。
「コ・ズー!」
「ダイソード・・・ここで貴様とも永遠の別れだ!!」
コ・ズーは手のひらから強力な熱線を放った。
それは瞬時に膨張し大気を地面をことごとく溶解させていく。
そして、海水が瞬時に蒸発し強力が爆発が起きた。
世界が白む・・・・・・・・・
次回予告
敗北を喫する戦士たち・・・だが、彼らに休息はない。
北国にて仲間を助けるべく戦士たちは突き進む。
そして、さらわれた仲間は敵地にて強大なる闇の復活が近いことを知ることとなる。
苦しい戦いを繰り広げる中、英雄が現れる
次回スーパーロボット大戦〜OVER THE GOD〜
第一章 異界激震編
第八話 月の紋章
混迷の異世界に青い稲妻が舞い降りる
インターミション
トール:よっしゃ、今回も始まったぜインターミション。手前ら気合を入れろ!!
ショウ:この状況でいれられるわけがないだろ・・・
王太:さらわれた人が多いから随分と人数が・・・というか俺たちも生死不明なのでは?
トール:次回予告の時点で助かってるの明白じゃん
王太:いや、それはそうだけど
トール:それに主人公はしなないものさ。イージスが爆発しようともエクスカリバーが突き刺さろうともね
ショウ:宇宙編に出てる奴をネタにするなよ
トール:まぁ、奴と共闘するのは相当、先の話さ。SEEDも黒歴史になった頃だな
ショウ:そんな適当なこと言ってると後で大変な目にあうぞ
トール:まぁまぁ、オレの言動は冗談なんだし。とりあえず、伏線はいっぱい、はれたかなってとこだな今回は
ショウ:神の武器が伝説の力を知ってることとか俺たちがそれに関係しているところとかか?
トール:そうそう
王太:でも、それってばればれだろうからあんまり、意味ないのでは?
トール:そういうなよ。どう、関係してるのかなんて作者しか知らないんだし
ショウ:まぁ、そうだな。実際に別々の作品なわけだし
トール:OTGの謎は大体、過去に起因するのが大前提だからな。特に太古って感じで
ショウ:読み取るときのヒントは?
トール:んなもんだすかよ。まぁ、とりあえず本当に網の目みたいに繋がってるんだなこれがってところで
王太:この章だけでもトールさんとフォルカさん以外は過去に関係があるみたいですしね
トール:そういうこと。あと、オレは謎を読み取るためのヒントには全くならないよ。あしからず
ショウ:それでいいのか主人公?
トール:オレは今を生きる者。だからな。というか、俺は主人公特性がほとんどないんだよ。原作でも
王太:まぁ、そういうキャラですからね。特殊性皆無がキャラ根幹なわけですし
トール:そういうこと。そういやワタルは?
ワタル:なんですか?
トール:そんなところにいないでこっちに来いよ
ワタル:・・・いや、なんか僕一人だと寂しいなって
トール:俺も一人だぞ
ワタル:トールさんは主人公だからしょうがないじゃないですか。でも、僕の場合、先生やヒミコはどこいったんです?
トール:さぁ?
ワタル:さぁって仮にも作者代行でしょ
トール:だって作者も決めてないこと知るはずないし
ワタル:決めてないんですか?
トール:う〜ん・・・まぁ、ヒミコは特に反則キャラだからなぁ。何処で出すかね?早ければ次回だけど
ワタル:はやっ!?
トール:決めかねてるところは多数。今回だって突然に方向転換したところも多数だから
王太:まぁ、ぶっちゃけ当初の予定だとさらわれるのは原作どおり生徒だけなんだけどね
トール:アデューとラムネがさらわれたからな。哀れなラムネ。仲間になった次の話で離脱。スパロボだと相当痛いぞ。これは小説だから出番はあるけど
ワタル:ゲームになった場合、滅茶苦茶ですね
トール:まぁ、順当にライバルたちは何体かがかりでぼこし決定だな
ショウ:そういう言い方は止めろ
トール:まぁ、とにかくようやく第一章の序盤も佳境へと向かってきたところだしこれから一気にダイソードの話しが進んでいくぞ。
王太:いや、大体ダイソードの話だけどね