スーパーロボット大戦
〜OVER THE GOD〜
第二章 日本激闘編
第三話 星の伝説
地球連邦軍極東支部
その司令室でアーテとクスハ、キョウスケが極東支部の長官岡と会っていた。
「北米ラングレー基地より転属して来ましたキョウスケ=ナンブ少尉です」
「クスハ=ミズハです」
「言われてきました、アーテ=キーリっていいます」
三人がそれぞれ岡長官に自己紹介する。
「うむ、私はこの極東支部の長官を勤める岡と言う者だ」
「ああ!ボルテスVの岡めぐみのお父さんですよね!テレビで見たことある!」
アーテは岡の名前を聞いて驚いている。
「君はボルテスVのことが好きなのかい?」
「うん、ボルテスVのほかにもスーパーロボットは全部好きだよ。一番すきなのはマジンガーZだけど」
「そうか。この極東支部には数多くのスーパーロボットが所属している。後で紹介しよう」
「本当!?やったぁ!」
岡長官の言葉にアーテは心の底から喜んで飛び跳ねている。
そんなアーテの姿を見てクスハは和んでいた。
「まぁ、ともかく本題に入ろう。クスハ君」
「はい!」
クスハいきなり自分の名前を呼ばれて驚いている。
「グルンガスト弐式は軍の最新型のパーソナルトルーパーだ。それを勝手に動かしたこと・・・それが
どれだけ重い罪かは分かるかね?」
「・・・・はい」
「しかし、あのグルンガスト弐式はある特殊なシステムを積んでおり動かせるものがいなかった」
「特殊な・・・システムですか?」
クスハが尋ねると岡長官は頷いた。
「念動力を物理的な力へと変換する装置・・・T−LINKシステムを搭載している。
つまり、あの機体は念動力の素質を持つものでないと動かすことが出来ないのだ」
「念動力・・・そんな力が私に・・・?」
クスハは自分の手を見て呟いた。
今まで平凡な暮らしをしてきたクスハにとってそれは実感のわかないことだった。
だが、昨日グルンガスト弐式を見たときに感じた感覚。
そして、動かしているときに感じた力・・・それがそうなのだろうとも思っていた。
「君にはこの極東支部に所属してグルンガスト弐式のパイロットとなってもらいたい。
これは強制ではない・・・だが、今の地球を護るためには少しでも力が欲しいのだ」
「どうしてです?あれだけ沢山のスーパーロボットがいてもまだ、足りないって言うんですか?」
クスハは過去に起きた大侵略戦争の際に驚異的な力で組織を潰していったスーパーロボットをTVで見ていた。
あれほどまでに大勢の侵略者が一斉に現れてもなお、地球で人類が暮らしていられるのも全てはそのおかげである。
更には一ヶ月前に行われたイージス計画でその圧倒的なパワーを全人類にまざまざと見せ付けていた。
「詳しいことは教えられん・・・だが、地球は未だに逃げ場無き戦いを繰り広げている途中であることだけは告げよう」
「逃げ場無き戦い・・・」
これ以上にまだ、侵略者が地球を狙っているというのか?
この宇宙にどれほどの組織がいるかは分からない・・・
だが、こうまで地球を狙うものたちが現れるというのだろうか・・・?
しかし、現実に先ほどクスハ自身、未知なる脅威と戦闘を繰り広げた。
あの力が地球を狙うというのなら出すべき答えは一つだけだろう。
「分かりました・・・私、グルンガスト弐式に乗って戦います」
「そうか・・・すまないな」
岡長官はしみじみとそう呟いた。
年端も行かず訓練経験も無い少女に地球を護る戦いに参加させるということは自分たちの無力の証明である。
しかし、それでもすがらなければならない理由があった。
「長官・・・一つ聞きたいことがあるのですが」
キョウスケが岡長官に話しかける。
「先ほどの敵について・・・か?」
「えぇ、あれは今までのどの組織のデータにもないものでした。そして、途中で現れたガオガイガーという
スーパーロボット・・・何者なのですか?」
「君の疑問はもっともだ・・・君たちが戦った敵・・・あれはゾンダーと呼ばれる地球外から来た機械生命体だ」
「機械生命体・・・?」
「そうだ。詳しいことは良く分かってはいないがな。そして、ガオガイガーはそのゾンダーに対抗するために作られた
スーパーメカノイド。二年前、この日本に一つの隕石が落下したのは知っているか?」
「あっ、私知ってるよ。メテオ4だとかなんか色々と騒がれてたよね」
「あれがEI−01と呼ばれる我々が最初に接触したゾンダーだ。そして、それをおって現れたメカライオン、ギャレオンから
その情報を聞き出した我々は直ぐにゾンダーに対抗する組織GGGを作り出した。
表向きは宇宙開発公団という組織になってはいるがね」
実際に宇宙開発公団という組織は存在しておりその社員たちもそのGGGの存在は知らない。
だが、その会長である大河はGGGの長官でもあるのだ。
「ゾンダーは機械と融合する性質を持っている。更にそのコアを壊すか抜き出すかをしない限りに倒すことは不可能だ。
その為にゾンダーの発するエネルギーと反発しあうGストーンを持ったGGGの機動兵器でなければ奴らを倒すことは出来ない」
「そういうことなら先に言ってもらいたかったがな」
キョウスケは戦闘中に警告が来なかったことに反感を覚えている。
「すまない。あの空域に強力なジャミングをかけられていて通信が出来なかったのだ。
だが、全員無事で何よりだがな」
結果論的にはそうだが下手をすれば取り込まれていた可能性も高い。
「まぁ、いい。これからもあの敵と戦うことを考えればいい経験にもなったしな」
キョウスケはそこで引き下がる。
あまりことを大きくしないでいる。
それに岡長官が言ったことに嘘があるとは思えなかった。
「詳しいことは分かり次第、報告する。それから後でGGGの本部へと行くことにもなるだろう。
ゾンダーが現れたときは確実に共同戦線を張ることになるからな。
では、キョウスケ少尉とアーテくんは格納庫へ、クスハくんは特脳研へと行ってもらう」
そういうと三人はそれぞれ兵士に案内されて部屋を出て行った。
「サイコドライバーの素質を持つものにあの事故の生き残り・・・不安は多いが・・・彼らならやってくれる」
岡長官は一人、椅子に座り呟いた。
格納庫
そこにはディングレイとアルトアイゼン、そして、マジンガーZとグレートマジンガーがおいてあった。
「うわぁ!すごい、マジンガーにグレート!あれが噂の超合金ニューZのボディかぁ・・・。
キョウスケさんのアルトアイゼンもかっこいいですね」
アーテは格納庫に置かれているロボットたちをみて悦に浸っている。
「データを見せてもらったが君のディングレイ・・・アルト以上に偏った機体だな。
全武装が質量兵器・・・射撃武器と呼べるものが爆弾とはな」
キョウスケはディングレイのデータを見ながら驚いている。
こんな機体が実戦で役に立つとは思えなかった。
「キョウスケさんのアルトアイゼンも面白い武装ですよね。巨大な杭打ち機にパチンコ玉放出機なんて」
「スクウェアクレイモアはベアリング弾なんだがな・・・」
パチンコ玉放出機ってなんだろう?
「おっ、お前たちが新しく配属されてきたパイロットか?」
そんな二人に一人の少年が話しかける。
二人が振り向くとそこにはこの日本で知らぬものはほとんどいないであろう顔がそこにあった。
「あぁ!!甲児さん!それに鉄也さんもいる〜〜!!」
アーテはその二人の顔を見て感激のあまり手を合わせて天に祈っている。
キョウスケもその二人を見て驚いていた。
「英雄にあえるとは光栄だな」
「よせやい、てれるじゃねぇか。それにしてもまた、ごつい機体が来たもんだぜ」
甲児は居並ぶディングレイとアルトアイゼンを見て呟いた。
どちらも装甲重視の格闘戦用の機体だ。
マジンガーZに通じるものがある。マジンガーのほうはいたってシンプルなつくりだが頑丈さではこの二機よりも上だろう。
「ふっ、戦力増強は頼もしい限りだが・・・見合うだけの腕前は持ってるのか?」
鉄也はマジマジと観察するような目つきで二人を見る。
「自惚れるつもりはないがここまで生き残るだけの運はあるつもりだ」
「私は・・・う〜ん・・・二人に比べれば全然、だけどそれなりに自身はあります」
二人は謙遜している。
パイロットとしての腕前は二人ともそれなりのものを持っている。
だが、流石にかつての大侵略戦争で莫大な戦果をもたらした二人を前に言えることではなかった。
「鉄也さん。見ただろさっきの戦闘。十分、戦力になるぜ」
「まぁな・・・だが、むやみに突撃するだけではいずれ死ぬだけだぞ」
鉄也に痛いところをつかれて二人は難しい顔をする。
二人とも突撃戦法が得意だ。
だが、それが死と隣合わせの戦法である事も十分に理解していた。
「まぁまぁ、鉄也さん。それになんだかんだ言ったってそういうのが危機を乗り越える力になるもんだぜ。
二人の戦い方、俺は好きだぜ」
甲児がそういうとアーテは天にも昇る様な気分に浸っていた。
あの兜甲児がフォローしてくれるなんて・・・それだけで幸せだった。
「ふっ、まぁな。オレはこれから訓練するが付き合うか?」
鉄也がキョウスケを見て尋ねる。
「あぁ、英雄の力。見せてもらおうか」
キョウスケはそういうと鉄也に付いていく。
「二人はこないのか?」
「オレは遠慮しとくぜ。ちょっと疲れちまってよ」
「あっ、私は・・・甲児さんがいいなら・・・その、話が聞きたいんですけど」
アーテは甲児の顔を見上げて尋ねた。
その頬は少し赤くなっている。
「おっ、いいぜ。それじゃ休憩所にでも行くとするか」
「はっ・・・はい!」
アーテは大きく首を縦に振った。
「それじゃあ、大侵略戦争の時はスーパーロボットたちはあまり協力して戦ってなかったんですか?」
「別にそういうわけじゃねぇさ。だけど、それぞれに敵が強大すぎたからな。最終決戦の時も近かったし・・・
そうそう、最終決戦といやぁ鉄也さんと一緒に闇の帝王と戦ったんだが・・・
一つ、不思議なことを言い残していきやがったんだ」
「不思議なこと・・・ですか?」
「あぁ、いくら、光の力を集めたところでやがて来る大いなる闇に勝つことは出来ない。
虚空の破壊神や這いよる混沌に人は抗うことなんて出来ない・・・
オレはどうしてもその言葉がきになってならないんだ」
甲児の言葉は真剣そのものだった。
最後に敵が残した言葉・・・それが何を意味するかは分からない。
だが、甲児にとってそれは何らかの予言のように感じられていた。
「虚空の破壊神・・・這いよる混沌・・・?何のことですかね」
「さぁな・・・まぁ、鉄也さんは気にしたってしょうがない。新たな脅威が来るなら自分の力を鍛えて
また、退ければいいって言うけどさ。まぁ、オレもそう思うけど」
「大丈夫ですよ。甲児さんならどんな悪い奴が来たって勝てますって!」
「そうか?まっオレとマジンガーがいれば負ける気はしねぇけどな」
「そうですよ」
「それにしても・・・なんでそんなにオレのファンなんだ?英雄って言えばほかにも鉄也さんや大介さんとか
沢山いるぜ」
「私、マジンガーZに助けてもらったことあるんですよ。まぁ、助けてもらったっていっても偶々、遠出したときに
そこが機械獣に襲われて・・・・このまま死んじゃうのかなって・・・
でも、マジンガーZが来て機械獣を倒して・・・それから私の中で最も尊敬する人は甲児さんになったんです。
私も絶対、甲児さんみたいに大勢の人を護れるような人になるぞぉって」
「へぇ・・・それであんなロボットに乗ってるのか?」
「いえ、あれはパパのある約束の為に作ったんです」
「約束・・・まさか、何か巨大な組織の陰謀を知って・・・」
甲児はまだ、見ぬ組織がこの世界を狙っているのかと驚いている。
「えぇ・・・まぁ。なんでも昔、ライバルと約束したらしいんです。
オレは世界征服をするためにロボット軍団を結成する。なら、私はそれを防ぐためにロボットを作る・・・って」
「・・・なんだそりゃ?」
甲児はその滅茶苦茶な約束に驚いている。
世界征服を企てる科学者とそれを防ぐ科学者が友達同士で約束している。
それはなんとも不可思議な話だった。
「真剣勝負らしいんですけど・・・約束の時になっても一向に始まらないから諦めたのかなって思ってたら・・・
このまえ、魔都との戦いのときにその人の息子がロボットに乗って来たんです」
「それじゃあ、あの魔都は君のお父さんの友達の科学者が・・・!?」
「いえ、どうもその組織に属したらしいんです。世界征服の為により強い組織に組するなんて・・・
パパは自力でディングレイを作ったのに」
アーテは不満そうな表情で呟いた。
「なんともまぁ・・・」
甲児はその話を聞いて呆れるしかなかった。
世界にはこんな話でスーパーロボットが作られることもあるんだな・・と。
その時、突然警報装置が鳴り響いた。
突如として空より細いシンプルなボディのロボットが降り立った。
そのロボットたちはビルを、街を破壊していく。
「星見町に未確認の敵が攻撃を仕掛けている」
岡長官の声が各々のスーパーロボットのコクピットの通信機から聞こえてくる。
「未確認の敵・・?ゾンダーじゃないんですか?」
鉄也が尋ねる。
「いや・・・おそらくはガルファだろう。ティターンズとエゥーゴの戦闘の隙をつき地球に降下してきたらしい」
「何やってんだ宇宙の奴らは」
甲児は拳をぱしんと叩き怒鳴った。
宇宙から敵の侵攻を許すなどとは・・・
「仕方ない宇宙はザフトにザンスカールと戦争しているのだからな」
「宇宙にスーパーロボットはいないの?」
「宇宙では戦争に参加することになりやすいのでな・・・それに地上のインベーダーを一掃しなければならない現状で
宇宙に戦力を送っている余裕はない」
アーテは思っていた以上にインベーダーの勢力が高いことに驚いている。
あれだけの力を持つスーパーロボットを使って未だに一掃出来ていないなんて・・・
「とにかく出撃するぞ」
四機のロボットを乗せた輸送機は星見町に向かって発進した。
星見町アミューズメントパーク地下
そこはガルファの侵攻を予期して作られた組織GEARの本部がある。
渋谷長官はガルファの攻撃とそれを護るために戦うモビルスーツの死闘を見て難しい顔をしていた。
状況は劣勢としか言いようが無かった。
「えぇい、ベガくんと吉良国くんはまだか。極東支部のスーパーロボットは?」
「現在、二人とも大至急電童の元へ向かっています。スーパーロボットは後、2分かかるそうです」
「くっ・・・このままでは街が壊滅してしまうぞ」
渋谷は破壊されていくモビルスーツたちを見て呟いた。
出雲銀河と草薙北斗は近所の小学校に通う小学生だ。
北斗は今日、この町に引っ越してきて銀河とであった。
二人は突然、始まったガルファの侵攻に逃げ惑っていた。
まだ、あまり話もしていない二人・・・だが、それは運命の出会いだった。
そう、強大なる運命に立ち向かうための・・・
迫り来るガルファの兵士・・・巨大なその手が二人へと迫ってくる。
迫り来る恐怖に二人は一斉に口を開いた。
腹の底から・・・心の底から叫び声を上げた。
「この・・・バッカヤロー!」
二人の叫び・・・それがスイッチになったのかは分からない。
だが、地中より一つの力が目覚めたのは事実だった。
地面を突き破り一機のスーパーロボットがその姿を現す。
その手には銀河と北斗をそれぞれ乗せていた。
そして、胸部のコクピットを開き中へといざなう。
「な・・・なんなんだこれ・・?」
「スーパーロボット・・・でも、誰も乗ってない」
二人はコクピットの中でわけも分からずうろたえるだけだった。
「そこに誰か乗ってるの!?」
突然、コクピットに声が聞こえる。
通信機から女性が話しかけているのだ。
その声の主はベガ・・・このスーパーロボット。電童に乗るはずだったパイロットである。
「は、はい。僕、草薙北斗って言います」
「オレは出雲銀河・・・何がどうなってんだよ。説明してくれよ」
二人がそれぞれ話しかけるとベガは驚いている。
「ほ・・・北斗!?」
どうやら、北斗が乗っていることに驚いているようだ。
普通に考えれば銀河も乗っていることに驚くし名前で驚くのも不思議なものだ。
「と、ともかく。二人ともそれに乗ってしまったなら仕方ないわ。二人とも前にはりつけてあるギアコマンダー・・・
小さな機械を取って」
ベガの声に従い二人は目の前にあるギアコマンダーを手に取った。
そして、説明を続ける。
コマンドを入力してそれを前にある接続口に差込、インストールすればこのロボットが動くというのだ。
二人は従いコマンドを入力する。
「同時にやるんだよ」
「分かってるよ。1・・・2・・・の」
「3」
「「コマンドインストール!」」
二人はギアコマンダーを差し込んだ。
電童のフェイスが持ち上がりその雄雄しき顔が姿を現す。
そして、両手両足のタービンが回転する。
「す・・すげぇ」
「本当に動いた・・・」
二人は動き出した電童に驚きの声を上げている。
「後は二人が同時に体を動かせば電童は動くわ。コマンドを入力すれば両手両足のタービンが回転するわ」
「分かった・・・おぉし、いくぞ。兜甲児やアムロ=レイみたいな英雄になってやる」
「ぎ、銀河。そんなに上手くいくわけないって」
「でも、やらなきゃやられちまうだろ。だったらやるしかねぇって」
「・・そ、そうだけど・・・」
「オレの動きにあわせろ。母ちゃん仕込みの空手を見せてやる」
銀河がそういうと北斗もその動きにあわせ電童が動き出す。
「たあっ!」
電童は腕のタービンを回しガルファ素体に殴りかかった。
ガルファ素体はそのまま吹き飛ばされ爆発する。
モビルスーツが相手にならない機体もスーパーロボットである電童の前では赤子同然である。
たとえそれに乗っているのが素人である銀河と北斗であろうとも。
ガルファの素体たちは電童の出現に焦りを感じていた。
そして、更なる手段に出ることにした。
ガルファの素体はその身を機械と融合させることにより機獣へと変化することが出来る。
そして、この地球に存在する機械で最も優れた機械・・・モビルスーツに取り付いた。
GMUにガルファ素体が取り付き機獣へと変貌した。
そして、強化されたジェネレーターと直結されたビームライフルを電童に向かって撃ち出した。
電童はそれを回転するタービンで防ぎ拡散させる。
「なっあいつ、モビルスーツに取り付きやがった」
「パイロットの人はどうなっちゃったの?」
二人は目の前で機獣へと変貌していくモビルスーツに驚きの声を上げている。
「大丈夫よ、パイロットは脱出しているわ。そのまま撃破して」
ベガがそんな二人に通信を入れる。
「おぉし、だったら遠慮はいらないぜ。行くぞ、北斗!」
「うん」
電童は機獣GMUへと突進していく。
そして、流れるような連撃で機獣を吹き飛ばした。
「疾風三連撃!」
機獣に背を向け電童が手を合わせた。
機獣は爆発し四散する。
その隙に機獣がビームライフルを一斉に電童に向かって発射した。
「うわぁ!」
電童はその攻撃に吹き飛ばされ倒れこむ。
「くそぉ・・・数が多すぎる」
「何か武器は無いのかよ!?」
銀河が叫ぶが電童に武器らしきものは付いていなかった。
腕と脚にタービンだけが電童の武器である。
「後少しで極東支部のスーパーロボットが来るはずよ。それまで持ちこたえて」
「スーパーロボットが来るの!?」
「なら、大丈夫だ。お〜し、いくぞ!」
電童は再び立ち上がると機獣へと向かっていった。
残り機獣は6機。それらは一斉にビームライフルを発射した。
電童はそれを大きくジャンプして空へと飛び出し回避する。
脚を合わせタービンを回転させて機獣に向かって落下した。
「爆砕重落下!」
そして、そのまますり潰し破壊する。
そこに機獣たちがビームライフルで電童を攻撃する。
電童はそれを受けきると近くにいた二体を一気に突き飛ばした。
そして、更に蹴りでもう一体を吹き飛ばす。
だが、その隙に二機がビームサーベルで電童に切りかかった。
電童は装甲表面を溶かされるが致命傷にはなっていない。
しかし、流石にモビルスーツに取り付いた機獣は一発のパンチでは破壊されない。
すぐさまに立ち上がり電童に攻撃を仕掛けた。
「こ、このままじゃ・・・」
「分かってるよ・・・あぁ!スーパーロボットはまだなのかよ!」
北斗と銀河は浴びせかけられるビームを受けながら叫んでいた。
電童がどれほどまでに耐えられるかは分からないがこうまで攻撃を食らっているということは精神的によくない。
装甲の向こう側では自分たちの命が一撃で奪えるような攻撃が繰り広げられている。
危機感が二人を刺激していた。
「待たせたな!アイアンカッター!」
突如、白刃の刃が付いた高速の腕が機獣の腕を切り裂いた。
「これより援護に入る」
「腕が鳴るぜ。ネーブルミサイル」
アルトアイゼンとグレートマジンガーのミサイルが一斉に機獣に炸裂し爆発させた。
「くらえ、ハイパワーチェーンソー!」
ディングレイが空中から機獣に向かい落下し腕に持った巨大なチェーンソーでその腕を切り裂いた。
「銀河、増援が来たよ」
「すげぇ、マジンガーZにグレートマジンガーだ!」
北斗と銀河は増援に歓喜していた。
しかもその中に有名な二機がいるとなれば勝ったも同然だと意気込んでいる。
「さぁて・・・アルファだかなんだかしらねぇが。地球を荒らすってんなら相手になってやるぜ。
光子力ビーム!」
マジンガーZは目からビームを放ち機獣の脚を吹き飛ばす。
「電童のパイロット。事情は聞いている。後は俺たちに任せろ。スクリュークラッシャーパンチ!」
グレートマジンガーの腕が螺旋回転し機獣の胸を貫く。
「流石だな・・・オレも遅れをとってはいられんか」
アルトアイゼンはビームライフルをビームコートで防ぎながら機獣に接近する。
そして、リボルビングステークを顔面にたたき付け打ち出した。
ステークは頭部を貫き破壊する。
「負けて・・・らんないよ!」
ディングレイはチェーンソーで機獣の装甲を切りつける。
装甲が火花を散らし破壊される。
だが、それよりも先に至近距離からビームライフルを撃った。
「うわっ!」
ディングレイの腕の装甲が吹き飛び内部の機械が火花が散っている。
「迂闊に近づくな!くらえ、ブレストファイヤー!」
マジンガーZはディングレイと機獣の間に立つと胸から灼熱の熱線を放射する。
機獣は一瞬にして溶解しドロドロの液体と化していった。
「あ、ありがとうございます」
「なに、良いってことよ。それよりも後少しだ。一気に行くぜ」
「はい!」
アーテは嬉しそうに叫ぶと腰のボックスを外し機獣へと投げつけた。
「ダイナマイトシュート!」
ボックスは機獣の目の前で爆発しその視界を完全に奪い去る。
「もらった!」
アルトアイゼンがその隙を突き背後から接近しリボルビングステークを食らわせる。
「ニーインパルスキック!」
その横でグレートマジンガーが最後の一機を蹴り砕いた。
その圧倒的なパワーで機獣を完全に撃破した。
「これで終わりか・・?」
キョウスケは意外とあっけない幕切れにいやな予感を覚えていた。
「どうやら、まだみたいだな」
鉄也はレーダーに映る大軍の影を見て呟いた。
その数は20機はいるだろうか。
それらは全てこの星見町めざして進軍していた。
「なっ・・・」
「あんなにいっぱい・・・こっちはたった五機しかいないのに」
アーテはこちらの四倍の戦力に驚くしかなかった。
恐怖という心が体を支配していく。
だが
「へっ、何言ってんだ。こっちはスーパーロボットが五機もいるんだぜ。負けるわけがねぇぜ」
「スーパーロボットの戦闘力は一機で一個大隊に匹敵すると言われるからな」
「オレのアルトはスーパーロボットではないがな」
「うぅん・・・皆さん、強気だねぇ」
アーテは余裕の表情の三人に圧倒されている。
普通に考えて勝ち目なんてあるはず無いのに。
だが、それを覆すのがスーパーロボットという者だ。
ダテにスーパーなどとは名乗っていない。
「極東支部のスーパーロボットたち、聞こえる?」
そこにベガから全員に向けて通信が入る。
「あぁ、こちらグレートマジンガーの剣鉄也だ。あんたは確かGEARの副指令・・・ベガさんだったか?」
「えぇ、あの大軍は全て電童を目指して侵攻してるわ」
「電童を・・・?あのスーパーロボットに何かあるのか?」
甲児は横で佇む青いロボットを見て呟いた。
「それは後で話すわ。それよりも今は私の作戦・・・聞いてもらえるかしら?」
「作戦・・・何か良い手でもあるのか?」
キョウスケはこの状況で作戦があるとは思えなかった。
こうなっては相手を一体一体倒すことぐらいしか出来ないはずだ。
「電童の力を使えばあの敵軍を一掃することが出来るわ」
「電童にそんな力が・・・」
「でも、相手が電童を狙ってるなら直ぐに増援が来るんじゃ・・・」
北斗はたとえ今の軍団を倒せたとしても後から来るであろう増援が気になっていた。
いくら、強力な力を持っていても永遠に戦い続けることなんて出来るわけが無い。
「大丈夫よ。相手を倒した瞬間に電童を隠すわ。それに相手が何の手も考えずに物量で押してくるとも
思えない。一旦、身を隠せば相手もひくはずよ」
ベガのその言葉に納得すると電童は浮上した。
電童は内蔵されている電力を一気に放電することが出来る。
電童のエネルギーは日本の電力一年分にも相当する。
それほどまでに膨大なエネルギーを相手に浴びせさせれば結果は分かりきっているだろう。
電童の周囲をガルファの素体が囲む。
電童の中で銀河と北斗はギアコマンダーを掲げた。
「いくよ、銀河」
「あぁ、分かったぜ北斗」
「「閃光雷神撃!」」
電童はタービンから電気を発生させるとそれを辺りへと放射した。
膨大な電力がガルファ素体を次々に破壊していく。
そして、20体のガルファは一瞬にして全滅した。
「す、すごい・・・なんて威力なの」
「す・・・すっげぇ!マジンガーやグレートもすげぇって思ったけど。この電童も滅茶苦茶すげぇ!」
北斗と銀河は電童の放った攻撃の強力さに驚愕していた。
だが、威力が高いということはそれだけエネルギーを消費しているということである。
電童のエネルギーは完全にそこをついていた。
マスクが閉じ電童は海へと落下していった。
「「うわぁぁぁぁあぁ」」
二人は一斉に叫び声を上げ頭上に迫る海を目の当たりにしていた。
その時、海中から何かがせりあがりそこから発せられるビームが電童を捕らえそのまま回収した。
月面
その裏側に螺旋で構成された巨大な建造物が突き刺さっていた。
それこそがガルファの移動要塞にして制圧部隊の前線基地、螺旋城である。
「おやかた様、電童が姿を隠しました」
「それにしてもまさか、伝説のギアの一体がこんな銀河辺境の星に存在しているとは・・」
「しかし、たかだかギア一体如き我々、三機将の手にかかれば・・・」
螺旋城のメインコンピューターの前に佇む三機の機将が話し合っている。
「馬鹿者ども。電童と一緒にいたロボット・・・そして、各地の兵たちを退けた戦力。
この星は一筋縄ではいかん。同じく宇宙規模に展開するベガ星連合軍、ムゲ=ゾルドバス帝国を退け・・・
あまつさえ壊滅させたという情報を忘れたのか」
その言葉にガルファ三機将は驚愕とする。
ベガ星連合軍、ムゲ=ゾルドバス帝国・・・どちらも宇宙の覇権をかけて各地で激戦を繰り広げた。
一進一退の攻防を繰り返していたが突如としてどちらの組織も壊滅した。
それがたかが一つの惑星を侵略しようとする・・・日常茶飯事な出来事の中で起こった。
その惑星は他の惑星と結託しこれを退けたわけではない。
ただ、自分たちの星の戦力だけで宇宙に名だたる戦力を壊滅させたというのだ。
しかもその要因を作り出したのはたった一機のロボットだったという。
「警戒するにこしたことはあるまい・・・じっくりとこの星の状況を見定めてからでも遅くは無い」
螺旋城のその言葉に三機将は傅いた。
次回予告
新たなる敵ガルファを一時退けた電童とスーパーロボットたち。
そんな彼らに一つの情報が与えられた。
木星トカゲと呼ばれる謎の軍団・・・それに火星が壊滅させられたというのだ。
その火星の人々を救うために一隻の船が浮上する。
そして、その戦場に一人の男が現れた。
次回
スーパーロボット大戦〜OVER THE GOD〜
第二章 日本激闘編
第四話 ナデシコ発進
地球を護る為、そびえたてディングレイ!