神社の縁側で霊夢はお茶をすすりながら陽気に当たっていた。
風が木々を揺らし、葉が触れ合う音。
小鳥が無邪気に飛び交い、鳴きあう声をBGMに緩やか日を満喫していた。
何時もの日常、大きな揺らぎのない時間。
まるで平坦なグラフのように・・・
だが、そんなグラフも時として突然、振れ幅が変わるもの。
「すみません、霊夢いますか?」
空から突如として凛とした声が響き渡る。
その声の主はふわりと地面に降り立つ。
銀髪の少女、妖夢は一礼すると霊夢のほうへと歩み寄る。
「あら、珍しいわね。あんたが一人でここに来るなんて」
霊夢はゆっくりと目を開けてその姿を確認する。
「実は霊夢に相談したいことがあるんだけど・・・時間をちょっといいですか?」
半人半霊の庭師は何時もどおり真剣に・・・少し切羽詰ったように尋ねた。
「別にいいわよ。で、なに?」
「・・・幽々子さまに弄られるのを止めたいんです!」
妖夢の脱・弄られキャラ宣言
「で、どうしていきなりそんなことを?」
妖夢の弄られキャラっぷりは幻想郷でトップクラスだ。
何時も何処かに余裕を持つ妖怪の多くすむ幻想郷に置いて
何時も真面目で真剣、未熟で余裕の無い妖夢は主である幽々子を筆頭に色々な人に弄られている。
妖夢を見つけたら弄らなきゃ始まらないといったぐらいだ。
場所を居間へと移し、お茶を用意した霊夢は向かいに座るそんな妖夢をマジマジとみる。
そんな自分のアイデンティティを否定してどうするのだろうと思ったが
本人にとってそんなアイデンティティなど不名誉きわまりないものだろうと考え直した。
「幽々子さまにお使いを頼まれんですよ。百合本なるものを買ってきてほしいと」
「ゆ・・・百合・・・」
霊夢は苦笑いを浮かべる。
百合といえばあれだ・・・東方を語る上ではずせ・・・・
もとい、女性同士の禁断の恋。
男性など一切介入せず可憐なる少女たちが繰り広げる甘くて苦くて萌えあが・・・
失礼、とりあえず普通の感覚の人などお断りなそんな本だ。
「それで香霖堂に買いに行ったのですが店主は読んでいた本を取りこぼし数秒、唖然とした後にやっぱり君もそういうことに興味があるんだねと
眼鏡を輝かせながら告げたかと思うと、そういうことなら紅魔館の館長が集めてたというので借りにいったんです。
そこでパチュリーさんにそのことを告げると快く本を貸してくれたんですよ・・・・・・
でも・・・でも!私、百合本というものがあんな・・・あんな破廉恥なものなんて知らなくて!?
偶々、やってきた魔理沙とあのメイド長にも見つかるし!!私、恥ずかしくて帰って幽々子さまに問い詰めたんですよ。
どうして、あんな本を買いにいかせたのかって!そうしたら・・・あら、そんなことも知らなかったの、としれっといいやがるし!!
普通、女性同士であんな・・・あんな・・・ああああああ!!ともかく、淫らで不潔な行為、するわけないのににぃぃっ!!
知る分けない!今日という今日はもう、我慢できなくて飛び出してきたんです」
妖夢が一気にまくしたてる。
いや、最初の方は淡々と語っていたのだが・・・
見つかったときのどんな顔をされたのか知らないがそこから恥ずかしいことを思い出したのか顔を真っ赤にし
更に気が動転して一気に早口で喋り終えてしまった。
口調も変わるは奇声もあげるわ・・・相当、恥ずかしかったのだろう。
そんな妖夢を見て霊夢は微笑み続けている。
「(本当・・・面白いわね・・・見てるだけで)」
いや、嘲笑していた。
「そういえば、あの店主もやっぱり君もそういうことに興味があるんだねって!やっぱりってナンですか!?
そんな目で私を見てたっていうんですか!?パチュリーさんも考えてみると納得って顔してたし!
どうなんですか!ねぇ!?」
妖夢は身を乗り出して霊夢に詰め寄る。
その勢いに霊夢は面食らったが何時もどおり涼しい顔で
「そうねぇ・・・幽々子×妖夢って基本じゃないかしら」
とあっさり答えてしまった。
「×ってなんですか×んですか!?私と幽々子さまをかけたって=になりませんよ!?」
「そうじゃないわ。攻め×受け。つまり、幽々子とあんたは出来てると」
「出来てませんよ!出来るってなにが!?」
「まぁまぁ、とりあえず落ち着いて。ちゃぶ台の上に上がらない」
「あ・・・」
ようやく、自分がちゃぶ台の上に立って霊夢の肩を掴んで揺らしている事態を認識する。
妖夢は顔を紅くしてそそくさと元の位置へと戻っていった。
「とりあえず、もうそうやって悪戯されるのが耐えられないってことね」
霊夢が話を仕切りなおす。
妖夢は奇跡的に零れていなかったお茶を一口飲んで冷静さを取り戻す。
「まぁ、でも幽々子さまの性格が変わるなんて天地がひっくり返って黄泉返りが起ころうともあるわけないし。
あぁいう如何わしい知識なんて暇人である幽々子さまに適うはずもありません。
そこで空を飛びながら考えていたんです。そして、ある答えにたどり着いたんです。
取り乱さなければ良いって。そこで相手が何を言おうとも意に返さず相手を思いやらない霊夢のようになれば良いって」
「何気に悪口が混ざってるのは本音?」
「いえ、その・・・思ったままが口に出てしまうもので」
「本音じゃない。とりあえず・・・ようは幽々子に何をされようとも動じないようになりたいって訳ね」
妖夢は力強く頷いた。
彼女の決意は固いようだ・・・だが・・・
「さっきのを見てると・・・遠い道のりになりそうね」
思い返すだけであの取り乱しよう・・・真面目とかそういうレベルを超えているような気がする。
「心得てます。どんなに遥か厳しい道であろうとも乗り越えて見せます」
何時もどおりに真っ直ぐな瞳を返す。
「ふぅん・・・まっ、別に良いけど。具体的にどうするつもりよ?」
「あ・・・」
霊夢の質問に妖夢は答えられずに固まってしまう。
霊夢のようになるといっても他人が他人の真似をするだけでは意味が無い。
表面上をとりつくろうが内面が変わるはずが無いのだ。
外見を変えれば精神面に変化が出るなど個性を持たない有象無象の戯言。
完全にキャラが固定化している妖夢がそんなので動じるとは思えない。
というか絶対に体が勝手にリアクションを取るはずだ。
「・・・なんか良い修行はないでしょうか?」
「私、修行嫌いなのよね」
確かに自己開発セミナーとかそんな感じで内面を変える様なものはあるが知ってるわけが無い。
「そういうのはもっと知識がある人に尋ねなさいよ」
「ダメです。パチュリーさんには恥ずかしくてもう、会わせる顔がありません」
そんなに恥ずかしかったのだろうか。
とりあえず、しばらくは紅魔館に近づきもしないのではないだろうか。
霊夢はため息交じりに口を開いた。
「まぁ、少しゆっくりしていきなさいよ。頭を冷やせば考えも変わるかもしれないわよ」
「いえ、ダメです。決めたならちゃんと実行しないと」
「・・・そうやってすぐムキになるから弄られると思うんだけど」
「あっ・・・」
妖夢は呆然とする。
弄られキャラをやめようと意固地になればなるほど抜け出せないということなのだろうか。
堂々巡りが頭を駆け巡り妖夢の頭が処理落ちしはじめる。
「とにかく!たまには仕事サボってるんだから。ゆっくりしていきなさい」
妖夢はとりあえずその案に乗ることにした。
それから、どれだけ時間が経ったのだろうか?
いや、時間を気にするなど現代人の証拠だ。
この緩やかな日に経過した時間などあまり意味は無い。
日が出てれば昼で落ち始めれば夕方で沈めば夜・・・それでいいのだ。
とりあえず、今は日は落ちかけている。
縁側で沈む夕日を眺めながら霊夢と妖夢はお煎餅をお茶菓子に緑茶をすする。
妖夢は庭師として先代から仕事を任せられてここまで穏やかな日を過ごしていなかった。
来る日も来る日も庭の手入れ、幽霊たちの管理に幽々子さまの世話・・・
めまぐるしく働き続ける日々。それに追われてこんなにゆっくりと沈む夕日が美しいなどと想うことも無かった。
「霊夢は何時もこんな日を過ごしてるんですか?」
静寂から妖夢は突然に質問を浴びせる。
「まぁ・・・魔理沙とかレミリアが来なければ大体はこんな感じね」
霊夢は視線の位置を変えず言葉だけを返す。
妖夢は霊夢の視線の先を追うが何も無い。
何も見ていないのだ。
目を開いているだけで見る必要性が無いのか見る気がないのか・・・
わからないがそういう視線もあるのだなと感じた。
何でもかんでも見定めてしまおうとする妖夢と違い霊夢は見定めるなんてしない。
ありのまましか受け止めないそういうことだ。
妖夢はそこまで考えていないが何となく思考の幅が広がった気がした。
「で、どう?」
話の流れなど一切、無視して問いかけに妖夢の思考が止まる。
何がどうなのだろうか。
会話などさっきの質問だけだったが感想でも求められてるのだろうか・・・
妖夢はそう判断すると口を開く
「久しぶりにゆっくりできてよかったです」
「そうじゃないわよ。あんたが言ってた弄られるのをやめるとか何とか、どうするのかって聞いてるの」
「あぁ・・・」
何となくすっかり忘れていたようだ。
「別に私は気が済むまでここにいても構わないわよ」
霊夢の言葉に妖夢は何度目かの思考を開始する。
穏やかな日を過ごして朝の嫌がらせの恨みなど何処かにいってしまったかのようだった。
だけど、それとは別にもう少しここに居たいとも感じる。
偶には幽々子さまを困らせてみるのも面白いかもしれない。
「それじゃ、お言葉に甘えて今晩、泊めて貰います」
日も落ちて二人っきりの食事をとる事となる。
霊夢は別に会話で場を繋がなくても居心地が悪くならない特殊な存在だ。
だから、特に妖夢も何かを話さなきゃいけないわけではないのだが少し入ったお酒で愚痴をこぼし始めた。
「この前なんか何処かの村じゃ人間のお腹を裂いて臓物を食べる習慣があるらしいの。美味しいのかしら、私もやってみたいから
その村を探してきてなんていうんですよ。そもそも、結界を越えられないじゃないですか。それでどうしろと。
人間の里なんか襲ったら慧音さんに怒られるし知り合いの人間は質悪いし」
「質悪いのには私も含まれてるのよね」
妖夢は本人を目の前でも本音を語る。悪口も含めて。酒も入って止め処もなく。
ちなみにその習慣がある村は現在、ガス災害で閉鎖され誰も住んでおりません。
「そうやってそうやって何時も楽しんで暇を潰してるんですよ。食べるか寝るか私で遊ぶかぐらいしかしないんですよ。
永遠亭のニートとあんまりかわりませんよ。まぁ、あっちと比べて幽々子さまは結構、歩き回るから苦労は多いですけどね」
悪口というか本音の火は色々な方向に飛び火しようとしている。
こんなのを本人に聞かれた日には凄まじい弾幕合戦になることは間違いない。
宴会の席では絶対に妖夢に愚痴は言わせまいと霊夢は誓った。ただし、神社に限り。
「あぁ、なんかはっきり言うとすっきりしますね」
「何時もはっきり言ってる気もするけど・・・まぁ、見た目によらず苦労が多いようね」
「霊夢は苦労が無さそうで良いですよね」
「無い分けないでしょ。私だって苦労してるわよ」
心外だと霊夢の表情が少し険しくなる。
「別に誰にも仕えてるわけじゃないし誰かを支配するでもない。気楽なものじゃないですか」
「誰かが異変を起こすと解決しないといけないし、それでお金がもらえるわけじゃないから食費の心配があったりとか」
どっちの要因にも心当たりがある妖夢は罰が悪そうにうつむく。
「愚痴はもう終わり。さっさとお風呂に入ってきて」
見かねたのか霊夢が話の流れを断ち切る。
「いえ、家主を差し置いて一番風呂なんて頂けません」
「遠慮なんかしなくて良いわよ」
「ですが・・・」
「片付けもあるしその間に入ってきてくれればいいのよ」
霊夢はそういって夕食の食器を片付け始める。
「そんな私がやります」
「いいの、あんたは客なんだから大人しく招かれてなさい」
「客・・・私が?」
「そうでしょう。招待したつもりはないけど許可したのは私だからね」
確かに付き合うと言ってくれたが・・・妖夢は躊躇するがここで彼女の言葉に従わないのは逆に不遜と思い先にお風呂を頂くことにした。
風呂上り
夜風で火照ったからだ沈めながら妖夢は月を見上げる。
いや、月ではなく空の上にある世界・・・
死者が集う幽霊の園、白玉楼・・・自分が本来暮らすべき世界。
妖夢は自分の半身を抱えながらぼうっとしている。
「そろそろ寝るわよ」
風呂上りの霊夢が障子を少し開けて妖夢に告げる。
「もう、ですか?」
グリニッジ標準時刻で現在8時過ぎだろうか。
いわゆるゴールデンタイムと呼ばれる時間でTV局は競って看板番組を放送する時間だが幻想郷には関係ない。
「何かすることがあるわけでもないでしょう」
「将棋を指すとか?」
「やりたければ相手になるけど」
「いえ、別にやりたいわけじゃないです」
まぁ、ここで引き止めて将棋をさしてどうにかなるものでもない。
別に興味がないことで時間を費やすぐらいなら睡眠をとるということだろう。
「とにかく、こっちの部屋に布団用意しといたから。眠たくないならまだ。そこにいてもいいけど」
「いえ・・・」
妖夢はそこまで言ってマジマジと霊夢の顔を眺める。
「どうしたの?」
「いえ、リボンを外した霊夢を始めてみたな、と」
トレードマークのような紅白の紅部分の一部であるリボンは就寝前とあって外されている。
目立つシンボルが無くなった霊夢は何時もと違って見えた。
「それをいうならリボンをはずしたあんたも始めてみるわよ」
「そうですね」
お互いにたかがそんなことだが何となく相手の違う面を見て不思議な高揚感を感じていた。
嬉しいのか楽しいのかはたまた違う感情なのかはわからないが何だか新鮮な気分という一点で共通している。
「何で笑ってるんです?」
「妖夢こそ笑ってるわよ」
二人はしばらくそんな些細なことで微笑む程度に笑い続けた。
霊夢が自室で床についてしばらくして戸がすっと開けられる。
霊夢は首だけ動かして相手を見た。
確認するまでもなく妖夢だというのは気配で分かる。
こんな生真面目相手は他にいないというのが霊夢の感想。
「どうしたのよ?」
「あの・・・非常に申し上げにくいのですが・・・隣で寝させてもらえないでしょうか」
思いつめたような表情で妖夢が告げる。
霊夢は一瞬、呆然として少しの間をおいて口を開いた。
「え・・・」
隣・・・霊夢の脳裏に妖夢がここに来る騒動の元となった本の内容を思い出す。
まさか、今日一日考えて目覚めた!?
そんな一文が頭の中を駆け巡る。
「一人で寝ると落ちつかなくて・・・」
「あんた、もしかして幽々子と一緒に寝てるの?」
「違いますよ!ちゃんと私の部屋で一人で寝てます!」
「じゃあ、どうして?」
いよいよ、もって霊夢の頭の中に百合ワールドが加速していく。
「慣れないところだと落ち着かないんです」
「あぁ、そう・・・良いわよ。別に」
霊夢は意を決して答えた。
襲い掛かられたら時ように夢想封印のスペルカードをすでに握っている。
妖夢はほっとしたようでさっきまで強張っていた表情を解かす。
その顔は本当に子供のようだった。
既に用意していた布団を持って、霊夢の横に広げる。
「他人の家に泊まるのって初めてで」
妖夢は布団に入ると気恥ずかしそうに良いわけを始める。
「あんたを泊めるのは今日が初めてじゃないわよ」
霊夢は愉快なことを思い出しくすくすと笑い出す。
「えっ、知らないですよ」
「何回、神社で宴会したとき酔い潰れたあんたを泊めてたのよ。まぁ、ついでに幽々子も泊まっていって朝食を食い散らかして帰っていったんだけどね」
「そ、そんなことが・・・というかすいません。幽々子さまが迷惑をかけて」
どんなときでも主の不始末を謝る従者の鏡のようだ。
「別にいいわよ。あんたのせいじゃないし」
「そもそも、私が酔い潰れなければ・・・」
「飲ませてたのも幽々子だしね。分かってて飲ませてたっぽいし」
「あぁ、そういえば何回か凄い勢いで飲まされたことがありましたね」
そのあと、記憶がとんで気づいたら白玉楼にいたことしか妖夢は知らなかった。
「気にしなくて良いわよ。あの亡霊姫のことを一々、気にしてたらやってらんないわよ」
「私もそういう風に思えればいいんですけどね」
妖夢は深くため息を吐いた。
「別に良いじゃない。あんたはあんたでしょ他の人と同じようできれば良いってもんじゃないわよ」
「え・・・」
「だから、妖夢には妖夢にしかない良いところがあるって言ってるのよ」
「私の良い所・・・ですか?」
妖夢は胸に手をあてる。
何処だろうか、霊夢が良い所なんていうほどに際立ったところなどあっただろうか。
「真面目なとこ。純粋って言ったほうが良いかな」
「それって・・・私が悩んでるところじゃないですか!」
「そうやってすぐムキになるところも」
「・・・バカにしてるんですか」
悩んで治したいところを良い所などふざけてるようにしか聞こえない。
「私はあんたのそういうところらしいと思うけどね。だから、幽々子もあんたを手元に置いておく」
「私が弄りがいがあるからですか?」
「それもあるでしょうけど。もっと別に安心できるのよ」
「安心・・・?」
「一生懸命な妖夢を見てると自分がここにいるんだって感じられる」
本気で相手の言葉に耳を傾けているから過敏なまでに反応する。
妖夢と話してるだけで自分がここにいるんだなと感じられる。
存在を肯定してくれるような存在。
純粋に自分を受け止めてくれる存在。
それが妖夢なのだと今日一日で霊夢が感じた感想だった。
「どういう意味ですか?」
妖夢は分かっていない。
だけど、それで良いと霊夢は思う。
分かったところでどうにもならないし分からないほうが面白い。
何より分からないで混乱してる妖夢を見ているのが面白い。
なら、断然そっちをとってしまうということだ。
「教えない。自分で考えなさい」
「いいじゃないですか。話を振ってきたのは霊夢ですよ」
「いいんじゃないの。これも修行よ」
「霊夢が言っても説得力がありません」
しばらく、教えてくれないことにふてくされていたがどうしても分からないらしい。
それでも霊夢に教える気はないが。
「霊夢・・・寝ちゃった?」
「起きてるわよ」
「手・・・繋いで良いですか?」
「・・・なんで?」
百合の気配に霊夢は戦慄する。
「今日一日、色々考えて結局、何も分からなかったけど一つだけ分かったような気がすることがあるんです」
「分かったような気がすることって分かってないんじゃない?」
「いえ、分かってます。霊夢に相談するって判断が間違ってなかたって」
「そう。魔理沙とか咲夜とかのほうが明確な答えをだしてくれたかもよ」
「それもそれで当たりかもしれないけど・・・霊夢に相談したことも当たりだと思うんです」
「・・・正解だらけじゃない」
「ですね。相談したこと自体が当たってたのかも」
「それじゃ、私はついで?」
「そんなことない。霊夢じゃなきゃ多分、今までの自分を変えてしまったような気がするから。
今までの自分でこれから先へと頑張ろうって気持ちは霊夢じゃなきゃくれなかったと思う」
自然体で受け入れて受け流す霊夢だから変えずにそのまま、流す。
それでは空気も同じだけどそれでも確かにそこにあったと感じられる。
「明日、朝帰ります」
「そう」
「霊夢の温もりを感じられたら頑張っていけると思うから」
そこでようやく問いかけの答えを返す。
霊夢は無言で何も答えない。
妖夢も諦めていた。
そもそも、手を繋げばがんばれるなんて馬鹿げている。
なんでそんな恥ずかしいことを言ったんだろうと紅くなって自問自答してると
すっと腕が差し出される。
「眠るまでぐらいなら良いわよ」
妖夢はすぐさまその手を握った。
結局、二人とも起きるまでその手が離されることはなかった。
霊夢は縁側で太陽を浴びながらお茶を飲んでいた。
そんな彼女の前に何時もどおりの少女が降り立つ。
黒白の魔法使いは箒から降りるとそのまま霊夢の横に座る。
「何時もどおりだぜ。どうだい、なんか変わったことはあったか?」
魔理沙は煎餅を割りながら尋ねる。
「そうね・・・結構、大きな変化があった気がするわね」
「霊夢が言うほどの異変があったのか?なんだ?今度は悪の秘密結社でもあらわれたか?」
「でも、あんま大きくないかも」
「なんなんだよ。気になって煎餅がほら、バラバラになっちまったぜ」
粉々に近い煎餅を魔理沙は口にほおばった。
霊夢は空を眺める・・・いや、その先を望む・・・
「結構、大きな変化だと思うんだけど・・・かなり早かったしやっぱり小さな変化なのかしら」
「何時も以上に歯切れが悪いぜ。すっぱり言い切ってくれよ。何が変わったんだ?」
「・・・私の心・・・」
後書き
とりあえず、自分でも何がやりたかったのかがわかりません。
霊×妖とか需要なさげにもほどあるよな。
大体、霊夢は魔理沙とかレミリアとか妖夢なら大体、幽々子で後は咲夜とかって感じだし。
とりあえず、盛り上がりどころもないし常時、まったりな感じ。
ギャグもあれじゃドモンの刀ほどの切れ味もないぜぃ。
次はもっとバカなのを描こう。