スーパーロボット大戦
〜OVER THE GOD〜
第三章 地球混迷編
第五話 ガンダムファイト
アーカムシティは今、湧き上がっていた。
それもそのはず、コロニー、地球を巻き込んで盛大な盛り上がりを見せるガンダムファイト。
そのアメリカの代表であるチボデー=クロケットが故郷であるこのアーカムシティに凱旋しているのだ。
一般庶民たちはこの日ばかりはブラックロッジのことを忘れて盛大に盛り上がっている。
「何を騒いでいるのだ?」
ビルの屋上でそれを眺めていたアルが不思議そうにそのパレードを眺めている。
「あぁ、ボクシングチャンピオンのチボデー=クロケットの凱旋だからな」
「ボクシングチャンピオン?強いのか、そいつは?」
「もちろん。このアメリカじゃ一番強いんじゃないか?」
「ふん、所詮は人間であろう。魔術師どもと比べれれば可愛いものだ」
「いやいや、マジですごいんだって。前にテレビで見たんだがありゃ人間じゃねぇ」
「そんなに強いのか?」
アルは実際に見たことの無いチボデーの実力をいぶかしんでいた。
だが、九郎は目を輝かせてチボデーを見下ろしている。
「やっぱ、ああいう強い人がブラックロッジと戦ったほうがいいんじゃねぇのか?」
「何を言う。いくら、強かろうが魔術師としての素質をもたんものが戦えるわけがなかろう」
「でも、チボデーはガンダムファイト用のガンダムもってるしさ」
「ガンダム?なんだそれは?」
「知らないのか!?」
九郎は本気で驚きアルを見下ろしている。
「なんだ、その目は?」
「いやぁ・・・まぁ、古臭い魔道書のお前じゃ最近の世辞には疎いのかと思ってな」
「な、なにをぉ!!この妾に知らぬことがあるはずがないであろう!」
「じゃあ、知ってるのか?ガンダム?」
「もちろん・・・・・・えっと・・・なんだ・・・」
アルは本気で頭を抱えて考え始めた。
思考にノイズが走る・・・・・・
ガンダム・・・・・・人の英知の結晶・・・・・・・抗う力・・・・・・
ニュータイ■・・・・シャ■■ル・・・・SE■■・・・・・・■■■M・・・・・・■・・・・
「おい!!」
九郎がアルの肩を掴んでゆすって起こす。
「妾は・・・」
「全く・・・脳がショートするほど考え込まなくていいんだぜ」
「なっ!」
「ガンダムってのはな。13年前に起こった一年戦争っていう人類史上最大の戦争で活躍した伝説のMSの名前だ」
「一年戦争・・・あぁ、あの人間同士のいざこざか。全く、セカンドインパクト、ジュピター現象で大変だというのによく人間同士で争う気になったものだな」
「まっ、オレにはジオンの奴らの考えなんて分からないがな」
「しかし、何故、チボデーがそのガンダムとやらを持っているのだ?」
「あぁ、コロニーの自治権をかけた格闘大会。通称ガンダムファイトって言うんだけどよ。それで使うMFがガンダムなんだ」
「MF?MSとは何か違うのか?」
「さぁ、格闘用に調節でもしてあるんじゃないのか?」
「ふむ・・・ジオンがあれだけ渇望していた自治権をそんな娯楽でくれてやるとはな」
「さぁな、地球連邦のお偉いさんじゃないんでオレにはよくわからねぇよ。でも、戦争で疲弊しちまったこの地球で唯一、いい娯楽になってるんだぜ」
九郎は知っている。
アーカムシティがまだまだマシだということを。
世界にはもはや人も住めない土地だって存在している。
現在の人類の総人口などもはや不明だ。
早乙女の反乱、セカンドインパクト、MUの襲来、一年戦争・・・あの当時、正に地球は地獄だった。
次々に起こる災厄、終わらない災厄・・・総じてたかだか一年少しで地球は一気に疲れ果てていった。
当時、子供だった九郎もそれがどれだけ恐ろしいことかは分かっていた。
そして、去年の大侵略戦争だ。
正直、地球は何処か他の星の物になるかとか、完全に破壊されてしまうんじゃないかとさえ想像していた。
いや、それは比喩などではなく本気でそういう事態に陥っていたらしいというだから笑えない。
もし、スーパーロボットなんて都合のいいものがなかったら間違いなく地球人類の歴史は終わっていた。
それでも人類は勝利しかりそめの平和を手に入れている。
南米、アフリカもほぼ、文明圏は壊滅し、北米もアーカムを初めとする大都市ぐらいしか機能していない。
ヨーロッパも文明が衰退し全時代的な生活を強いられているらしい。
もっとも被害が甚大らしいユーラシア大陸では人々が局地へと生活を移しているという話だ。
唯一といっていいほど力をもっているのは極東・・・日本だけだと言われている。
そして、地球防衛の要は日本へと移っているらしい。
「おい・・・どうした。考え事など汝には似合わんぞ」
「・・・そうだな・・・」
九郎は思考をきりかえる。
こういう湿っぽいのは似合ってない。
「妾はようやく汝が戦う決意でも固めてくれたと思ったぞ」
「ちげぇよ」
「まぁ、汝が戦わなければならないのは決定事項だがな」
「何、勝手に決めてんだこの古本娘が!」
灰色の空の下で二人の罵りあいは続く。
それをよそ目・・・というか見ていないが隣のビルで一人の男がたっていた。
赤い鉢巻に赤マント、どうやったって一般人に見えない目立つ男は真っ直ぐにチボデーを見下ろしている。
男は口元を少しにやけさせるとそのまま、飛び降りた。
「なっ!!」
それをみた九郎は驚きビルの端までかけよった。
「自殺か?」
「のんきに言ってる場合か!!まさか、パレードが下にあるのに飛び降り自殺なんて・・・」
九郎が下を覗きこむとそこには信じられない光景があった。
男はそのままチボデーに落下の加速を利用して蹴りかかった。
チボデーは素早く反応するとそれを防御する。
それを男は反動でひらりと回転し街灯の上に着地した。
「何者だ!!」
チボデーの怒声が響く。
いきなり強襲されて怒らない奴はいない。
「ネオアメリカコロニー代表のチボデー=クロケットだな?」
「あぁ、そうだ」
「オレはネオジャパンコロニー代表のドモン=カッシュ!貴様にガンダムファイトを申し込む!!」
赤いマントの男はチボデーを指差し叫んだ。
「ガンダムファイトだぁ・・・いきなり襲い掛かってどういう了見だ」
「話はそれだけだ」
ドモンはそれだけ告げると街灯を伝ってそのまま走っていってしまった。
「なっ・・・なんだありゃぁ!!」
「まさか、人間にもあれほどの動きが出来るものがいるとはな」
アルは素直に感心している。
だが、九郎はビックリ人間ショーをみせられて困惑していた。
「・・・だけど、あいつ・・・どっかで見たことがあるような・・・」
九郎はドモンの顔を思い出し呟いた。
「あぁ、それはキングオブハートのドモン=カッシュですね」
篠塚が雑誌を開いてそれを九郎に見せた。
そこには先ほどの男の写真が載っていた。
「コロニー格闘技の覇者・・・ってことはコロニーで最強ってことか?」
「そうなると思いますよ」
「コロニー最強ともなるとあんな人間離れしたことができるんだな」
九郎は雑誌を食い入るように読んでいた。
ここは教会。
九郎はあの男のことをここの生徒に尋ねに来たところ丁度、知っているという篠塚に教えてもらっていたところだった。
「にしても・・・こんな雑誌読んでるんだな」
九郎は女の子には不釣合いな雑誌を眺めて呟く。
「ちょっと格闘技やってて・・・でも、ドモンさん・・・それにチボデーさんもだし、ガンダムファイトに出場してる人たちって凄いですよ」
「皆、あんなことできるのか?」
「皆かどうかは分かりませんけど・・・ちょっと人間を超えてるっていうか・・・」
「オレは少なくともあんな動きが出来る人間は初めてみたぞ」
「コーディネイターの人でも近い動きが出来る人はいますけど。流石に厳しい鍛錬をした猛者には適わないみたいですよ」
「へぇ・・・・」
九郎はただ、相槌を打つしかなかった。
生まれてこの方、コーディネイターにもあったことはない。
「それはそうと・・・あのハジキくんと牙王くんは?」
篠塚が尋ねてくる。
どうやら、ずっとタイミングを狙っていたようだった。
「えっ、ハジキはともかく、牙王はここに住んでるはずだぜ」
「えっと・・・それが帰ってきてないらしいんです」
「帰ってきてない。まさか、もう家出か?」
九郎はどうにも孤立癖がある牙王のことを心配していたがこうもすぐにいなくなるとは。
「違うんです。私、一昨日の夜にハジキくんと牙王くんにあって」
「一昨日の夜?」
「そこでブラックロッジに襲われて・・・」
「ブラックロッジだって?でも、破壊ロボでたなんて話は・・・」
「破壊ロボじゃありませんでした。もっと小さいロボットでビルの二階ぐらいまでの・・・
それでハジキくんもいきなり現れた似たようなロボットで戦って」
「ハジキが・・・戦った・・・?」
「はい・・・私たちはバラバラに逃げたんですけど・・・二人とも見当たらなくて・・・」
九郎は血の気が引くのを感じていた。
まさか、あの日にそんなことが起こっていたなんて・・・
「アラシちゃん・・・」
そこにライカが現れる。
「先生・・・あの、二人は?」
「ハジキくんは見つかったらしいわ。でも、牙王くんは・・・」
どうやら、行方不明のままらしい。
九郎はそれを聞くと立ち上がった。
「ライカさん。ハジキは今、何処に?」
「今は蜂須賀さんのところにいるらしいけど」
「サンキュー」
「私もついていきます」
九郎とアラシはそのまま走って出て行った。
「九郎ちゃん・・・危ないことしなければいいけど・・・」
ライカはその後ろ姿を心配そうに眺めていた。
途中で子供たちと遊んでいたアルも加わり九郎たちはハジキにあっていた。
「そっか・・・やっぱ、まだ見つかってないのか・・・」
ハジキは落胆した様子で呟いた。
「途中までは一緒だったんだろ?」
「あぁ、でも、オレも逃げるので精一杯で」
ハジキは普通の街人だ。
それがブラックロッジに襲われたんだからどうにかしろなど言えない。
「でも、あいつ・・・なんか変なロボットみたいなの呼び出せるし大丈夫だと思ったんだけど」
「極点王・・・」
アルがその力の名を呟く。
呼ぶも戻すも自由自在。もはや、完全なる召喚・・・魔法の領域だった。
「そうか・・・あいつにはあれがあるからな。無事なはずだな」
「まぁ、極点王が暴れまわってるとはきかないからな・・・まぁ、呼び出す間もなくやられたら話は別だが」
「お前は・・・どうして、話をそう悲観的にもっていくかな」
「だが、事実だ。九郎・・・奴らを野放しにするということはこういうことなのだぞ」
アルが責めるような視線で九郎を睨む。
「汝の大切なものが当たり前の日常から消えるかも知れないということなのだ」
「・・・それは・・・」
でも、九郎は納得できなかった。
事態が飲み込めず、深刻な世界を作る二人にハジキとアラシは戸惑っていた。
「これが・・・」
「はい、ライトニングって言います」
ハジキに案内され九郎はハジキが作り出した鉄鋼人を見上げていた。
「見たことのないタイプの機械だな」
「少なくともデウス・マキナではなさそうだな」
「あぁ、魔力は感じない・・・だが、何か意思のようなものをもっているようだ」
「意思?」
ハジキが尋ねる。
「微弱だが・・・妾はこれに似たようなものをしっているような気がするのだがな・・・」
アルは再び考え込んだ。
「痴呆症か?」
「馬鹿者!妾がそんな病気になるはずがないであろう。おそらく抜け落ちたページに記されていたはずだ」
「ガンダムもか?大昔の魔導書にそんなことが書かれてあるはずがないだろ」
「それは・・・」
アルはそのまま口ごもってしまった。
「ハジキくん・・・どうするの?」
「なにを?」
「このライトニングでブラックロッジと戦うの?」
そのアラシの問いにハジキは黙る。
「・・・いや、そんなことしない。それにこいつの大きさじゃ破壊ロボとは戦えないしな」
ビルよりも大きい破壊ロボに4メートルほどのライトニングが立ち向かうのは無理が感じられた。
それを聞いてアラシと九郎は少し安心したように息を吐いた。
その日の夜
冥獣ミノタウロスが街に現れていた。
前回の極点王の戦いから三日しかたっていない。
その出現スピードは過去類を見ないほどだった。
それが最強種とされるミノタウロスであればさらに・・・
武装警察が必死に撃破を試みるがほぼ徒労に終わっている。
MSであろうともあれを止めるのは不可能に思えた。
だが、そこに一機のMSが現れる。
いや、MSではない。
その人間と見まごうが如き動き・・・
それはモビルファイターと呼ばれるものだった。
アメフトのヘルメットをかぶったような頭部を持つ・・・ガンダム。
ネオアメリカの、チボデーのガンダム。
ガンダムマックスターであった。
「冥獣だか、知らないが。このオレがいる日に現れたのは運のつきだったな」
チボデーはファイティングスーツに身を包みミノタウロスを睨む。
「焼き肉にしてやるぜ!バーニングパンチ!!」
肩のパーツが射出されそれが拳にとりつく。
そして、勢い良く拳が繰り出されると炎が飛び出した。
その豪炎はそのまま、ミノタウロスを焼き上げる。
しかし、ミノタウロスはそれをものともせず殴りかかった。
それをマックスターはスウェイバックで回避する。
「とろいんだよ!」
マックスターのボディブローがレバーに決まる。
「ほぉ、あの冥獣と互角にやりあうとは・・・人間の兵器も意外にやるものだな」
「んな、悠長に言ってる場合かよ」
「では、汝は何かをするのか?」
「それは・・・」
「デモンベインを呼び出したければ呼び出せるぞ。あのシステムは完全に手中にしたからな」
「お前・・・」
九郎はその言葉に呆れていた。
「・・・大丈夫だろ。あのチボデー=クロケットが相手じゃ冥獣も分が悪すぎる」
「一対・・・一ならな」
突如、現れたもう一匹のミノタウロスに殴られマックスターは吹き飛ばされた。
「シット!もう一匹いたのか!」
チボデーは倒れずふみとどまるとファイティングポーズを取り直す。
いや・・・一匹どころではない。
闇は膨れ上がり・・・四つ目の蜘蛛・・・二頭の犬・・・冥獣が次第に出現する。
「多勢で責めるってか・・・はっ!このチボデー様が数で押されると思っているのか!」
チボデーは気を引き締めるととびかかってきたケルベロスにカウンターを決めて吹き飛ばす。
蜘蛛の糸をかわし拳を振り上げ鋭いアッパーを決めた。
「トルネードパンチ!」
その拳は竜巻を呼び、蜘蛛を空高く舞い上げる。
「さぁ、ドンドンかかってこい!!」
チボデーが叫ぶが余りにも多勢に無勢だった。
次第に押され始め・・・遂にはビルにたたきつけられる。
「ぐっ・・・やられるのか」
今だに膨れ上がる闇・・・それは絶望をかりたてるのに十分な要素だった。
たとえ、屈強の戦士といえども永久の闇を捉えることは出来ない。
「その程度かチボデー=クロケット」
突然の声にチボデーは頭上を見上げる。
そこにはビルの屋上に立つ赤いマントの男がいた。
「貴様は・・・」
「ガンダムファイターがこの程度の化け物に遅れをとるとはな」
「な、なにをぉ!」
「オレならこの程度の奴ら・・・一分でかたをつける!」
ドモンはマントを翻すと空高く腕を上げた。
「でろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!ガンダァァァァァァァァム!!!」
パチンッ!!
ドモンの指が鳴らされ突如としてアーカムシティ上空にブッドキャリアーが出現する。
ドモンがそれに飛び乗るとハッチが展開し中から白いガンダムが現れた。
「はあぁぁぁ!」
フィルムスーツがドモンの体につけられていく。
それはパイロットの動きをダイレクトにトレースするモビルファイター専用のシステム。
格闘家がモビルスーツという近代兵器を動かすために作られた究極の装置である。
「ふん!はぁ!たぁ!!」
ドモンの動きと共にガンダムは動く。
システムオールグリーン
調整は万全
後は・・・戦うのみ!
「いくぞぉ!!」
ネオジャパンのガンダム
シャイニングガンダムはミノタウロスを蹴りとばした。
「はぁぁぁぁぁ!たぁ!!」
残像のみで実体の見えないほどの連続拳がミノタウロスの肉体をえぐっていく。
格闘用のマニュピレーターを備えたシャイニングガンダムの拳はそれ自体が兵器であった。
縦横無尽に拳を振るうシャイニングガンダムにケルベロスがとびかかる。
「遅いっ!」
シャイニングガンダムは即座にビームソードを抜くとケルベロスを両断した。
「へっやるじぇねぇかジャパニーズ・・・」
チボデーはその洗練された動きで全く冥獣を寄せ付けぬドモンの動きに釘付けになっていた。
もはや、冥獣など視界に入っていない。
戦ってみたい・・・この強者と!
そのために・・・
「邪魔だ!!」
ミノタウロスにマックスターのワンツーが叩き込まれる。
それだけでミノタウロスはダウンした。
完全調子の・・・いや、闘志を漲らせたチボデーの敵ではない。
「凄い強さだな・・・」
「だが・・・彼らでは闇の根元を絶やすことは出来ない」
牙王と極点王は上空からその戦いを見ていた。
本日の昼間
「まさか・・・パラダイムシティに紛れ込んだイレギュラーが貴方だとはね」
瑠璃は牙王を睨みつける。
地下鉄の終着点
そこは覇道財閥の地下だった。
まぁ、入り口がそこだけなのだから誰もいけないのは道理である。
「で、オレの口でも封じるか?」
「・・・いえ、ロジャーさんの話を聞いて確信しました。貴方はブラックロッジと戦うための力となる」
「オレはあんたの為には戦わない」
「私のためじゃありませんわ。この街・・・いえ、世界平和のため」
「・・・世界平和はどうでもいいけど・・・オレも奴らとは戦わなきゃならない」
「少しききずてなりませんが・・・どういう心境の変化ですか?貴方は一切戦いたくないといっていたと聞いてますが」
「聞いてたのか・・・いい気がしないな」
「貴方のような人を野放しに出来るわけがないでしょう」
「そうだな・・・オレは私利私欲で奴らと戦う」
「彼らの力を手に入れる気ですか?外道の法を?」
「そんなのに興味は無い・・・俺は戦わなきゃいけない。あいつを取り戻すために。ブラックロッジとも・・・冥獣とも」
「あいつ・・・?」
「だから、あんたと手を組む気はない。デモンベインもビッグオーの力も借りない・・・オレは・・・極点王だけで戦う」
牙王はただ、遠くを眺めていた。
「・・・闇の根元・・・あそこか・・・」
牙王はそう呟くと一気に極点王を降下させる。
落下勘はない。
まるで始からそこにいたようだ。
「極点制裁!!」
破邪の輝きをもった刃は空間ごと闇の源を切り払った。
それと同時に一瞬にして冥獣が消滅していく。
「どういうことだ・・・?」
ドモンはその突然の事態に困惑する。
消えた冥獣・・・そして、突如現れた謎のロボット。
「一部・・・消えてない」
「どうやら、二つあったようだな」
一瞬にしてミノタウロスが二体、極点王を取り囲む。
「どけっ!!」
守護方炎の炎がミノタウロスを焼くがさほど外傷はない。
「くっ・・・闇の根元は何処だ!?」
「落ち着け、まずは六力の牛をどうにかするんだ」
極点王の言葉など聞こえないのか牙王は辺りを見回す。
「奴が・・・何かを斬ったとたんに化け物が消えた・・・」
ドモンは取り囲まれる極点王をみて呟く。
そして、無数に現れる冥獣・・・
「こいつらは奴のように源をもって増殖しているのか・・・なら、そこを叩けば」
ドモンは納得すると意識を研ぎ澄ませる。
ひときわ大きい殺気・・・それは隠しようが無い。
「そこか!!」
ドモンが拳を構えると各部のパーツが展開し熱を放出する。
「オレのこの手が光って唸る!」
シャイニングガンダムの拳が緑色の光に包まれる。
「お前を倒せと輝き叫ぶ!」
拳を腰に構えて姿勢を低くして狙いを研ぎ澄ます。
「砕け!必殺!!」
大地を蹴り、同時に背部バーニアを全開にし一気に飛び掛る。
「シャァァァイニング・・・フィンガァァァァァァァ!!!」
光り輝く指が闇を捉える。
拳は闇を掴み、エネルギーが闇を焼き上げる。
そして、言葉どおりシャイニングガンダムの拳は闇を砕いた。
それと同時に残った冥獣が消滅する。
「・・・あのモビルスーツが倒したのか・・・」
牙王は信じられないという表情でシャイニングガンダムを見つめる。
「エネルギーで無理やり闇を消滅させた・・・荒業だが・・・それを可能にしたのはあのパイロットの強い意志だな」
「意思・・・?」
「そうだ。彼の意思が力となり闇を砕いた。彼は強い。この戦いの心強い味方となるぞ」
「いらない!」
「・・・牙王?」
「オレは一人で戦う・・・誰も巻き込まない」
牙王は極点王を消してそのまま、夜の街に姿を消した。
「消えた・・・」
ドモンは怪訝そうに極点王がいた方向をみるが直ぐにチボデーに視線を移す。
「よぉ、やるじゃないかドモン=カッシュ」
「貴様こそな。チボデー=クロケット」
二人の間からはとげとげしさが消えていた。
変わりに熱い闘志が燃え上がっている。
二人はあの戦いを通じてお互いに強者として認め合っていた。
「今すぐ戦いところだが・・・マックスターの調子が悪い」
「ふっ、シャイニングも少しがたが来ているようだ。お前とは全力で戦いたい。勝負はお互いに万全になってからだ」
「おう、その時はすぐにでもお前と戦うぜ」
「あぁ」
シャイニングガンダムとガンダムマックスターは拳と拳を握り合った。
次回予告
アーカムシティに集いし戦士たちはお互いに悩みを抱えバラバラに行動していた。
だが、そんな彼らの前にかつて無い恐怖が降り立つ。
マスターテリオン・・・ブラックロッジの首領。
その脅威に九郎は、ハジキは、ロジャーは、ドモンは・・・
そして、牙王はどう立ち向かうのか・・・
次回
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第三章 地球混迷編
第六話 戦士の証
命を護る牙となれ、牙王
インターミション
牙王:今回からはインターミションだ。後は任せた。
九郎:おい!主役の義務をほっぽって何処に行く気だ!?
牙王:主役と言ってもようはただの進行役だろ。本編も九郎が主役っぽいっていうのに
アル:確かに今回は汝はほとんど出てきてなかったからな。
ハジキ:それでも、オレよりは見せ場があったからいいじゃないか。
九郎:オレだって戦ってないしな。どちらかというと今回はドモンが主役だろ。
ドモン:・・・オレか?
牙王:というわけで後は任せた
九郎:だから、そうやって他人任せにして逃げるなっつの
ドモン:そんなこと言われても俺は戦っていただけだしな
九郎:とりあえず、本編内容のフォローをしろ
牙王:フォローしろと言われてもフォローしなきゃならん場所だらけでやってたら本編より長くなるんじゃないか?
九郎:そこは要点だけかいつまんでだな・・・
牙王:・・・フォローは必要だが。特にあえて説明する部分もないな
ハジキ:なんでアルがガンダムのことを知ってたのかっていうのは?
牙王:それは結構重要なことだからこんなところじゃ喋れんぞ
アル:というか。妾は物語の根幹に関わっておるからなほとんど説明はできん
九郎:アル意外でも俺たちデモンベイン系はそうだな。元々はデモンベインをスパロボにだそうで始まった話しだし。
牙王:気づいたら大変な量になってただけだからな
アル:まぁ、妾の言葉には注意しろということだな
ハジキ:ふぅん
牙王:まぁ、かわりにガドガードはほとんどおまけだがな
ハジキ:そうなのか!?
牙王:街を舞台にした話で一応、ロボットがでるからとかそういう理由だから
ハジキ:そうだったのか・・・
ドモン:それじゃ、オレはどうなんだ?
牙王:Gガンに限らずガンダムは全部、重要ですよ。ストーリーの進行にも根幹にも
九郎:逆に古いスーパーロボットは結構、いるだけってのが多いからな。
牙王:作者がみてないんだからしょうがない・・・とのたうちまわっているからな
九郎:まぁ、とりあえずこのへんだな。進行役が落ちいてるから脱線せずにすんでよかったぜ
牙王:一章は後書きの意味がないからな