スーパーロボット大戦
〜OVER THE GOD〜
第二章 日本激闘編
第五話 重力の騎士
雄大な自然が広がる広大な森・・・
その中に存在する巨大な湖に一つの城が建っていた。
西洋の建築様式に基づき建てられたその城は近代的な雰囲気を持つ日本において異様だった。
だが、その城はそんなことには物怖じせず堂々とそこに根付いている。
城内の一室
そこで青い髪の男性が片手に杖を持ち水に映る映像を眺めていた。
その映像は先日のゾンダーEI−02と勇者王ガオガイガーの戦闘の模様だった。
その男性はガオガイガーの勇姿を恍惚とした瞳で眺めている。
「・・・美しい・・・」
男性は思わずぽつりと言葉を漏らした。
その言葉に反応して彼の隣にたたずむ赤い髪の男性が首を向ける。
「これが先日のゾンダー襲撃のさいの映像です。どうやらこの黒いロボットはゾンダーの持つエネルギーと
反発する性質を持つエネルギーを放っているようです」
「なんと・・・あのエネルギーと反発するエネルギーが存在しようとはな・・・それでこの美しき鉄の巨神は
一体、何処のスーパーロボットなのだ?」
「はい・・・今まで極秘に作られていたらしく噂ほどしか聞いていませんでしたがこの間の戦いで確定しました。
二年前に降下したゾンダー・・・EI−01と共に地球へとやってきた謎の飛行物体より収集した技術を使用したロボット。
コードネーム勇者王、ガッツィ・ジオイド・ガード・・・通称GGGの保有するスーパーメカノイド、ガオガイガーです」
「ほぉ・・・ガオガイガー・・・なんと美しき名前。あの雄雄しき勇姿をそのまま現しているようだな」
男性は恍惚とした視線をガオガイガーに送っている。
「しかし・・・まさか、この星で奴ら、ゾンダーと対抗しうる力が見つかるとは・・・」
「あぁ・・・だが、これは幸運なことだと思っている。ゾンダーの力は強大だ。奴らを倒すためには我らがグラヴィオンを
持ってしても辛いかもしれない。だが、このガオガイガーと・・・いや、いくつもの星を暗闇に染めし者どもを
打ち倒したスーパーロボットたちの力を合わせることが出来れば・・・」
光子力研究所
かつて、Dr.ヘルとミケーネ帝国との戦いで使用されたスーパーロボットマジンガーZを保有する研究所である。
主に超合金Zと光子力エネルギーを平和利用するための研究が行われている。
現在もその研究は続けられてはいるがもっぱらインベーダーや侵略者との戦いの為にマジンガーZのサポートをする毎日である。
そこにアーテは甲児に誘われやってきていた。
憧れの甲児の誘いとあっても先日の敗北に心はブルーなままだ。
「よぉ、アーテ」
甲児が入り口でアーテを出迎える。
今日は緊急の場合を除いては出動は無し。いわゆる休日というところだ。
だが、一度、戦闘が起こり呼ばれれば出動せざるをえないのが現状だ。
パイロットである彼らに休まる暇はない。
「こんにちは甲児さん。今日はお招きありがとうございます」
「なに、かしこまってるんだよ。俺たちは仲間だろ」
「・・・はい、そうですね」
アーテはその仲間という言葉に抵抗を感じていた。
自分は甲児と仲間として認められるほどの実力があるのだろうか。
「貴方がアーテちゃん?」
浮かない顔のアーテに少女が話しかける。
「はい・・・」
アーテが顔を上げてその顔を覗く。
甲児と同い年ぐらいの少女が黒い髪のストレートが似合う少女だ。
「私は弓さやか。この光子力研究所の所長の娘でダイアナンAのパイロットよ」
「えっ!ダイアナンAってあのマジンガーZと一緒に戦ってたって言う?」
「そうよ。今は研究所の手伝いであんまり出動してないけど私も一応、極東支部に所属してるわ」
「うわぁ、流石は光子力研究所。大侵略戦争の英雄がここにも・・・」
「ふふ、私は英雄ってほどの活躍はしてないわよ。何時も甲児くんに助けられてばっかりだったわ」
さやかは羨望のまなざしを向けられて少々、頬を赤らめている。
「なに、そんな謙遜してんだよ。さやかさんらしくない。俺は何回もさやかさんには助けられてきたんだぜ」
「そうね。甲児くんはいつも考え無しに突っ込んでいくからフォローが大変だったわ」
「こりゃ、手厳しいな」
甲児が苦笑いを浮かべているのをアーテは眺めている。
「まぁ、こんなところで立ち話しててもしょうがない。中に入ろうぜ」
甲児の先導で彼らは研究所内へと入っていった。
光子力研究所の中でアーテは超合金Zや光子力エネルギーについて色々な話や
マジンガーZの構造や武器の資料などをみた。
だが、どれもこれも高度な技術や話でアーテにはさっぱりと訳が分からなかった。
だが、それらがどれだけの人たちの努力と夢・・・そして、平和を願う心によって生み出されたのかを痛感することは出来た。
ここで働く研究員たちはいわば大侵略戦争を戦い抜いてきた猛者なのだ。
彼らの協力なくしてマジンガーZの勝利はなかっただろう。
「はぁ・・・」
一通り見て回ってアーテは応接室のソファーに座り込んだ。
一日にいろいろなものを見て回る目と体を休める。
「どうだ?面白かったか?」
甲児がオレンジジュースを差し出しながら尋ねた。
アーテはそれを受け取るとコクンと頷く。
「はい、ディングレイなんかとは比べ物にならない技術が使われてて凄かったです」
「凄いな。理解できたのか?」
「・・・さっぱり・・・」
「はは、まぁしょうがないさ。そんなに簡単に理解できたら俺たちが研究している意味もないしな」
「甲児さんは理解できてるんですか?」
「あぁ、一応はな・・・でも、まだ爺ちゃんや父さんのようにはいかない」
甲児は遠くを眺めるように呟いた。
今は亡き彼に戦う力を与え心を教えてくれた人たちの姿を。
その時、扉の向こうから騒がしい声を足音が聞こえてきた。
それはそのままこの部屋のドアを開けて飛び込んでくる。
「おぉ、甲児、何時帰ってきたんだ?」
顎のしゃくれかたと大きな体が特徴的な男が甲児に話しかける。
「よぉ、ボスじゃねぇか」
「なにがよぉだ。帰ってきたんだったらこのボス様に一言、挨拶ぐらいしろい」
「わりぃわりぃ、今日はアーテに研究所を見てもらってたところだったからさ」
「アーテ・・・?誰だわさ?」
甲児がソファーに座るアーテを指差す。
アーテは小さくお辞儀をした。
「おう、かわいらしいお嬢ちゃんだな。誘拐でもしてきたのか?」
「人聞きの悪いことをいうな。こいつは仲間さ」
「仲間・・・っつうと極東支部に所属しるのか?」
「はい、ディングレイのパイロットのアーテ=キーリです」
「おう、俺様はボスだ」
「ボス・・・本名なんですか?」
「そんなもんだわさ」
「面白い名前ですね」
アーテは無邪気な笑顔で応える。
甲児は素直に信じてるアーテを見て少し噴出した。
「俺様も甲児と一緒にボスボロットで戦ってたんだわさ」
「ボスボロット・・・?」
「知らないのか?あんなに活躍してた俺様の勇姿を」
「・・・すみません」
アーテは思わず頭を下げてしまった。
それにボスはショックを受けている。
「ほら、何時もやられてる丸っぽいロボットだよ」
「あぁ!あれ、ボスボロットって言うんですか」
アーテは何となくTVに映っては壊されていたロボットを思い出す。
「そんなことで思い出されてもちっとも嬉しくないだわさ」
「まぁ、でも何回かはボスボロットに助けられたこともあるしな」
「何回もじゃなくて何時もだろ」
「数えるほどしか記憶にないけどな」
そんな二人のやり取りを見てアーテは微笑んでいた。
「そういえば所長はどうしたんだ?」
「所長ならどこかのパーティーに出かけたぞ」
「パーティー?このご時世に?」
「なんでも光子力研究所のスポンサーが開いたパーティーだとかいってたな」
「スポンサーねぇ・・・」
古城
そこには各研究所でスーパーロボットを開発した博士たちが集められパーティーが開かれていた。
博士たちは久しぶりに互いに顔をあわせ話に華を咲かせている。
話題の中心はもっぱらインベーダーやガルファなどの脅威に対することと
そして、約一ヶ月前にグレートミッションの途中で起こった次元断裂現象と地球発光現象についてだった。
あのときの異変について正確なことなど一切、不明である。
分かっているのは異変が起こったときに突如として数名の人々が行方不明になったこと。
そして、ライディーンがあれ以来、何かに呼応するようにエネルギーを高め制御不能になっていることだ。
月のイージスに参加していたライディーンはセカンドウェーブ通過後突如としてムートロンエネルギーが増幅し
一種の暴走状態に陥る。
パイロットであるアキラの操縦もきかずスーパーロボットたちにより地球の神面岩まで運ばれ現在はムトロポリスに
より徹底した調査が行われている。
だが、未だに詳しいことは分からずじまいだった。
博士たちが話をしているとパーティーの主催者であるクライン=サンドマンが階段からゆっくりと下りてくる。
青い髪に杖をもった男性はおつきの赤い髪と仮面をつけた男性をひきつれパーティーの賓客の前に現れる。
「ほぉ・・・彼が数々の超エネルギー研究所やスーパーロボットの研究所に多大な費用を提供してくれている
大富豪クライン=サンドマンか」
光子力研究所の弓所長が壇上の男性をみて呟いた。
「福祉事業や自然環境にたいする寄付も多大に行っているというが・・・その資金が何処から出ているかも不明な
謎の人物・・・彼がまさかこんな茶番を企てるとは・・・」
南原コネクションの四谷博士が酒を飲みながらいぶかしげな視線を送る。
「だが、彼の助力なくしてこの情勢下でスーパーロボットの運用が出来なかったのは事実です」
剛博士の言葉に他の博士たちも頷くほかをなかった。
剛博士の言うとおりアレほどまでに混沌を極めた大侵略戦争の折に一騎当千の実力を持つスーパーロボットの開発と
運用を同時に行うには地球連邦軍の助力を持ってしても無理だった。
だが、それでも戦えたのはサンドマンと破乱万丈、覇道財閥の資金提供があったからである。
「皆さん、お初にお目にかかる。私がクライン=サンドマンです。
多忙なスケジュールの中、集まっていただき感謝いたします」
サンドマンは深く頭を下げる。
「いやいや、私たちも久しぶりに集まる機会を頂いて感謝しているところですよ」
博士たちの代表としてダンクーガの開発者、葉月博士が返事をする。
「そういっていただけると私としても気が楽です」
「それで私たちをこんなところに集めた目的はなんだ?」
四谷博士が単刀直入に話を切り出した。
「私が貴方方を集めたのは他でもない。今、地球圏がかつての大侵略戦争と同等の・・・いや、それ以上の脅威に
さらされている。この危機を乗り切るためには今まで以上にスーパーロボットたちの共闘体制を整えなければいけない。
その為にどんな権限にも縛られないスーパーロボットの部隊を設立しなければならないと私は考えている」
その言葉に思い思いに博士たちは反応を示す。
「私は大侵略戦争を勝ち抜けたのは各スーパーロボットたちが柔軟な思想の元に運用されていたからだと思っている。
今のように連邦の体制化におかれていてはその力を十分に発揮できるとは思えない」
「しかし、個々で戦うのにも限界がある。連邦軍という強力なバックアップがなくしてインベーダーなどと渡り合うのは
不可能だと思うが」
「それは分かっています。だが、連邦軍の上層部が必ずしも正しい方向に力を使うとは限らない。
そして、上の者の暴走が危険な状況を招く場合もある。三輪長官を思い出せば分かると思いますが」
三輪長官はかつて極東支部の長官を勤め、その権限を使いダイモスを初めとするスーパーロボットを
自分の思い通りに動かそうとし勝利のために多くの犠牲を払おうとした者だった。
典型的な軍人思想の塊であり人々を護ろうとする信念の元に行動するパイロットたちとの折り合いはかなり悪かった。
現在では軍法会議にかけられ刑務所に服役している。
「だが、連邦軍にも良心的な組織は存在している」
「しかし、いつGGGやGEARが接収されるとも限りません。今のティターンズの横暴を見る限り」
その言葉に誰も何もいえなかった。
現実の問題としてティターンズの存在は地球連邦に所属する身の上非常に厄介なものだ。
現在はスーパーロボットのパイロットたちの多くがアースノイドであり地球上で製作されたものだから
余り多くの文句は言わない。だが、今以上の力をつけてくれば必ずスーパーロボットを権限で縛ってくるに違いない。
その時、突如として城の警報が鳴り響いた。
「何事だ・・・?」
「サンドマン、ゾンダーが出現した」
「ゾンダーだと・・・サンドマン、何故君が奴らについて知っている?」
「・・・今はまだ、言えません。ですが、奴らは危険だ」
「だが、奴らに対抗するためにGGGが存在する」
「ガオガイガーですね。あの美しき巨神は確かにあの醜悪なる者たちを打ちのめす光を持っている。
だが、奴らに対抗するにはまだ、小さな光だ」
「そこまで知っているというならゾンダーの特性についても知っているでしょう。
奴らの特性上、あれとまともにやりあえるのは現状、ガオガイガーのみだ」
「いえ・・・もう、一つ奴らに対抗する手段があります」
「なんだと・・・」
「貴方方を呼んだもうひとつの理由をお見せしましょう」
サンドマン邸地下
そこを紅エイジが走っていた。
彼はこの城で働いているはずの姉を探してパーティーに紛れ込んでいたのだ。
そして、隙を見て内部に潜入し今に至る。
エイジは淡い青い光に包まれた神々しき部屋に訪れる。
「ここは・・・」
エイジは不思議な雰囲気に抱かれつつ歩んでいった。
巨大な青い珠が埋め込まれた金属レリーフのようなものの前にたたずむ少年の後姿が見えた。
エイジはその少年に近づいていく。
するとその気配に気づいたのか少年が振り向いた。
「あっ、君が最後の一人?へぇ、本当に男の子だったんだ。僕以外は全員、女の子かと思ってたよ」
いきなりの言葉にエイジが途方にくれていると少年は手を差し出してきた。
「僕は天空侍斗牙。君の名前は?」
「お、俺の名前は紅エイジ。何やってるんだこんなところで?」
「ん?どうしてかな。ここにいるとね。おちつくんだ」
「おちつく・・・」
確かに静かな雰囲気でいい感じだが少し暗い気もする。
「そうだ。あやかって知らないか?赤い髪でこう、胸がでててだな」
エイジが必死に自分の姉の特長を話しているが斗牙は不思議そうな顔をしている。
「ごめん、わからないや」
「そうか・・・」
うな垂れるエイジに斗牙は申し訳なさそうな表情を向ける。
「しゃあない。もうひとっ走り探しにいくとするか」
「あれ?もう、行っちゃうの?」
「こんなところにいてもしょうがないからな」
エイジが歩き出そうとすると突如として地面が揺れ始める。
「どわっ!なんだ!」
エイジは揺れる地面の上をヨタヨタとあたりを見回す。
「遂に来たか・・・」
斗牙は先ほどのぽやぽやした印象が一変し鋭い目つきで青い球体を睨んでいる。
「なにが・・・って」
揺れの影響か、それとも他の要因かは不明だが突如として床に亀裂が走りエイジの足元に穴が開いた。
「うわぁぁぁぁぁ!」
エイジは絶叫と共にその穴の中へと真っ逆さまにその穴へと落ちていった。
街を巨大なハンマーを振り回すゾンダー・・・EI−03が暴れまわっている。
その前にディングレイ、マジンガーZ、アルトアイゼンが立ちはだかった。
「甲児、分かっていると思うが物理的な攻撃は奴には使用できないぞ」
「分かってる。エネルギー系の攻撃を浴びせればいいってことだろ」
「なら、分かっていると思うが。俺とアーテの援護は期待できんぞ」
ディングレイとアルトアイゼンにエネルギー系統の武装は搭載されていない。
故にゾンダーに対して攻撃を仕掛けることが出来ないのだ。
アルトアイゼンはビームライフルを持っているがその程度の武器ではバリアに阻まれ有効打にならないだろう。
「アーテ、大丈夫か?」
甲児がアーテに尋ねるがアーテは言葉を返さない。
「とりあえず、今日はそこで見ていてくれ。いくぜ、キョウスケ」
「・・・了解だ」
マジンガーZとアルトアイゼンがEI−03に向かって突っ込んでいく。
「・・・見放されちゃったかな・・・」
アーテは飛んでいくマジンガーZの後姿を見ながらポツリと呟いた。
結局、心境の変化もないままに命令どおり出撃したアーテはそこから動くことが出来ないでいた。
「冷凍ビーム!」
マジンガーZの角から物体を瞬時に凍らせる光線だ。
だが、それもゾンダーのバリアの前に阻まれてしまう。
「ちっ、強力なバリアだぜ」
「あのバリアのみなら物理攻撃でも破れる。破った後はしばらくの間、バリアを発生させられないはずだ」
キョウスケが全開の戦いでの経験を甲児に伝える。
そして、アルトアイゼンのバーニアを全開にしEI−03へ突進する。
迎撃しようとして飛んできたハンマーをそのまま加速し回避しEI−03の懐に飛び込んだ。
「貫け!」
リボルビングステークがバリアと接触、同時にステークを射出しバリアの構成が一瞬、崩壊する。
「よし、ブレストファイヤー!!」
すかさず、マジンガーZの胸の放熱板から必殺の熱線を浴びせる。
赤色の光がEI−03に照射されその装甲をドロドロに溶かしていった。
だが、それでもひるまずにハンマーを振るいマジンガーZを叩き落そうとする。
「おっと!」
当たるわけにはいかずマジンガーZは攻撃をやめてハンマーを回避した。
EI−03はその隙に装甲を再生させながらハンマーをそのままアルトアイゼンに向かって振り下ろす。
それをアルトアイゼンはかろうじて回避した。
だが、回避したその隙をつきEI−03がその巨大な腕をアルトアイゼンに振り下ろそうとする。
「なにっ!」
「ロケットパーンチ!」
かろうじてマジンガーZのロケットパンチがEI−03の腕を弾き飛ばすことに成功した。
アルトアイゼンはすぐさま後退する。
「すまない」
「なに、良いってことよ・・・それよりも・・・」
マジンガーZの右腕はEI−03に飲み込まれていた。
「万事休すだな・・・せめて、鉄也さんがいてくれれば・・・」
「あぁ、だが泣き言は言ってられん」
少なからず焦りを感じる二人にEI−03はゆっくりとその足を向けてきた。
機械を吸収し、協力なバリアーを持つゾンダー。
それは様々な敵と対峙してきた甲児にとっても脅威の相手だった。
だが、その程度でひるみはしない。
自分の背中には護るべき人々がいるのだから・・・
「待たせたな!」
そこに突如として金色の鎧に身を包んだ青年が飛び出してきた。
「ガイ!」
「ようやく、GGGのお出ましか」
「すまない。だが、遅れた分はきっちり取り戻す。二人とも下がっていてくれ」
「へっ、この兜甲児さまに下がれって。冗談じゃねぇ、一緒に戦うぜ」
「アルトもダメージを受けたわけではない、援護ぐらいなら出来るはずだ」
「了解。一緒にゾンダーと戦おう」
「おう!」
三人は叫び声と共にEI−03へ向かっていく。
「ギャレオーン!!」
ガイの叫び声に応じ空の彼方からメカライオン、ギャレオンがEI−03に強襲を仕掛ける。
「光子力ビーム!」
「射撃は苦手だが四の五の言っていられんか」
二つのビームがEI−03に炸裂しその動きを一瞬、止めた。
「フュージョン!」
その隙にガイはギャレオンとフュージョンしガイガーになる。
「くらえ!ガイガークロー」
ガイガーの拳の爪をEI−03へと思い切り叩き込んだ。
だが・・・
「なに!」
EI−03はそのままパワーで押し切るとガイガーを吹き飛ばす。
「ガイ!」
甲児は一か八かでブレストファイヤーを放つがものともせずにガイガーへと向かっていく。
「くっ、アルトのパワーではあいつを押し戻せん」
アルトアイゼンはスプリットミサイルとビームライフルを放つがそんなものでEI−03を止められるはずもない。
ガイガーはEI−03の拳をくらいビルに叩き込まれる。
「うわぁぁぁ!」
「ちっ、俺たちなんざ眼中にないってか」
「唯一の対抗手段のガイガーを先に潰そうということか」
二人が一斉に攻撃を仕掛けるが決定打にはならない。
マジンガーZもスーパーロボットだが敵を一撃で葬り去る必殺技と呼べるほどの威力の武器はない。
装甲の硬さなら全スーパーロボット中でもトップクラスだが威力は低いのだ。
アルトアイゼンも切り札の武器が全て実弾兵器のためにくりだせないでいた。
だが、このままで確実にガイガーはやられてしまう。
「スカーレットビーム!」
突如として光線が繰り出されEI−03に直撃する。
「なっ!」
「なに、ボーっとしてんの甲児くん。貴方らしくもない」
「そうだぞ。そんなことならこのボス様がおいしいところ全部、かっぱらっちまうぞ!」
瓦礫の海を越えダイアナンAとボスボロット・・・マジンガーZの仲間がかけつける。
「いくわよ〜ん。ボロットパーンチ!」
ボスボロットはEI−03に殴りかかるが簡単に弾き飛ばされた。
「うわぁったた・・・よくもやってくれたわねん」
「自分から吹き飛ばされただけだろ」
「にゃにおぉ、こうなったらとっておきでいくだわさ」
「!ボス、あわせろ」
「おう、まかせろ。ボロットプレッシャーパンチ!」
「ロケットパーンチ!」
マジンガーZとボスボロットの拳が飛び出しEI−03へと向かっていく。
立て続けに浴びせた拳にEI−03は弾き飛ばされガイガーとの間に隙間が出来た。
「光子力ミサイル!」
ダイアナンAの胸が飛び出しEI−03へ炸裂する。
「いまだ!」
アルトアイゼンは持ち前の突進力で出来た隙間に切り込みガイガーを掴んで脱出した。
「くっ・・・助かったぜ」
「これでこの前の借りは返せたな」
アルトアイゼンとガイガーが着地する。
「へっ、どうだ。お前を倒すまでにはいかないかも知れないがな。それでも仲間を助けることぐらいは出来るんだぜ!」
甲児が大声で叫んだ。
その言葉にさやかが微笑みを浮かべる。
「これだけやれば流石にくたばっ・・・なにぃ!」
ボスが粉塵から現れるEI−03に目玉が飛び出るほどに驚いた。
「奴があの程度でくたばるなら苦労しないぜ」
「ゾンダーを倒すには核を取り出すしかない・・・なら、とるべき手段は一つだけだ」
「合体するのか?」
「あぁ!」
GGG
「長官、ガイガーからファイナルフュージョン要請シグナルが出ています」
「じゃが、前回のファイナルフュージョンの影響でガオーマシンも相当傷ついとる。下手すると空中分解じゃぞ」
「大丈夫だ!彼なら出来る!なぜなら彼は勇者だからだ!そして、それを支える勇者たちもいる!
ファイナルフュージョン承認!」
「了解!ファイナルフュージョン・・・プログラム・・・ドラーイブ!」
ファイナルフュージョンの承認シグナルを得てガイガーが電磁粒子を巻き上げながら空へと飛び上がる。
「ファイナルフュージョン!」
電磁竜巻を発生させ合体体制に入る。
EI−03はそれを防ごうと突進するが電磁竜巻に弾かれそのまま転がっていった。
「ガオ!ガイ!ガー!」
額にGストーンの緑の輝きを携え鉄の巨神が電磁竜巻の中から現れる。
「現れたかガオガイガー・・・カインの遺産・・・」
それを遠くから機関車のような男が睨みつけていた。
「それに地球製のロボットたちもかなりのものだ・・・しょうがない。
前回の戦いで手に入れたアレを使うとしましょう」
「うおおお!ドリルニー!!」
ガオガイガーの膝のドリルが高速回転しゾンダーの装甲を削り取る。
だが、負けじとハンマーを振り回しガオガイガーを吹き飛ばす。
「ぐわ!」
ガオガイガーは瓦礫のビルへとたたきつけられるが装甲にさほどのダメージはない。
「ブロークン・・・」
ガオガイガーが右腕を大きく上げて赤い光を放ち高速回転させる。
その時、突如として空より巨大な剣のようなものが落下してきた。
雲を裂き、空を裂き、それは真っ直ぐにガオガイガーへと向かって落下してくる。
「プロテクトシェード!!」
ガオガイガーは左腕を前に出し電力を最大にし空間を湾曲させる。
だが、それでも超高速で落下してきた巨大な質量を相殺しきれない。
次第にプロテクトシェードが押され始めた。
「ドリルミサイル!」
甲児たちもそれを吹き飛ばそうとするが巨大な質量にダメージを与えられずにいた。
「くそ・・・せめてロケットパンチが撃てれば」
だが、マジンガーZの両腕はEI−03との戦いで失っている。
その時、夜空に光が流れるのが見えた。
それは角度を変えると真っ直ぐに地上へと向かい落ちていく。
「うおおおおお!ブーストハンマー!!」
巨大なハンマーを構えたディングレイはバーニアを全開にし凄まじい落下速度と質量で巨大な剣を殴りつける。
轟音と空気を張り付かせる衝撃波を発せられる。
剣のようなものはディングレイのハンマーに叩き出され地面をえぐりながら吹き飛ばされていく。
「アーテ」
「甲児さん・・・私もやるよ。どれだけちっぽけでも・・・この力、皆を護るために使う」
ディングレイは全身から冷却材の煙を巻き上げながらマジンガーZたちの前に立つ。
「恐れない・・・皆を護るためなら、恐くない!」
ディングレイは扱いにくいブーストハンマーを手放すとつるはしに持ち替える。
「私も・・・皆のように・・・仲間を・・・人を護るために戦える心・・・あるなら!」
ディングレイは剣のようなものに向かって走り出す。
だが、その前に小型の分身体のようなものが現れた。
「邪魔だぁ!」
ディングレイはつるはしを振るうをそれを吹き飛ばす。
だが、横から突撃され吹き飛ばされる。
倒れるディングレイに更に剣のようなのが飛び掛ってきた。
「ルストハリケーン!」
それを酸性の嵐が吹き飛ばす。
「信じてたぜ。お前が立ち直るのをさ」
「甲児さん」
「甲児くんが見込んだだけあるわね」
「かわいいだけじゃないってことだな」
「後は奴らを倒すだけだな」
「あぁ、反撃の時間だ!いくぞ、皆!」
「おう!!」
ガイの号令と共に6機はゾンダーと正体不明の敵との戦いに向かう。
戦場より少し離れた場所
「斗牙さま、地球連邦軍の部隊が戦闘中みたいです」
緑色の髪と丸眼鏡をかけたメイド服の少女・・・エィナが状況を報告する。
「あれってマジンガーZだ。これじゃ私たちの出番、ないかもね」
エィナと一緒にドリル戦車、Gドリラーの後部座席に乗る少女、琉菜が答える。
「あら、だったら奪っちゃえばいいじゃない」
それに少しふざけた感じでGストライカーパイロット、ミヅキが答える。
「私語を慎め。これより戦闘区域に入る」
斗牙が真面目な表情ときつい言動で注意を入れる。
その雰囲気はエイジと城の地下で出会ったときとはまるで違っていた。
「って、おい!」
Gアタッカーのコクピットでエイジが叫び声を上げた。
「どういうことだよ、これ!」
「どういうこともこれから私たちはゾンダーと戦うのよ」
その言葉にミヅキが答える。
「ぞ、ゾンダー!?」
「そっ、あの英雄と一緒に戦うのよ」
「英雄?」
「ほら、見えるでしょ。マジンガーZ」
「ま、マジか!?本物かよ、あれ!」
エイジはTVと同じ黒い巨人がたたずむ姿に驚く。
「で、そのマジンガーZと戦ってるのが私たちの相手よ」
「戦うって戦闘機でかよ」
「大丈夫、そんじょそこらの戦闘機とは訳が違うんだから」
「だからってなぁ・・・いきなり、乗せられてあんな化け物と戦えなんて正気かよ!」
エイジはあの落下の後に直後、これに乗せられ強制的に飛ばされてきたのだ。
文句の一つも言いたくなる状況である。
「五月蝿い!男なんだからグズグズ、言ってないの!」
そんなエイジに琉菜がキれて怒鳴り声を上げた。
「なんだと!」
「なによ!」
二人はモニター越しでにらみ合いを始めた。
「二人とも黙ってろ」
斗牙の静かで思い声が二人を黙らせる。
「これより、戦闘に入る。油断するな」
斗牙の乗る人型機動兵器グランカイザーを先頭に彼ら・・・グランナイツは戦いの場へと躍り出た。
「連邦軍極東支部特機部隊だな」
各機体の通信機に斗牙の声が届く。
「あぁ、そうだが」
それにキョウスケが答える。
「これより援護に入る」
グランカイザーは上空より降りると小型の剣のようなものを蹴り飛ばした。
「なんだ?」
「自己紹介はあと、今はこいつらを先に倒すわよ」
Gストライカーがミサイルを放ち剣型を吹き飛ばしていく。
「私たちも負けてらんないわよ。エィナ!」
「は、はい!」
Gドリラーも進撃していく。
「って、どうすりゃいいんだ」
エイジは始めて乗ったGアタッカーに戸惑っていく。
「フラフラしてると危ないよ」
そんなGアタッカーの様子が不安になったディングレイが援護にまわった。
「んなこと言ってもこっちは初めてなんだぜ」
「初めてでも機獣を倒した小学生だっているんだから。大丈夫。それに私たちがいるもん」
ディングレイは華麗とはいえないが確実に敵にダメージを与えていく。
同じく自分自身もダメージを追っていくが。
「・・・けっ、お前のほうがよっぽど危なっかしいじゃねぇか。適当にやりゃ、どうにかなんだろ!」
エイジがボタンを適当に押すとミサイルが飛び出し敵を吹き飛ばしていく。
「雑魚は片付いた。後は親玉だけだぜ」
甲児が最後の一体を光子力ビームで吹き飛ばす。
「残りは・・・ゾンダーと・・・ゼラバイア」
エィナが敵のデータを見ながら呟いた。
「ゼラバイア?」
それに琉菜が疑問を返す。
「えっ、あの巨大な剣みたいな敵のことです」
「あれもゾンダーじゃないの?」
「いえ、あれは構造からして違うものです。他の皆さんも攻撃できてますし」
「そういえば、いくら、スーパーロボットでもゾンダー相手だと融合するはずだもんね」
琉菜は今更ながらにそのことに気づいていた。
今でも良く分かっていない人もいるが。
「各機、合体するぞ!」
斗牙がグランナイツに対して通信を入れる。
「合体・・・こいつ、合体もするのか!?」
「そりゃ、戦闘機のままじゃ決定打を与えられないもの」
驚くエイジにミヅキがフォローをいれる。
「エルゴ・・・フォーム!」
斗牙はコクピット正面にある水晶体に指輪がついた拳を思い切り叩き込んだ。
すると強烈な光が発せられグランカイザーを中心に強力な重力場を作り出す。
グランディーヴァはその重力球へと吸い込まれるように入っていた。
そして、突如ステルス機のようなグランディーヴァが出現しそのまま吸い込まれていく。
グランカイザーを基点にGドリラーが分割しそれぞれ、右腕左腕に
GアタッカーとGストライカーは足となってドッキングする。
そして、突如現れたGシャドウが胸部につき合体が完了する。
重力子を自在に操る超重神ゴッドグラヴィオンが戦場に姿を現した。
「一気に決めるぞ。グラビトンアーク!!」
胸の宝玉が煌き紫色の光が放たれる。
それは剣型のゼラバイアを一気に崩壊させていく。
「今だ!!」
ゼラバイアがいなくなりEI−03がただ一人孤立した状態になる。
「ヘル!アンド!ヘブン!!」
右手に破壊の赤い光。
左手に防御の黄色い光。
「ゲムギルガンゴーグフォ・・・」
それらが一つに組み合わさり緑色の光が放たれた。
電磁竜巻がEI−03を束縛し空中にくくりつける。
「うおおおおおおおお!!!」
ガオガイガーの両腕がEI−03を貫きコアを掴み取る。
そして、一気に引き抜くと大爆発を起こしEI−03は消滅した。
「やったぁ!」
アーテがガオガイガーの勝利に歓喜の声を上げた。
「いや、待て」
甲児はガオガイガーの異変に気づく。
「うあああぁぁぁぁぁっ!!」
ガオガイガーは再び暴走を始めていた。
勢いのままにゾンダーコアを握りつぶそうとする。
「ガイを止めるぞ!」
甲児の号令と共に皆が駆け寄ろうとするとき、緑色の光が急速に近づいてくる。
「ダメぇぇぇぇ!!」
その緑の発光体は前回のそれと同じ者だった。
緑色の光はそのままゾンダーコアを浄解する。
その光景を皆はただ、呆然と眺めていた。
次回予告
浄解を行う謎の少年天見護。
彼との接触によりGGGはゾンダーとGストーンに対して大きな力を手に入れる。
そして、グラヴィオンの加入により日本防衛は完全なものとなった・・・
かに思われた矢先、地球連邦極東支部が襲撃を受ける。
それは翼を持った一機のガンダムであった。
次回
スーパーロボット大戦〜OVER THE GOD〜
第二章 日本激闘編
第六話 オペレーションメテオ
平和の為に、そびえたてディングレイ!
インターミション
アーテ:さぁ、皆、インターミションの始まりだよ!
甲児:なんか、はりきってるな
アーテ:えぇ、だって本編のほうだと私よりも甲児さんのほうが主役っぽいし。
ここで目立っておかないと終わりかなって。
ガイ:だが、今回はアーテも十分に目立ってたんじゃないか?
アーテ:そういうガイさんも目立ってましたよ。
斗牙:でも、僕は目立ってないよ
アーテ:あっ・・・
エイジ:そうだぞ!サブタイトルからしてグラヴィオンの話なのになんで出番が少ないんだ!
アーテ:まぁ、これからに期待ってことで
エイジ:納得できるか。なぁ、斗牙
斗牙:まぁ、僕は原作でもあまり目立ってなかったし
エイジ:いや、まぁ・・・でも、ツヴァイでは主役らしかっただろ
斗牙:最後にサンドマンに全部、いいところもってかれたけどね
エイジ:・・・・・・・・・・・・・
アーテ:か・・・かける言葉が無い
甲児:と、とりあえず、後書きがわりなんだし原作変更点とかそこらへんも語ってこうぜ
アーテ:あぁ、今回は特に大きな変更点ありますもんね。ね、斗牙さん
斗牙:僕たちの敵がゾンダーになってるってこと?
エイジ:でも、ゼラバイアだって出てたぜ
アーテ:まぁ、そこらへんは後に本編でも
斗牙:でも、それって僕たち(グラヴィオン)がガオガイガーの引き立て役ってことじゃ・・・
エイジ:・・・・・・・・・・・・
ガイ:・・・・・・・・・・・・
アーテ:か・・・かける言葉が無い・・・