スーパーロボット大戦
〜OVER THE GOD〜
第三章 地球混迷編
第四話 ビッグオーショータイム
いずれこの世界は闇に飲まれる・・・そうなるように作られている。
贄に捧げられし悲劇の王よ・・・
絶望と悲しみの狭間に永遠の苦悩を眠ることも起きることも適わず受け続けろ・・・
だが、光栄に思うがいい・・・貴様は選ばれたのだからな・・・
大いなる舞台に・・・・
牙王が目を覚ますとそこは見慣れぬ場所だった。
清潔感溢れる真っ白なシーツ。シックながら高級感を感じるベッド。
牙王の人生に縁がなかったものの上で牙王は居心地が悪そうに辺りを見回した。
誰もいない広い部屋。
牙王は静寂の中で記憶をさかのぼる・・・
昨日、ブラックロッジの襲撃を受けた牙王は一時的に逃げることに成功した。
だが、それは一時的なものでしかなかった。
素人の逃亡術でテロリストどもをまけるはずもなく直ぐに追いつかれてしまう。
牙王は一旦、ハジキたちと別れるとブラックロッジの注意をひきつけ逃げ続けた。
そして、極点王の力を使い戦闘員を撃退。
だが、逃げ続けていた牙王は巨大なアーカムシティの見知らぬ場所に出ていた。
いや、そこはアーカムシティではなかった。
灰色の空が広がり濃い霧が立ち込める街・・・
そこは牙王の知らない場所だった。
牙王はそのまましばらく歩くと疲れ果てその場に座り込んでしまった。
そして、そこから記憶がない。
「俺は・・・助かったのか?」
牙王はベッドから降りると空を見上げた。
空は灰色に包まれている。
アーカムシティではない。空気だけで分かった。
暗黒が忍び寄っているとはいえアーカムシティには活気があった。
人が生きようとする意志が存在していた。
しかし、そこにはそれがさほど感じられなかった。
まるで生きる目標をなくし途方にくれているかのようだ。
牙王は懐かしさにも似たものを感じていた。
そうだ・・・この空気は自分に似ているのだ。
生きる目標が見出せずにただダラダラと日常を過ごす自分と・・・
「お目覚めのようですね」
突然に声をかけられ牙王は振り向いたそこには黒いスーツに身を包んだ老人が立っていた。
「あんたが俺を助けたのか?」
「はい、朝のゴミ出しに出た時、貴方がゴミ置き場で寝ておられましたのでな。運んだ次第でございます」
「そうか・・・いや・・・ありがとうございます」
牙王は丁寧にお辞儀を返した。
その老人の空気がそうさせるのかもしれない。
「私はノートン。この屋敷の主人ロジャー様の執事をしております」
「俺は疫神牙王・・・ただの人間だ」
牙王はゆっくりとそうだけ答えた。
「君か・・・ノートンが今朝方拾ってきたという少年は?」
黒いスーツをビシッと着こなした男性が書類の重なるデスクに座っている。
その前にコーヒーが湯気を立てている。もちろん黒だ。
「貴方がロジャー?」
「そうだ。私はロジャー=スミス。このパラダイムシティでネゴシエーターをしている」
パラダイムシティ?
牙王は聞きなれぬその単語に疑問を抱く。
自分が住んでいた場所はアーカムシティだ。
とすれば何時の間にか巨大なる街を出てしまっていたらしい。
だが、パラダイムシティなどという都市を聞いたことなどなかった。
「怪訝な表情を浮かべているな・・・君はパラダイムシティの人間ではないのか?」
「あぁ・・・俺はアーカムシティから来た」
「アーカムから・・・そうか君はあの街から来たのか・・・しかし、パラダイムシティとアーカムシティは・・・
いや、パラダイムシティは外の世界からの出入りは禁じられているはずだが・・・」
「どういうことだ?」
「話せば長くなるがかいつまんで説明すればこのパラダイムシティは世界から隔離された場所。
そう、40年前に突然として人々のメモリーが消え去り混乱した都市。
歴史から消された都市。メモリーを失った哀れな羊たちのすみかさ」
かいつまんでいるために詳しいことは分からないがそれでもある程度、分かった。
しかし、釈然としない。
「40年前って・・・あんたはそんなに年がいっているように見えないが?」
「ここに暮らしていた者たちの生活を含めてこの場所は封印され続けているからな」
「そうか・・・だけど、あんたは随分と詳しいんだな。ここの人たちは自分たちが隔離されていることを知っていて
なおこの生活を続けているのか?」
「私は職業柄そういうことには詳しいのだよ。一般人たちはそのことを知らず世界がどういう場所だったのかのメモリーも知らず
ただ、このパラダイムシティだけが世界だと信じて生きている」
「一体どうしてここの人たちに真実を伝えないんだ。町全体が記憶喪失・・・不可思議な現象だが解明もせずに
ずっと封印し続ける意味なんてあるのか?」
「それについては私も良く知らない・・・だが、覇道財閥が絡んでいるらしいが」
「覇道財閥・・・?」
アーカムシティの実質的支配者。
莫大な富と技術を持ち世界に名を轟かせる企業体。
「まぁ、そこを言及されても私には答えようがないがね」
そう言われては牙王は返す言葉がなかった。
「しかし、厳重に封印されたパラダイムシティに忍び込むとは君は一体?」
「気づいたらここにいたんだ・・・理由なんて分からない」
本当に分からないことだった。答えようもない。
ロジャーの言うことが本当なら迷い込めるはずもないはずだが・・・
理由が思い出せるとすれば自らの流れるとされる不可思議なる力。
地皇・・・地球の何処にあろうとも牙王の自由なのだとしたら逃げようとする意思がここへの道を開いたのかもしれない。
「分からない・・・?君は現にここにいるが?」
「そこを言及されても答えようがない」
「・・・ふっ、そうか。まぁ、詮索してもしょうがないことだろう。
ところで君はこれからどうするんだ?」
「アーカムシティに戻る」
「さっきいったはずだ。このパラダイムシティは封印された都市。出ることは出来ない」
「あっ・・・・」
牙王は帰る手段を失ったということになる。
だが、直ぐにそれでもいいんじゃないかと思い始めた。
ここならブラックロッジや冥獣の恐怖に怯えなくて進む。
奴らと戦う道を行かなくてすむ。
極点王の言葉に耳を傾けなくてすむんじゃないのか・・・
逃げ場所を提示された牙王の思考は迷うことなくそこへと向かっていく。
だが、九郎の顔を思い出すとそれはすんでのところで立ち止まった。
「どうした?アーカムシティに戻りたいんだったらどうにかできないこともないが」
「戻れるのか?」
「君が本当にアーカムシティの人間ならそれほど問題もないだろう。君はここでは異端者なのだから
はじき出されるのは当然だ」
「・・・そうか。なら、俺は帰るよ」
しかし、あっさりと否定されたここは逃げ場所ではないと
ロジャーはその牙王の心を知ってから知らずか真っ直ぐと見つめている。
「そうか、では今日の夕方までには出られるようにしよう。それまでは君の自由にしているといい」
「いいのか?」
「君が何を見ようと私にはとがめる権利はない。だが、そのことを外の世界に公表することだけは許さないがね」
「わかった」
当然だろう。そこに異議を申し立てる気にはなれない。
そうして、牙王は少しばかりの自由を手にした。
「さて・・・どうするか」
だからといって何をしようという考えが直ぐに出てくるわけではない。
ここは見知らぬ町なのだ。
「貴方・・・」
突然、牙王に誰かが話しかける。
あまり抑揚のない声。
振り向くとそこには黒い服に身を包んだ少女がたっていた。
「(なんか、黒い服来た人ばかりだな)」
そこが屋敷のルールだ何てことは牙王が知るところではない。
「生ゴミとして捨てられたの?」
突然の言葉に牙王はしかめっ面になる。
どうして、そんなことを言われなければならないのか理由が分からなかった。
「今日、ノートンがゴミ捨て場で見つけたといっていたわ。今日は生ゴミの日」
「・・・・いや、捨てられたわけじゃない」
なにやら勘違いをしているだけのようだ。
真っ直ぐとした瞳からはバカにしているという感じは受けない。
だが、それと同時に生きているのかという疑問すらもわいてきた。
「ロジャーに貴方に街を案内するように言われたわ」
「ロジャーさんに・・・君の名前は?」
「R・ドロシー=ウェインライト。人に名前を尋ねるときは自分からが礼儀なんじゃないの?」
「そうだな。俺は疫神牙王」
「そう、それじゃいくわよ」
ドロシーはそういうとさっさと歩いていってしまう。
他人に礼儀を問う前にもう少し愛想を良くしろと牙王は心の中で毒づいた。
それから牙王はドロシーの案内の下にパラダイムシティを歩き回った。
ドロシーの説明は的確な分、事務的だった。
それでも知らない街を歩くというのは楽しいものだった。
それが失われたメモリーにより苦悩する人々が暮らす街だとしても。
人通りの中を牙王はドロシーの後について歩いていた。
歩いていく同じような顔・・・振り向くこともないただのエキストラ。
人生の主役が自分なら携わる人々は脇役。関わらないものたちはエキストラ。
そう、この街を行きかう人々は牙王にとってはエキストラでしかない。
だが、一つの顔を見た瞬間、牙王の意識が覚醒した。
立ち止まり通り過ぎるものを目で追う。
そして、振り向いていた。
その視線の先に映るのはまるでこの暗き世界に凛として輝く金色の髪を持つ幼い少女。
牙王はただ、惚けるようにその姿を見つめ続けていた。
そして、ふとその足が止まる。
少女は牙王の視線に気づいたのかゆっくりと振り向いた。
その瞳も金色に輝いていた。淡い・・・淡い金色・・・優しい光・・・だが、悲しみに満ちている。
「・・・お前は?」
牙王は尋ねていた。
頭の中の何かがずっと騒ぎ続けている。
まるで引かれるようにその少女へと歩み寄る。
だが、彼女は一定の距離をとり後ずさった。
彼女の腕に噛み付いている鎖が鳴った。
「・・・誰?貴方は・・・?」
静かな声・・・それは人々の雑踏に消されてしまいかねないぐらいに小さな声。
だが、それは牙王の耳に酷くはっきりと伝わる。
そう尋ねられただけで心臓がまるで握りつぶされるかのように痛い。
「俺は・・・・俺は・・・・」
牙王は自分の名を名乗ろうとする。
だが、口が上手く回らない。
「データベースリンク・・・・・疫神牙王、アーカムシティ住人、謎の巨大ロボットにより冥獣を二体撃破。
ブラックロッジと敵対する意思を示す」
「!!」
そのことを知っている。この少女は普通じゃない。いや、普通じゃないと感じてはいたが意味が違う。
牙王は腰に下げていた剣の柄を握った。
それに応じて少女の鎖が浮かび上がる。
そして、どこにそれほどの量を隠していたのか・・・
膨大な量の鎖が伸びて壁や道路を貫いていく。
人々がざわめき逃げ出していく。
膨大な敵意が町全体に広がっていく。
「なんだと・・・」
マスターテリオンは玉座に座りながらその光景を見ていた。
彼の瞳は永劫の怠惰の中でその異変を見つめていた。
「ムーンチャイルド計画13番目・・・いや、ハイパーヒューマンの三番目サードが不確定因子と接触・・・
これも奴らのシナリオの一つなのか・・・」
金色の瞳は同じく金色の瞳を持つ少女を見つめていた。
「それにしても・・・初めて見る顔だ・・・地の皇・・・面白い・・・」
「君もそう思うかい?大導師」
影から闇が生じる。そして、それは人型をなした。
「貴公は・・・今回はなんと呼べばいいのかな?」
「ナイア・・・今回はそう名乗っている」
「ナイア・・・か。全くひねりのない」
「どうもネーミングセンスが悪くてね」
「それで奴は何者なのだ?」
「さぁ・・・しかし、彼の力はネクロノミコンにも匹敵する」
「そうか・・」
「それに今回は荒ぶれる鋼の巨人たちが一同に会してくれた・・・今回は最高だ。そう、何もかもね」
「これで終われるのだな」
「おそらくね」
二つの闇は微笑んだ。
その気配は拡大し続ける。
無数に出現する鎖が交差し牢獄を形成していく。
牙王はその檻の中に捕らわれてしまった。
刀を抜き身構える。
だが、極点王は呼ばなかった。
一見はただの少女に対してあの巨大なる力は差が開きすぎる。
しかし、どう考えてもこちらの分が悪い。
「くそ・・・つくづく運がない」
運がないというよりは今回ばかりは自分から首を突っ込んだかんがするが。
まぁ、まさか偶々声をかけた少女がこのような異様な力を持つ者だとは思わないだろうが。
「プログラミング・・・・捕らえろ」
少女が静かに言葉を放つと鎖が光り輝き爆発するかのような勢いで枝分かれし牙王に襲い掛かる。
「ちぃ!」
牙王はその一本を刀で弾き飛ばした。
だが、すぐさまに一撃、二撃と迫り来る。
牙王はどうにかそれらも刀で受け止めた。
しかし、そうそう都合よくは行かない。
受け止めたと思った鎖は自在に動き回り刀を縛り付ける。
「しまっ・・・」
牙王がそういい終えるよりも先に鎖が次々にその体を縛り付けていく。
鋼鉄の感触が布越しに強くしまっていた。
「ぐっ!」
激しい痛みを感じながらも必死に鎖を振りほどこうとする。
だが、そんな常識はずれの力を持たぬ牙王の抗いは余計に鎖を食い込ませるだけだった。
「捕縛・・・貴方を連れて行く」
牙王の体が徐々に宙に持ち上がっていく。
「ぐはっ!」
重力の威力を加えて牙王の体が軋みを上げる。
もはや何の抵抗も出来ない。いや、何の抵抗すらも出来なかった。
このまま、突然の終幕を受けるのだろうか・・・
このまま連れて行かれその力を利用しようとするものに発かれる・・・
極点王を出現させようにも意識が集中できない。
声に耳を傾けることも出来ない。自由なる力も痛みに捕縛され行使できない。
しかし、救いの手は差し伸べられた。
鎖が引き散られ牙王の体が開放される。
「がはっ・・・はぁはぁ・・・」
牙王は咳き込み空気を吸い込む。
痛みは直ぐに回復していった。
刀を地面に突き立て立ち上がる。
「何をしてるの?」
抑揚のない声が尋ねかけてくる。
横には黒い服を着た顔色の悪い少女が立っていた。
R・ドロシー・・・その少女の手には鎖が握られている。
「・・・お前が砕いたのか?」
「そうよ。でも、いきなりトラブルに巻き込まれるなんて運がないわね」
「そう思うよ・・・」
牙王はそのドロシーの怪力に疑問を抱きながらも気持ちを目の前の脅威に向けた。
あたりを包んでいた鎖は巻き戻しのように彼女の服の中に吸い込まれていく。
「生体反応なし・・・アンドロイド・・・」
サードは呟きドロシーの目をじっと睨みつける。
「彼女・・・人じゃないわね」
「なに・・・」
「来るわ」
ドロシーの声と同時に彼女の立っていた位置に鎖が高速で駆け抜けた。
しかし、ドロシーはそれをかわすと高速で彼女の元へと駆ける。
その速さは人間ではなかった。
そして、そのままの勢いで少女に殴りかかる。
少女は鎖を折りたたむと盾としてドロシーの拳を防いだ。
しかし、その華奢な体は吹き飛び道の上を水平に飛んでいく。
そして、地面に足を付きブレーキをかけて立ち止まる。
その体にダメージらしきものは負っていない。
「パワーはあちらのほうが上・・・」
サードは鎖を解き拳に握った。
それを見たドロシーはバックステップで牙王のもとまで下がった。
「逃げるわよ」
ドロシーはそういうと牙王の手を持って走り出した。
その勢いは牙王を空中に浮かせるほどだ。
牙王は手がもぎれんばかりの勢いに苦痛を感じながらもそのまま連れて行かれた。
「ぐっ・・・はぁはぁ」
逃げ込んだ場所はロジャーの屋敷。
ドロシーは息一つ切らさずに立っていた。
それに比べて牙王は腕を押さえながら息を切らしている。
「おかえりですか、ドロシー、牙王様」
「えぇ、この人がむやみに声をかけるから迷惑したわ」
ドロシーが倒れこんでいる牙王を指差して答える。
牙王はどうにか息を整えると立ち上がった。
「違・・・わないけど・・・まさか、ブラックロッジだなんて・・・」
「ブラックロッジですと」
牙王の言葉に反応しノートンは声を上げた。
「・・・知ってるんですか?」
「えぇ・・・彼らはこのパラダイムシティの平和も脅かす存在ですからね」
「・・・こっちにも出没するのか・・・」
ブラックロッジ・・・アーカムシティを騒がす悪の秘密結社。
それがこのパラダイムシティにも出るというのか・・・
破壊ロボを持ってたりとやってることがテロリストとは思えない豪勢ぶりだが。
「でも・・・あいつ、何者なんだろう?」
牙王の脳裏にあの少女の顔が浮かぶ。
金色の悲しみを帯びた瞳・・・あの瞳が闇夜に浮かび上がるようだ。
「もう一度、話しかけて襲われても私は助けないわよ」
ドロシーの静かな一言が牙王の胸に突き刺さった。
彼女に命を救われたのだ。何も言い返せない。
だが、それでも・・・命を襲われても彼女のことが気になっていた。
「(これが運命・・・何を考えてるんだ・・・俺は・・・)」
牙王は反芻する思いを断ち切りノートンに向き直った。
「でも、ブラックロッジが街を歩いてるなんて・・・何か事件でも起こるんじゃないのか?」
「そうでしょうね。ですが、私たちに出来ることはありませんよ」
「・・・そうだが・・」
確かにブラックロッジを見つけたからといって牙王が何かをなさねばならぬわけではない。
だが、望まぬにしても今、自分の手には戦う力がある・・・それで逃げていいのだろうか?
「お前は何をやってんだ!?」
チンピラ風の男がサードに怒鳴り散らす。
子悪党な雰囲気だがその態度は尊大でその視線は相手を見下している。
「データベースにあったターゲットがいたので捕まえよう」
サードは淡々と答えた。
申し訳ないとかそういうのを通り越してただ、何も考えて無さそうだ。
「かー!ブラックロッジともあろうものがこんな奴をよこしてくるとはな」
「協力を申し出たのは貴方では?」
「あぁ、そうさ。だけどなブラックロッジがただの秘密結社とは違う優秀なところだっていうから協力するんだ。
お前みたいに後先考えずに暴れるだけの奴なんてお呼びじゃないんだよ」
「・・・そう」
サードはそう静かに呟くとそのまま立ち去ろうとする。
男は驚いてその肩を掴んだ。
「おいおい!落とし前もつけずに帰るつもりか!?」
「お呼びでないなら」
「何なんだ手前は・・・全く手前は本当に人間か!?まるでアンドロイドのようだぜ」
「・・・対して変わらない」
「あぁ、そうかい。だけど、お前のその力が使えないと言ってるんじゃない。使い時を間違えてると言ってるんだ。
俺の言うとおりにすればお前は最高の道具となる」
「・・・そう、これも大導師様の御命令。言うとおりにします」
「そうかいそうかい・・・(まぁ、とっと利用しておさらばするのが得策だな)」
男・・・パラダイムシティを騒がす悪党ベックは口元を歪めた。
爆音が街に轟いた。
暗闇に包まれた街を炎が照らし出す。
揺らめく黒煙の中で巨大な何かがせり出した。
巨大な鋼を鋳造し作り出した人型の機械。
それは圧倒的な暴力を持って市民の生活を妨害する。
「くそ・・・」
牙王は逃げ惑う人々を掻き分けながら走っていた。
自分はこのまま、この街から出ればよいだけだった。
だが、昼間に出会った少女のことが忘れられない。
恋ではない・・・もっと、違う感覚。
罪悪感にも似た焦燥・・・
「やっぱり・・・いると思っていた」
牙王は飛んできた鎖を刀で弾き飛ばした。
月光に照らされ金髪の少女が瓦解したビルの上に立つ。
「予測していたのに現れる・・・理解不能」
「俺もだよ」
牙王は刀を下段に構え疾走した。
蛇のようにのたうち襲い来る鎖をかわしつつ接近していく。
「たあぁ!」
鋼の刃が少女の肌を襲う。
だが、それは鎖に阻まれ捕縛される。
牙王は躊躇せず刀を離して腕を振り上げた。
「この世界の何処であろうと俺が願えばそこが刃だ!」
牙王が叫ぶと手に鋼の刃が現れる。
鎖に絡まった刀は消え去り、驚くサードは振り下ろされた刀をかわしきれずに腕を切り裂かれた。
「・・・解析不能・・・やはり、連れ帰るべき」
「いや、俺がお前を連れ帰る」
二人は炎が揺れる瓦礫の中で視線を交差させた。
「ひゃははは!サードの奴、思ったよりつかえるじゃねぇか」
ベックはスーパーベックロボの中で札束を数えていた。
銀行の警備システムは完全にサードが無力化した。
後は沈黙した銀行をスーパーベックロボで破壊し札束を盗み出し悠々と逃げているわけだ。
警察も警備システムが沈黙していたために到着は遅れている。
後はただ、逃げるだけだ。
しかし、まだそれでは完璧とはいえない。
この街には守護者がいる。
無法者を許さない黒い巨人・・・
「ビッグオーショータイム!」
アスファルトの地面を突き破り巨大な鋼が表れた。
全身を黒く塗装され、必要以上に巨大な腕を供えた無骨なロボット。
これこそがメモリーを失ったパラダイムシティの法を護る唯一の巨人。
CAST IN THE NEME OF GOD YE NOT GUILTY
我、神の名においてこれを鋳造する。汝ら罪なし・・・
「ビッグオーアクション!」
ビッグオーの巨大な拳がスーパーベックロボを殴りつける。
轟音とともにスーパーベックロボは宙に浮きそのまま地面に叩きつけられた。
「出たなカラス野郎・・・」
ベックはビッグオーを見上げながら忌々しげに吐いた。
「ベック・・・貴様にもはやネゴシエイトの価値は無い」
ビッグオーのコクピットで黒い服に身を包んだ紳士・・・ロジャーは言い放った。
巨大な鋼はアスファルトを砕きながら歩み寄る。
「今回の俺がこれで終わりだと思うな。サード!」
ベックが叫んだ。
瓦礫の中
牙王とサードは互いの技を繰り出しつつ戦いを繰り広げていた。
自由自在に刀を出現させる牙王
自由自在に鎖を操るサード
両者は研ぎ澄まされた感覚の中で互いの血を求め合うように武器を繰り出す。
一撃一撃が心をすり減らし、意思を研ぎ澄ます。
その中でサードは自分を呼ぶ声に気づき大きく跳躍した。
「遊びは終わり」
サードは呟くと突如、地面より巨大な鎖が競りあがった。
その数は4・・・ビッグオーを十字に取り囲むように出現する。
「なんだ!?」
ロジャーは突然、出現した鎖に困惑する。
その反応は通常のものとは違う。あれは金属ではない。
「ははは、お前は俺の罠にかかったのさ」
「なんだと・・・」
「今日がお前の命日ってことよ」
ベックが不適に笑うとアスファルトから鎖につながれた冥獣が現れた。
「これは・・・アーカムシティに現れるという化け物か」
冥獣・・・二つの首を供えた地獄の番犬に似た化け物・・・仮にケルベロスと呼称するとしよう。
それらは八つの首を全て、ビッグオーに向け、鋭利な牙を剥き出しにした。
そして、同時に大地を蹴り、ビッグオーに飛び掛った。
「やれやれ・・・」
ビッグオーの目から光線が奔り、正面のケルベロスを焼く。
そして、後ろを向き、両サイドからは拳で受け止め、最後の一匹の攻撃をあえて受け止めた。
「この程度の牙でこのビッグオーに噛み付くとはな」
ケルベロスは必死に牙を突き立てるがビッグオーの装甲には通らない。
「バカな飼い主を怨むのだね」
ビッグオーの腹部ハッチが開きケルベロスを弾き飛ばす。
そこには無数の砲身が詰っていた。
一斉に発射されるとケルベロスを微塵の肉塊へと変えていった。
そして、両腕に噛み付いているケルベロスを地面に叩きつけると拳を振り上げた。
両腕に装備されたシリンダーが浮かび上がる。
「これで」
そして、拳をたたきつけると同時にシリンダーが落ち、二重の衝撃を加えた。
ケルベロスはそのまま、地面に押し付けられ夥しい血を吐きながら息絶えた。
「この程度でビッグオーを止められると思っていたとはな」
ビッグオーは再びスーパーベックロボに向かっていった。
「相変わらずのばけものっぷりだな。だが、相変わらず甘いな」
再び、鎖がせりあがるとケルベロスが出現した。
先ほどと同じく四匹。
「まだ、いたのか」
「まだまだ、いるぜ」
「ベック・・・貴様、誰と手を組んだ。冥獣を操るなどお前が出来るはずが無い」
「ひひひ・・・言ってくれるね。まぁ、確かにその通りだ。俺はブラックロッジと手を組んだんだよ」
「何・・・」
「俺もこの街・・・メモリーを奪われ隔離されたパラダイムシティに生きていくのにも飽きたしな」
「メモリーを奪われ・・・?貴様、何を知っている?」
「お前こそ何を知ってるんだ?パラダイムシティの住人が恐れる地下へと足を踏み入れメガデウスを操るネゴシエーター」
パラダイムシティの住人にとって地下とは禁忌の場所。
だが、ロジャーはそこへとやすやす足を踏み入れる。
ケルベロスはビッグオーに再び襲い掛かった。
さしものビッグオーも同時攻撃に吹き飛ばされビルに激突する。
ビルが煙を巻き上げ倒壊した。
「俺はな金が欲しいのさ。それ以上は別にいい。だが、その為にはネゴシエーター、お前が邪魔なんだよ」
スーパーベックロボがビッグオーに拳をたたきつける。
「ならば、真面目に働け、楽して儲けようという考えがまかり通ると思うな」
「いやだね。俺はこっちのほうがしょうにあってんだよ」
スーパーベックロボが飛び上がりビッグオーにキックを叩き込んだ。
「くっ・・・ブラックロッジと組むとは・・・」
ロジャーの脳裏に何かが浮かび上がる。
闇・・・三つの瞳・・・金色の青年・・・眷属・・・・無垢なる・・・・
「うわぁぁぁぁぁ!」
「そうだ、泣き叫べ」
「貴様がな!」
空間が変質し巨大な鋼が形成される。
それは巨大な拳となりてスーパーベックロボを殴り飛ばした。
「・・・なんだ?」
「ロジャーさん。冥獣は俺に任せて」
「君は・・・牙王」
「お互い事情は後で話しましょう」
「・・・そうだな」
極点王はビッグオーの腕を掴み立ち上がらせた。
「今はこの街を騒がす無法者に制裁を加えるとしよう」
ビッグオーはスーパーベックロボのほうへ向いた。
「えぇ!」
極点王は四匹のケルベロスに向き直る。
極点王は大地を蹴り走り出した。
だが、アスファルトは砕けず、全くの無音で街を駆け抜ける。
世界は極点王を阻まない・・・唯一、違う契約の元に生まれし黒き生命体を除いて。
ケルベロスは八つの首から一斉に火炎を放射した。
炎はアスファルトを焼き、溶かし、灼熱の様相を持って極点王に迫り来る。
「炎には・・・炎を!」
極点王の周囲に光が集まり、紋様を作り出す。
すると紋様から炎が迸り灼熱の火炎に立ち向かった。
「守護法炎!」
炎は相殺され熱エネルギーが空へと拡散する。
「薙ぎ払え!金剛丸!」
極点王は腰にさげられた刀を抜き放ち、薙いだ。
刀はビルに触れているのにも関わらず全く斬れず。
ただ、ケルベロスだけを切り裂いた。
二匹のケルベロスが血を噴出し地面に伏せ、闇へと帰っていく。
だが、次の瞬間、再び鎖が立ち上りケルベロスが闇より生まれ出でた。
「・・・きりが無いってことか?」
「それはない。この地球上で奴らが無制限に現れられるはずはない」
「ならば・・・倒していけば」
「倒せればな」
「どういうことだ?」
「先ほどの黒いロボットも我も奴を倒せてはいない」
「・・・きいてないのか?」
「奴らは倒される前に自らを闇へと帰し再び生まれ出でる。根本より断たねば終わりは来ない」
「なら!」
極点王は両腕を大きく広げ精霊に呼びかける。
この世界にあってはならないものを排除せよ。
地皇がこの世界の住人である精霊に命を下す。
「精霊葬送!」
光が奔り、ケルベロスを包み込んだ。
その存在は根本から徐々に地球から排除されていく。
そして、ケルベロスはこの世界から消滅する。
「わかってきたようだな。我の扱い方を」
「納得は出来ないが・・・利用できるものはさせてもらう」
しかし、段々と極点王を使うこと自体への違和感が薄れているのは事実だった。
だが、それは牙王にとって恐怖でもある。
「(俺は・・・どうなる?)」
牙王は誰にでもなく問いかけていた。
「牙王、集中しろ。まだ、闇が残っている」
極点王の言葉に牙王は意識を外へと向けた。
それは闇を待とう光だった。
月光の髪をもった少女は闇へとつながる鎖を引き上げる。
「装甲材質・・・解析不能・・・動力源・・・解析不能・・・武装原理・・・解析不能・・・
アンノウン・・・アンノウン・・・この世において更に謎のもの・・・捉え大導師の御前に」
少女は金色の瞳を極点王へと向ける。
その足は闇よりせりあがる巨大なる怪物の上に乗っていた。
闇の肉体を持つ、異質なる集合体・・・
「あれは・・・」
「冥獣の継ぎ接ぎ・・・それをあの鎖をかいして直接、操っている。あれほどの力を人が持ちうるとは・・・」
「・・・今度こそ倒す」
牙王は殺意の視線を送ると極点王に斬りかからせた。
金剛丸が空へ振り上げられ、闇へ向かい振り下ろされる。
全てを断つ、大地の結晶。
その力は闇の肉体に受け止められていた。
「刀状の物質。物質材料不明・・・」
闇は地の底より現れ出でて人の容をとる。
異様なる存在。
それは地球にあるべきものと対峙する。
「力負けしてる・・・」
「不用意に近寄るな・・・冥獣の中では最も強い部類に入るぞ」
「なっ!」
闇は掴んだ金剛丸をそのままに押し戻した。
闇は胸に手を入れると一気に広げた。
露出した内部・・・そこは現実とは思えない空間が広がる。
黒の歪む場所・・・サードはその場に飲み込まれるように入っていった。
「我が命のままに・・・シュバルトレイク」
サードの言葉とともに闇は動き出し極点王に襲い掛かる。
「くっ・・・守護法・・・」
極点王の周りに紋様が浮かび上がる。
だが、炎が飛び出すよりも早くシュバルトレイクの拳が極点王の顔を殴りつけた。
衝撃により紋様はかき消され、極点王の体が浮かび上がる。
「一度、ひいては一角の馬」
サードは闇の中よりつながる鎖を引いた。
すると闇が浮かび上がりそこから黒い一角獣が姿を現す。
それは疾駆すると浮かぶ極点王を背中から角の一突きで空中に放り上げた。
「二度、ひいては二頭の犬」
サードが再び鎖を引くと空中に闇が生じケルベロスが姿を現す。
ケルベロスは両の口より灼熱の息吹を放った。
極点王の装甲が焼かれ赤熱化する。
「三度、ひいては三対の蝙蝠」
サードが三度、鎖を引くと空中に三対の翼を持つ巨大な蝙蝠が出現する。
三匹は極点王を取り囲み衝撃波を一斉に放射する。
極点王はなす術も無くその衝撃をくらい続けた。
そして、地面に落下し巨大なる亀裂を作り出す。
「四度、ひいては四つ目の蜘蛛」
サードが鎖を引くと巨大な蜘蛛が出現し極点王に襲い掛かる。
「・・・俺に・・・触れるなぁ!」
極点王は腕を振り上げると蜘蛛の足を掴んだ。
そして、腕より光を放ち闇を侵食する。
「精霊の世界へと誘う、さらば!」
牙王が叫ぶと蜘蛛は光と消えていった。
「原理不明・・・魔術でもない・・・ましてや科学技術でもない・・・」
「はぁぁぁ!」
極点王は膝をつきながら立ち上がる。
極点王の装甲自体に損傷は見られない。
だが、牙王の表情は憔悴しきっていた。
「死ねない・・・しねない・・・」
「止めろ牙王。今のお前に我の維持は無理だ」
「奴を倒すにはお前が必要なんだ・・・」
「牙王・・・」
「彼女は・・・俺が救う」
ビッグオーはスーパーベックロボを一方的に殴りつけていた。
性能の差は歴然としている。
「くっ・・・」
「どうやら、助っ人に頼りすぎて自分自身のことがおろそかになっていたようだな」
「みたいだな・・・だがよ、お前の相棒はしにかけのようだぜ」
ベックの言葉にロジャーは振り向くとそこにはフラフラとたつ極点王の姿があった。
表面上の損傷は無い。
だが、見ているだけで死に掛けていることが分かった。
「後はあいつに任せとけば十分見たいだな・・・あばよ」
ベックがそういうと彼はコクピットより飛び降りた。
そして、スーパーベックロボはビッグオーに向かう。
「なっ!」
そして、スーパーベックロボはビッグオーに抱きつくと決して離れようとしなかった。
「止めはさせずともそのメガデウスもただでは済むまい。これで終わりだカラス野郎」
ベックはそういい残すとさっさと逃げていった。
「くっ・・・お前の思い通りにしてやるわけにはいかん」
ビッグオーは拳をスーパーベックロボに押し付けた。
この距離では加速も加えられず衝撃も弱い。
だが、腕のシリンダーがくわえる突然の衝撃は距離などものともしない。
シリンダーが打ち込まれスーパーベックロボを弾き飛ばす。
「爆発する暇も無く消し飛ぶのだな」
ビッグオーの頭部パーツが光り輝くと光線が発射された。
それはスーパーベックロボを貫通し溶かしていった。
「さて・・・残るはあの黒い化け物だけか」
ビッグオーはシュバルトレイクをにらみつけた。
「解析は出来ない・・・でも、さほど強くは無い」
シュバルトレイクが極点王へと歩み寄る。
その黒い輝きは威容を極めていた。
「ダメ・・・なのか・・・?」
牙王は意識を保つこともやっとの状態でいる。
だが、それでも最後の維持で極点王を保っていた。
「連れ帰る・・・」
「君の思い通りに事が運ぶと思わないことだな」
シュバルトレイクのミサイルの雨が降り注いだ。
爆発がシュバルトレイクの肉体を削り飛ばしていった。
「攻撃・・・ビッグオー」
「私の前でこれ以上の無法を許すわけにはいかない。ビッグオーアクション!」
ビッグオーは極点王をどかし、シュバルトレイクの前に出た。
「パラダイムシティの遺産・・・データは取れている。排除」
シュバルトレイクは鎖をビッグオーに対して飛ばした。
ビッグオーは腕に鎖を絡めとられる。
「このまま・・・」
「ビッグオーのパワーを甘く見ないことだな」
ビッグオーはそのまま鎖を引くと強引にシュバルトレイクを手繰り寄せた。
そして、拳を大きく構える。
シリンダーが浮かび上がり、その拳が必殺の体制を整える。
「暗き闇の使者よ。散れ」
拳がシュバルトレイクの皮膚を打ち破る。
血が噴出し、肉がえぐれる。
そして、シリンダーに圧力がかけられ一気にたたきつけられた。
衝撃が上乗せされシュバルトレイクの肉体を一気に突きぬく。
「ぐぅ・・・ビッグオー・・・予想以上・・・撤退する」
サードは相手の実力を測り損ねたことを悟るとそのまま、闇へと消えていった。
「まさか、ブラックロッジが冥獣を操る技術を得ているとはね」
ロジャーは牙王と地下鉄道の前で会話していた。
そこは唯一、パラダイムシティを外界とつなげる場所。
「そうみたいですね」
「君はどうも、まだ戦うことに慣れていないようだね」
「・・・戦う気もありません」
「ほぉ、その割には進んで飛び出していったが」
「それは・・・あいつが・・・」
「ふむ・・・レディの為に戦うというのは男として当然のことだ」
「そんな意味じゃ」
「まぁ、君がブラックロッジと戦い続けるというのなら近いうちに再び会うことになるだろう」
「・・・パラダイムシティにはもう、来る気はありませんよ」
「ブラックロッジは私としても許せる奴らではないのでね。法を犯すもの者。奴らにネゴシエイションとはなんなのかを
教えなくてはならない」
「その割には交渉してるところは見たことありませんが」
「それは次の機会にでもな」
「あれば・・・ですけど」
「では・・・また、会おう」
「・・・・・・」
牙王は無言のまま列車に乗り込んだ。
だが、最後に一度だけお辞儀をする。
「彼・・・戦うつもりなのかしら?」
「彼は戦うさ」
「そうは見えなかったけど」
「アンドロイドに人ははかれないものだ」
「そうね。人間の感情はあまりにも論理的ではないから」
「そろそろ、大いなるOと繋ぐ者が動き出す頃か」
マスターテリオンは玉座で髪をいじりながら呟いた。
「はい・・・サードとベックがビッグオーと交戦し敗れた模様です」
「そうだろうな。現時点ではアーカムシティにある奴らの中では奴が一番強い」
「ネゴシエーターはこのまま動かせておいてよろしいのですか?」
「彼なら自然と我々に対抗するように動く。問題はないさ」
「彼とも長い付き合いですものね」
「彼は奴と違い悪夢にうなされる分、我々に近い位置にいる」
「ですが・・・それでも奴ははっきりとは覚えていない」
「それでいいのだ。奴はメモリーを抜き取られさすらうのが運命。奴なくしてC計画の真の発動はありえんのだからな」
「分かっています。全てはマスターの意のままに・・・」
ガンダムファイト
それはコロニーの自治権をかけた一大イベント
戦争が続くさなかであっても超人的な強さを持つファイターたちは人気を博していた。
その中、アーカムシティにネオアメリカのガンダムファイターが凱旋する。
それを強襲する赤マントの日本人。
激突する拳は何を物語るのか・・・
次回
スーパーロボット大戦〜OVER THE GOD〜
第三章 地球混迷編
第五話 ガンダムファイト
命を護る牙となれ、牙王!